2020/03/11(水) - 07:15
パリ〜ニースには平穏な一日がない。悪天候が続く大会は3日目を迎え、雨と風、そして相次ぐ落車によって人数を減らした集団によるスプリントでイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)が勝利した。
パリ〜ニース第3ステージはシャレット=シュル=ロワンからラ・シャトルまで、南西に向かう214kmのロングステージ。風向きは前日同様に南西〜西で、選手たちは6時間近くにわたってほぼ真向かいからの風を受け続けることになった。
新型コロナウイルス拡散防止のためにフランス政府が大規模イベントを禁止している関係で、前日に引き続きスタート地点とフィニッシュ地点に観客が入ることができない無観客レース。ひっそりとした雨降りのシャレット=シュル=ロワンをスタートするとすぐ、トム・デヴリーント(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)が長いソロエスケープを決行する。すでに総合で20分以上遅れているデヴリーントにメイン集団は9分を超えるタイム差を与えた。
残り76km地点で踏切ストップに見舞われながらもデヴリーントは単独逃げを続行。マキシミリアン・シャフマン(ドイツ)のイエロージャージキープ、そしてパスカル・アッカーマン(ドイツ)もしくはペテル・サガン(スロバキア)でのステージ優勝を狙うボーラ・ハンスグローエの集団牽引によって、平均スピード35km/h前後で進むデヴリーントのリードは縮小していく。
横風が吹いたこれまでの2ステージと比べるとメイン集団のナーバス度は低め。しかし車一台分の道幅しかない田舎道でドゥクーニンク・クイックステップやサンウェブが集団先頭に位置どり、時々やってくる横風区間でペースを上げてジャブを打つ。大柄なティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)による集団牽引によって、それまで180km以上を一人で逃げたデヴリーントは残り26km地点で吸収された。
世界チャンピオンのマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)がライバルたちのボーナスタイム獲得阻止のために第2スプリントポイントを先頭通過すると、その勢いを利用してドゥクーニンク・クイックステップが集団分裂作戦を決行。前日に1分25秒ものタイムを失ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)らの陣頭指揮によって集団分裂が始まった。
残り6km地点の横風区間でドゥクーニンク・クイックステップがペースをもう一段上げるとさらにメイン集団は縮小し、全体の半分に満たない60名の集団スプリントで勝負は決することに。ゼネク・スティバル、イヴ・ランパールト、ミケル・モルコフ、サム・ベネットという黄金ラインを組んだドゥクーニンク・クイックステップだったが、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)のリードアウト役を買って出たジョン・デゲンコルプ(ドイツ)が先頭に立つとトレインは崩壊した。
上り基調の最終ストレートでバランスを崩したユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)がベネットに倒れ込む形で落車し、さらにオフステテールのハンドルが絡まってユアンはストップ。こうしてビッグスプリンターが姿を消す中、先頭ピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス)の番手につけたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)とイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)のスプリントが始まる。
上り基調&向かい風という最終ストレートで30秒間平均910W、最大1,221Wを出力し、トップスピード53.6km/hでスプリントしたガルシアがサガンを寄せ付けなかった。2017年にバーレーン入りした24歳のガルシアが、2019年ツアー・オブ・カリフォルニア第5ステージに続くUCIワールドツアーレース勝利。ガルシアのSTRAVAログによると、向かい風基調にもかかわらず、ラスト20kmの平均スピードは50.5km/h。ガルシアは平均412Wを出力してラスト20kmを駆け抜け、ラスト1kmを切ってから平均598Wを出力している。
「ペテル・サガンを打ち破ったことに驚いている」と、バイク一台分のリードで先着したガルシアは喜ぶ。「正しいポジションにつけて、全開でスプリントした。降り続く雨に苦しんだものの、こういう悪天候は嫌いじゃない。好きなレースで勝利を収めることができて信じられない気分だ」。スプリント力と登坂力をもつガルシアは今後ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベへの出場を予定している。
翌日は15.5kmの個人タイムトライアル。イエロージャージを着てレース時間20分前後の『時間との戦い』に挑むことになったシャフマンは「過去のタイムトライアルでは良い走りができている。だから明日はこの美しいイエロージャージを守りたい。大きなチャレンジになるけど、全力を尽くすし、明後日以降の山岳ステージも刺激的な戦いになる」と語っている。
パリ〜ニース第3ステージはシャレット=シュル=ロワンからラ・シャトルまで、南西に向かう214kmのロングステージ。風向きは前日同様に南西〜西で、選手たちは6時間近くにわたってほぼ真向かいからの風を受け続けることになった。
新型コロナウイルス拡散防止のためにフランス政府が大規模イベントを禁止している関係で、前日に引き続きスタート地点とフィニッシュ地点に観客が入ることができない無観客レース。ひっそりとした雨降りのシャレット=シュル=ロワンをスタートするとすぐ、トム・デヴリーント(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)が長いソロエスケープを決行する。すでに総合で20分以上遅れているデヴリーントにメイン集団は9分を超えるタイム差を与えた。
残り76km地点で踏切ストップに見舞われながらもデヴリーントは単独逃げを続行。マキシミリアン・シャフマン(ドイツ)のイエロージャージキープ、そしてパスカル・アッカーマン(ドイツ)もしくはペテル・サガン(スロバキア)でのステージ優勝を狙うボーラ・ハンスグローエの集団牽引によって、平均スピード35km/h前後で進むデヴリーントのリードは縮小していく。
横風が吹いたこれまでの2ステージと比べるとメイン集団のナーバス度は低め。しかし車一台分の道幅しかない田舎道でドゥクーニンク・クイックステップやサンウェブが集団先頭に位置どり、時々やってくる横風区間でペースを上げてジャブを打つ。大柄なティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)による集団牽引によって、それまで180km以上を一人で逃げたデヴリーントは残り26km地点で吸収された。
世界チャンピオンのマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)がライバルたちのボーナスタイム獲得阻止のために第2スプリントポイントを先頭通過すると、その勢いを利用してドゥクーニンク・クイックステップが集団分裂作戦を決行。前日に1分25秒ものタイムを失ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)らの陣頭指揮によって集団分裂が始まった。
残り6km地点の横風区間でドゥクーニンク・クイックステップがペースをもう一段上げるとさらにメイン集団は縮小し、全体の半分に満たない60名の集団スプリントで勝負は決することに。ゼネク・スティバル、イヴ・ランパールト、ミケル・モルコフ、サム・ベネットという黄金ラインを組んだドゥクーニンク・クイックステップだったが、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)のリードアウト役を買って出たジョン・デゲンコルプ(ドイツ)が先頭に立つとトレインは崩壊した。
上り基調の最終ストレートでバランスを崩したユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)がベネットに倒れ込む形で落車し、さらにオフステテールのハンドルが絡まってユアンはストップ。こうしてビッグスプリンターが姿を消す中、先頭ピート・アレハールト(ベルギー、コフィディス)の番手につけたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)とイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)のスプリントが始まる。
上り基調&向かい風という最終ストレートで30秒間平均910W、最大1,221Wを出力し、トップスピード53.6km/hでスプリントしたガルシアがサガンを寄せ付けなかった。2017年にバーレーン入りした24歳のガルシアが、2019年ツアー・オブ・カリフォルニア第5ステージに続くUCIワールドツアーレース勝利。ガルシアのSTRAVAログによると、向かい風基調にもかかわらず、ラスト20kmの平均スピードは50.5km/h。ガルシアは平均412Wを出力してラスト20kmを駆け抜け、ラスト1kmを切ってから平均598Wを出力している。
「ペテル・サガンを打ち破ったことに驚いている」と、バイク一台分のリードで先着したガルシアは喜ぶ。「正しいポジションにつけて、全開でスプリントした。降り続く雨に苦しんだものの、こういう悪天候は嫌いじゃない。好きなレースで勝利を収めることができて信じられない気分だ」。スプリント力と登坂力をもつガルシアは今後ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベへの出場を予定している。
翌日は15.5kmの個人タイムトライアル。イエロージャージを着てレース時間20分前後の『時間との戦い』に挑むことになったシャフマンは「過去のタイムトライアルでは良い走りができている。だから明日はこの美しいイエロージャージを守りたい。大きなチャレンジになるけど、全力を尽くすし、明後日以降の山岳ステージも刺激的な戦いになる」と語っている。
パリ〜ニース2020第3ステージ結果
1位 | イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | 5:49:55 |
2位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、サーカス・ワンティゴベール) | |
4位 | ケース・ボル(オランダ、サンウェブ) | |
5位 | ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック) | |
6位 | ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
7位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | |
8位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) | |
9位 | マッズウルス・シュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | |
10位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) | |
13位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
20位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) | 0:00:03 |
30位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) |
個人総合成績
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 13:12:01 |
2位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) | 0:00:13 |
3位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:00:24 |
4位 | マッズウルス・シュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:00:25 |
5位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) | 0:00:26 |
6位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:00:28 |
7位 | クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエル・スタートアップネイション) | |
8位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:31 |
9位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
10位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:36 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) |
山岳賞 | ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) |
ヤングライダー賞 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) |
チーム総合成績 | イスラエル・スタートアップネイション |
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