2020/02/16(日) - 15:18
スペイン南東部のムルシア州を舞台にした2日間の「ブエルタ・ア・ムルシア」で、初日に逃げ切ったクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)が総合優勝。地元のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)が積極的に動き、サンチェスがステージ1勝をマークしている。
ムルシア州の荒涼とした山岳地帯を走る (c)CorVos
地元レースで勝利が欲しいアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVosブエルタ・ア・ムルシア(UCI2.1、正式名称ブエルタ・ア・シクリスタ・ア・ラ・レジオン・ムルシア)は、地中海に面したスペイン南東部のムルシア州を舞台にした大会。一昨年まではワンデーレースとして開催されてきたが、昨年から2日間のミニステージレースに生まれ変わり、今年は記念すべき第40回大会を迎えた。
1年を通して平均気温18度と暖かなムルシア州で開催されたこのレースには、1週間前のボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナと連戦するチームが多く参加した。山がちだが過酷すぎないコースはムルシア出身のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)のためのものと言って良い。事実、昨年大会ではサンチェスとバルベルデが総合優勝と2位を分け合っており、今年もその2人を筆頭に、オマール・フライレ(スペイン、アスタナ)やマッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)など登坂力を兼ね備えたパンチャーが顔を揃えた。
序盤から3級、1級、3級とカテゴリー山岳を超え、最後はカトリック教の巡礼地でもある小高い街カラバカ・デ・ラ・クルスにフィニッシュする第1ステージでは、序盤にエスケープした11名が集団に大差をつけて逃げ切った。
第1ステージ クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)が逃げ切り (c)CorVos
「逃げ切りは頭になかったけれど、強力なチームが少なくとも1名を乗せていたのでチャンスがあると感じた」と言う逃げグループは、終盤の登坂で人数を減らしつつ、メイン集団に対して16分半以上の差をつけてフィニッシュへ。「勝負所の情報はチームで共有していたので熟知していた」と言うクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)がアダム・ドヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)を振り切って勝利し、リーダージャージに袖を通している。
第2ステージ メイングループからアタックしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
第2ステージ バルベルデとケムナを追走するクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール) (c)CorVos
レース中盤に1級山岳と超級山岳を超えてムルシア市街地を目指す第2ステージでは、レース中盤でメイン集団からステージ優勝を狙うバルベルデが仕掛け、サンチェスと共にアスタナのエースを担ったフライレが追従。この動きで勝負の口火が切られ、バルベルデ、サンチェス、フライレ、トレンティン、レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム)らが激しく競り合うこととなる。
最後の3級山岳ではルートを知り尽くしたバルベルデと総合5位ケムナが1分リードで先行したが、フィニッシュまで逃げ切ることは叶わない。9名となった先頭集団がスプリント勝負に備えて距離を減らす中、残り2km地点からサンチェスが独走に持ち込んだ。
第2ステージ 残り2kmから仕掛けたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)が2年連続ムルシアフィニッシュで勝利 (c)CorVos
リーダージャージを射止めたクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール) (c)CorVos
逃げの名手サンチェスが2年連続のムルシアフィニッシュを制し、7秒遅れのステージ4位に入ったムーリッセがリードを大きく失うことなく総合優勝。チェルニーが総合2位となり、一時はバルベルデと逃げた23歳のケムナが総合3位にジャンプアップした。
「バルベルデのアタックは予測していたけれど、総合争いのライバルであるケムナがバルベルデと逃げてしまったので焦ったよ。それでもCCCの選手と協調して彼らを引き戻すことができた。とても厳しいコースで疲れてしまったがリーダージャージと視界に捉えたフィニッシュが僕に力を与えてくれた。本当に嬉しい勝利だ」と、ビッグネームを相手にチャンスを掴んだ28歳のムーリッセは語っている。
地元の大声援を受けたバルベルデは今後UAEツアーから春のセミクラシックを経由して、サンチェスはヴォルタ・アルガルヴェを経由してアルデンヌクラシックに参戦予定だ。


1年を通して平均気温18度と暖かなムルシア州で開催されたこのレースには、1週間前のボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナと連戦するチームが多く参加した。山がちだが過酷すぎないコースはムルシア出身のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)のためのものと言って良い。事実、昨年大会ではサンチェスとバルベルデが総合優勝と2位を分け合っており、今年もその2人を筆頭に、オマール・フライレ(スペイン、アスタナ)やマッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)など登坂力を兼ね備えたパンチャーが顔を揃えた。
序盤から3級、1級、3級とカテゴリー山岳を超え、最後はカトリック教の巡礼地でもある小高い街カラバカ・デ・ラ・クルスにフィニッシュする第1ステージでは、序盤にエスケープした11名が集団に大差をつけて逃げ切った。

「逃げ切りは頭になかったけれど、強力なチームが少なくとも1名を乗せていたのでチャンスがあると感じた」と言う逃げグループは、終盤の登坂で人数を減らしつつ、メイン集団に対して16分半以上の差をつけてフィニッシュへ。「勝負所の情報はチームで共有していたので熟知していた」と言うクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)がアダム・ドヴォス(カナダ、ラリーサイクリング)を振り切って勝利し、リーダージャージに袖を通している。


レース中盤に1級山岳と超級山岳を超えてムルシア市街地を目指す第2ステージでは、レース中盤でメイン集団からステージ優勝を狙うバルベルデが仕掛け、サンチェスと共にアスタナのエースを担ったフライレが追従。この動きで勝負の口火が切られ、バルベルデ、サンチェス、フライレ、トレンティン、レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム)らが激しく競り合うこととなる。
最後の3級山岳ではルートを知り尽くしたバルベルデと総合5位ケムナが1分リードで先行したが、フィニッシュまで逃げ切ることは叶わない。9名となった先頭集団がスプリント勝負に備えて距離を減らす中、残り2km地点からサンチェスが独走に持ち込んだ。


逃げの名手サンチェスが2年連続のムルシアフィニッシュを制し、7秒遅れのステージ4位に入ったムーリッセがリードを大きく失うことなく総合優勝。チェルニーが総合2位となり、一時はバルベルデと逃げた23歳のケムナが総合3位にジャンプアップした。
「バルベルデのアタックは予測していたけれど、総合争いのライバルであるケムナがバルベルデと逃げてしまったので焦ったよ。それでもCCCの選手と協調して彼らを引き戻すことができた。とても厳しいコースで疲れてしまったがリーダージャージと視界に捉えたフィニッシュが僕に力を与えてくれた。本当に嬉しい勝利だ」と、ビッグネームを相手にチャンスを掴んだ28歳のムーリッセは語っている。
地元の大声援を受けたバルベルデは今後UAEツアーから春のセミクラシックを経由して、サンチェスはヴォルタ・アルガルヴェを経由してアルデンヌクラシックに参戦予定だ。
2月14日(金) 第1ステージ ロス・アルカサレス〜カラバカ・デ・ラ・クルス(177.6km)
1位 | クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール) | 4:24:00 |
2位 | アダム・ドヴォス(カナダ、ラリーサイクリング) | 0:04 |
3位 | ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム) | 0:11 |
4位 | ティボー・ゲルナレック(フランス、チーム アルケア・サムシック) | |
5位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:17 |
2月15日(土) 第2ステージ サントメラ〜ムルシア(179.6km)
1位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | 4:21:48 |
2位 | オマール・フライレ(スペイン、アスタナ) | 0:07 |
3位 | ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム) | |
4位 | クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール) | |
5位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール) | 8:45:55 |
2位 | ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム) | 0:11 |
3位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:17 |
4位 | ティボー・ゲルナレック(フランス、チーム アルケア・サムシック) | 5:49 |
5位 | ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナ) | 5:58 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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