46kmの平坦コースを舞台にしたデジタル・スイス5第2レースで、TTスイス王者のシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)が圧勝。2位フィリッポ・ガンナ(イタリア、チームイネオス)を47秒上回った。



デジタル・スイス5 第2レースデジタル・スイス5 第2レース (c)VirtualTraining世界屈指の強豪選手が集う「デジタル・スイス5」第2レースの舞台は、ドイツ国境に近い街フラウエンフェルトの周回コース(11.5km)をバーチャル上で4周回する距離46kmの平坦ステージ。この日はDe Ronde覇者グレッグ・ファンアーヴェルマート (ベルギー、CCCチーム)や強豪スプリンターのサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、NTTプロサイクリング)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)らが自宅から参戦した。

TTスペシャリスト向きのコースで、序盤から他を圧倒したのは地元スイスの"ビッグエンジン"、シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)だった。各選手がスタート直後から600w台を踏み先頭集団を形作る中、キュングはフィニッシュまで40km以上を残し、9w/kgに迫るパワーを叩き出して独走体制に持ち込んだ。

2018年のツール・ド・スイス個人TTで勝利し、現在スイスのTT王者に輝くキュングのパワーは他を寄せ付けない。トラック個人パシュート世界記録保持者/TTイタリア王者のフィリッポ・ガンナ(イタリア、チームイネオス)が追走したものの、その差は広がるばかりだった。

ライバル勢を引き離していくシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)ライバル勢を引き離していくシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
54分30秒で46kmを駆け抜けたキュングは、最終的にガンナを47秒引き離してデジタル・スイス5第2レースで勝利。「すごく追い込んだ。1時間"フルガス"状態だったよ。コースは自宅から1kmくらいの場所だったので名誉を守れたね」と振り返っている。

ファンアーヴェルマートとマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)による激しい3位争いは最終盤に抜け出したマシューズが先着。メカトラブルに終わったDe Rondeの借りを、そのレースの優勝者ファンアーヴェルマートを下すことで返した。

マシューズはチーム公式レポートの中で「すごくハードだった。キュングの走りはすごかったね。なんとか彼に食らいつこうとしたけれど、今日は無理だった。最終的に3位に入れたことは満足しているよ。昨日2位に入ったロッシュと4位のハミルトンと合わせて、サンウェブは2日間で2度の表彰台。いい結果なので明日のレースにも注目したいね」と語った。


なおROUVYによれば、プロレースの2時間後に行われたファンレースの優勝タイムは、キュングから4分06秒遅れの58分36秒だった。
デジタル・スイス5 第2レース結果
1位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) 54:30
2位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、チームイネオス) +0:47
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) +1:28
4位 グレッグ・ファンアーヴェルマート (ベルギー、CCCチーム) +1:32
5位 マッテオ・ダルシン(カナダ、ラリーサイクリング) +2:23
6位 スティーブン・バセット(アメリカ、ラリーサイクリング) +2:30
7位 ラスムス・ティレル(ノルウェー、NTTプロサイクリング)
8位 カミル・グラデク(ポーランド、CCCチーム) +2:42
9位 ミヒャエル・シェアー(スイス、CCCチーム) +2:47
10位 ミッチェル・ドッカー(オーストラリア、EFプロサイクリング) +3:30
text:So.Isobe