開催中止となったツール・ド・スイスでの現役引退を表明していたミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)が、今季終了まで現役続行へ。「レースを走りきってキャリアを終えたい」と話している。



2018年のツール・ド・フィヨルドで総合優勝を挙げたミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)2018年のツール・ド・フィヨルドで総合優勝を挙げたミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット) (c)www.tourdesfjords.no
「現役引退と、家族と話していた休暇のこと。このパンデミックで全ての予定がキャンセルになってしまった。もし休暇そのものが取れないのであれば、少なくともレースを走り終えてから現役引退することを選びたい」。

母国最大のレース、ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)での現役を表明していたミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)だが、新型コロナウイルスの感染流行で計画変更を強いられたことをチーム公式ニュースの中でアナウンス。今季終了まで現役を続行するとともに、ツール・ド・スイス開催日に合わせたライドを行うことも触れられている。

スイス、メンドリジオ出身のアルバジーニは、現在ミッチェルトン・スコット最年長の39歳。2003年にフォナックでプロ入りしてからリクイガス、チームHTCを経由し、2012年には現チームの立ち上げメンバーとして加入。登坂力とスプリント力を兼ね備えるパンチャーとして18シーズンをトップチームで走り続け、グランツール14回出場を誇ると共に、ツール・ド・スイスでステージ3勝、ツール・ド・ロマンディでステージ7勝と、特に母国スイスのレースでは無類の強さを誇る。

「(現役延長に対して)モチベーションを取り戻すことにも苦労し、しばらく時間がかかった。シーズン開幕前に立てていた目標の少なくとも一つを手に入れられるよう、今は全ての準備をやり直す意欲に燃えているんだ。今僕が考えているのは、現役ラストレースを"最後なんだ"と理解して楽しむこと。しっかりと準備をして記憶に残るようなレースを走りたいんだ。それができないままであれば、最後のレース名すら忘れてしまうと思うから」。

「最終シーズンのレース、そしてそれら周辺の全てを本当に楽しみにしていた。トレーニングキャンプや、マッサージや夕食に向かう時の気分、それから仲間たちとテーブルを囲む時...。そういった瞬間全てを楽しみたいし、(現役延長したことで)楽しむチャンスがまだ僕には残されている」。

アルバジーニは6月7日から14日までの8日間、開催予定だったツール・ド・スイスのコースをファンと共に走る。「友人や元プロ選手などと一緒に走るつもり。1日6〜7時間のライドはとてもいい時間になると思う。僕と一緒にキャリアを築いてきてくれた人たちと交流する最高のチャンスになるはずだ。本当に楽しみにしているよ」。

text:So.Isobe