エンヴィ初のセカンドグレードホイールとなる「FOUNDATION COLLECTION」が発表された。独自のカーボンテクノロジーを最大限活用し、価格を抑えつつも最高のライドクオリティを実現した。45mmと65mmハイトのロードホイールと、トレイル/エンデューロ向けのMTBホイールがラインアップする。



エンヴィ初のセカンドグレードホイールとして登場した「FOUNDATION COLLECTION」エンヴィ初のセカンドグレードホイールとして登場した「FOUNDATION COLLECTION」 (c)ダイアテック
カーボンコンポーネント専業で製品開発を続けるアメリカのENVE(エンヴィ)。ロード、トライアスロン、MTBと幅広いジャンルのプロライダーをサポートしており、そのフィードバックを活かした高性能なラインアップが同社の特徴。さらには、多数のフレームビルダーとも協力体制を築いており、世界中で熱狂的なファンを増やし続けている。

手掛ける製品全てが最高の性能を持ったトップモデルというエンヴィの信念はそのままに、より幅広いライダーに向けて今回発表されたのが、ブランド初のセカンドグレードモデルとなる「FOUNDATION COLLECTION」だ。同価格帯で見た時に、他社製品を上回る軽量性、空力性能、耐久性を実現したハイパフォーマンスホイールに仕上がっている。

セカンドグレードと言えど風洞実験の手間は惜しまず力を注いで開発されているセカンドグレードと言えど風洞実験の手間は惜しまず力を注いで開発されている (c)ダイアテック
メイドインUSAを貫く高品質な製品作りもエンヴィの特徴メイドインUSAを貫く高品質な製品作りもエンヴィの特徴 (c)ダイアテック
FOUNDATION COLLECTIONではロード、トライアスロン、MTBという自転車のコアカテゴリーに向けて3つのモデルをリリース。いずれも上位モデルと同様にエンヴィオリジナルのカーボンテクノロジーを多数採用し高い性能を追求している。全ての製品を一貫してアメリカ国内での生産にこだわっており、このモデルもユタ州の本社工場にて製造されることも特徴の一つ。

エンヴィ独自の技術として、最初からスポークホールが空いた状態でリムのモールド成形を行っていることは有名だ。ドリリングで穴を空けずに済むためカーボンの繊維が切断されることなく、高い強度を確保できるため、軽く破損トラブルのないリムを作り出している。

また、全ての製品に5年間のメーカー保証と「ライフタイムインシデントプロテクション」というサポートを付帯する。製品の不具合だけでなく、クラッシュなど故意でない破損に対しても製品交換を行うというものだ。生涯に渡ってエンヴィ製品を愛用してほしいという強い想いがこうした形に表れている。

■ENVE 45/ENVE 65

ENVE 45ENVE 45 (c)ダイアテック
ENVE 65ENVE 65 (c)ダイアテック
45mmハイトの「ENVE 45」と、65mmハイトの「ENVE 65」という2つのロードホイールは、エンヴィのSESシリーズ開発で培ったエアロのノウハウを投入。CFD解析と風洞実験を元にデザインされた、外幅28mmのワイドなディープリムが高速巡航性能を向上させるとともに、横風に対する安定性も兼ね備えた走りを実現している。

フックレスデザインを採用したチューブレス専用設計も大きな特徴。エンヴィでは2016年にリリースしたSES ARシリーズから早くもロードホイールにフックレスリムを用いており、安全性を始めその性能は実証済み。ビードフックのないシンプルな構造が高い強度を生み出すとともに、タイヤを嵌めた時に段差が少ない形状となることでエアロ効果を高めるメリットがある。

チューブレスタイヤに最適化されたフックレスリムを採用チューブレスタイヤに最適化されたフックレスリムを採用 (c)ダイアテック
FOUNDATION ROAD ハブも新開発。フリーにはID360のシステムを採用するFOUNDATION ROAD ハブも新開発。フリーにはID360のシステムを採用する (c)ダイアテック
リム内幅も21mmと広く、25~28Cサイズのチューブレスタイヤで最適なエアロ性能を発揮するよう考えられている。もちろん、パンク時などはチューブを入れることも可能。タイヤ幅ごとの推奨空気圧や適合タイヤの種類などはエンヴィの本国サイトを参照してほしい。

セカンドグレードといえど開発は手を抜かず、きちんと風洞実験によってその空力性能を客観的に評価。同社ラインアップで比較した際、ENVE 45はSES 3.4とSES 4.5の中間、ENVE 65はSES 5.6とSES 7.8の中間のエアロダイナミクスを発揮する。他社のトップモデルと比較しても遜色ないエアロ性能を持ち、価格以上のパフォーマンスを発揮するとエンヴィも自信を持ってアピールしている。

SESシリーズのテクノロジーを引き継いだ高い走行性能を持つSESシリーズのテクノロジーを引き継いだ高い走行性能を持つ (c)ダイアテック
リムだけではなく、自社開発のENVE ROAD ハブのテクノロジーを活用した、FOUNDATION ROAD ハブも新たに開発された。切削加工の簡素化でコストカットを図っているものの、フランジのジオメトリーなど基本的な設計は上位モデルを参考にした作りとなり、ホイール全体で見た剛性やかかりの良さといった性能を追求している。パワー伝達性に優れたインスタントドライブ360のフリー構造と、信頼性と耐久性の高いNTN製のスチールベアリングを採用している。

ブランドロゴが大きく入るSESシリーズとは異なり非常にシンプルなルックスに仕上がり、あらゆるバイクと見た目の相性も良いだろう。ディスクブレーキモデルのみのラインアップで、前後ペア重量はENVE 45が1,541g、ENVE 65が1,621g。両モデルともに価格は179,800円(税抜)。

■ENVE AM30

ENVE AM30ENVE AM30 (c)ダイアテック
オフセットした左右非対称リムを採用。ワイドフックレスビードによって耐衝撃性を高めているオフセットした左右非対称リムを採用。ワイドフックレスビードによって耐衝撃性を高めている (c)ダイアテック細かなノッチを刻むインダストリーナインの1/1ハブセットを採用細かなノッチを刻むインダストリーナインの1/1ハブセットを採用 (c)ダイアテック

トレイルやエンデューロなど山遊び全般に対応したカーボンオールマウンテンホイール「ENVE AM30」。同社のMTBホイールであるMシリーズの中では、M6とM7の両方の用途をカバーするような位置付けとなり、2.3〜2.6インチタイヤ&110~180mmサスペンショントラベルに適合する性能が与えられている。

コントロール性と振動吸収性を重視した20mmのローハイトとし、スポークテンション最適化のため3mmオフセットさせた左右非対称のリム形状を採用。加えて、リム打ちパンクとリム破損防止のための”ワイドフックレスビード”と呼ばれるサイドウォールデザインも特徴的だ。これは、サイドウォール末端を分厚くすることで路面や岩と接触した際の衝突エネルギーを分散させるというもの。耐衝撃性が30%も向上し、耐リム打ちパンク性能は60%以上も強化されるという。

トレイルやエンデューロなど山遊び全般に対応したオールマウンテンホイールだトレイルやエンデューロなど山遊び全般に対応したオールマウンテンホイールだ (c)ダイアテック
価格とパフォーマンスをバランスしたインダストリーナインの1/1ハブセットで組み上げており、4度ごとの角度で細かくラチェットが噛み合うフリー構造によって効率的な走りをサポート。こちらは5月発売予定で、価格はロードモデルと同じく179,800円(税抜)だ。取り扱いはダイアテック。



エンヴィ FOUNDATION COLLECTION ラインナップ

ENVE 45
タイヤタイプ:チューブレス
リム:ハイト45mm、内幅21mm、外幅28mm、フックレス
重量:1,541g(前後ペア)
ブレーキ:ディスクブレーキ専用
ハブ:エンヴィFoundation Road Alloy、ID360 40t ラチェット
スポーク:Sapim CX Sprint、前後24H
価格:179,800円(税抜)

ENVE 65
タイヤタイプ:チューブレス
リム:ハイト65mm、内幅21mm、外幅28mm、フックレス
重量:1,621g(前後ペア)
ブレーキ:ディスクブレーキ専用
ハブ:エンヴィFoundation Road Alloy、ID360 40t ラチェット
スポーク:Sapim CX Sprint、前後24H
価格:179,800円(税抜)

ENVE AM30
サイズ:29 & 27.5インチ
リム:ハイト20mm、内幅30mm、外幅39mm、フックレス
ハブ:Industry Nine 101 (Boost & Super Boost)
スポーク:Sapim Race (Round Double Butted)、前後28H
ニップル:External Brass (ブラック)
価格:179,800円(税抜)

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