これまでに131レースの中止もしくは延期が決定。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を受ける中、UCIは4月末までの全レース停止と11月1日までのシーズン2週間延長、そしてグランツールの延期日程を優先することを明らかにした。


ダヴィ・ラパルティアンUCI会長ダヴィ・ラパルティアンUCI会長 photo:Kei Tsuji
フランスのレキップ紙が伝えたところによると、フランスTVスポーツの番組に出演したラパルティアン会長は、一部で囁かれている5月後半のジロ・デ・イタリア開幕の噂を否定するとともに、レース主催者RCSスポルトともに年内の開催に向けて協議を続けていると述べた。

数々のレースデータをまとめるProCyclingStatsによると、新型コロナウイルスの影響で中止もしくは一部中止、延期の措置が取られているのはツール・ド・とちぎを含む131レース。UCIワールドツアーは19レース(以下のリストを参照)、UCIウィメンズ・ワールドツアーは10レースの中止もしくは延期が決まっている。合計36レース開催予定だったUCIワールドツアーレースの半数以上が新型コロナウイルスの影響を受けていることになる。
中止もしくは延期が決まっているUCIワールドツアーレース(太字はモニュメント&グランツール)
2月23日〜2月29日 UAEツアー(2ステージ中止)
3月7日 ストラーデビアンケ
3月8日〜3月15日 パリ〜ニース(1ステージ中止)
3月11日〜3月17日 ティレーノ〜アドリアティコ
3月21日 ミラノ〜サンレモ
3月23日〜3月29日 ボルタ・ア・カタルーニャ
3月25日 AGドリダーフス・ブルージュ〜デパンヌ
3月27日 E3ビンクバンククラシック
3月29日 ヘント〜ウェヴェルヘム
4月1日 ドワーズ・ドール・フラーンデレン
4月5日 ロンド・ファン・フラーンデレン
4月6日〜4月11日 イツリア・バスクカントリー
4月12日 パリ〜ルーベ
4月19日 アムステル・ゴールド・レース
4月22日 ラ・フレーシュ・ワロンヌ
4月26日 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
4月28日〜5月3日 ツール・ド・ロマンディ
5月1日 エッシュボルン・フランクフルト
5月9日〜5月31日 ジロ・デ・イタリア
AIOCC(主催者団体)とAIGCP(チーム団体)、CPA(選手組合)の協議の結果、UCIは少なくとも4月30日までの全レースを停止するとともに、シーズン終了を10月20日から11月1日まで約2週間延長する可能性を明らかにした。

レース再開後の代替日程の決定に際しては、すでに予定されているレースの日程を優先しながら、グランツール(三大ステージレース)とモニュメント(五大クラシック)に優先的に代替日程が割り当てられる。ジロの新しい開催時期はツール・ド・フランス後の8月、もしくはブエルタ・ア・エスパーニャ後の9月や10月になる可能性があるが、東京五輪やその他のUCIワールドツアーレースとの開催時期重複は免れない。いずれにしてもシーズン後半は例年以上にスケジュールが過密化する見通しだ。

なお、クリテリウム・デュ・ドーフィネやツール・ド・フランスなど、6月以降のレースについて主催者ASOはスケジュール通りの開催を予定している。

text:Kei Tsuji