遂に幕明けたコロンビアンクライマーによる登坂勝負。最終盤の登坂後に仕掛けたリチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス)は届かず、スプリントでエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)を下したセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)が総合首位に浮上した。
笑顔を絶やさないエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) (c)tourcolombiauci.com
激励を受けるエドウィン・アヴィラ(コロンビア、イスラエル・スタートアップネイション) (c)CorVos
EFプロサイクリングが率いるメイン集団 (c)CorVos
ここまでチームタイムトライアル、スプリントステージx2が続いてきたツアー・コロンビア2.1に、いよいよクライマーやパンチャーが本領発揮する、終盤にカテゴリー山岳が用意された難関ステージがやってきた。
連日スタート地点となっている街パイパから南下し、4級山岳アルト・モラルを越えた先でUターンするレイアウトは前日と全く同じだが、平坦を駆け抜けた後にフィニッシュ手前4kmで頂上を迎える標高差190mの3級山岳が控える。KOM通過後の平坦路に活路を見出すスプリンターを振り切って、群雄割拠のコロンビアンクライマーが激しい勝負を繰り広げた。
最終日のクイーンステージに向けての小手調べとなったこの日、逃げを試みたのは山岳賞ランキング首位のシモン・ペロー(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)ら7名。最大3分のリードを得た7名の中で、狙い通りペローは2箇所の中間山岳で1位通過を果たしている。
山岳ポイントを伸ばしたシモン・ペロー(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) (c)tourcolombiauci.com
メイン集団ではドゥクーニンク・クイックステップとEFプロサイクリングが先頭を固め、後半に入って逃げグループとの差を詰めていく。"ウルフパック"が残り13kmでレースを振り出しに戻すと、続いてエガン・ベルナル(コロンビア)とリチャル・カラパス(エクアドル)をエースに据えるチームイネオスが集団前方に陣取った。
登坂勝負に向けて緊張感を高める集団前方では落車も発生し、オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン)ら多くの選手が巻き込まれた。
登りが始まるとチームイネオスが刻むハイペースによって一気に集団が縮小し、カラパスが残り4kmで仕掛けたことで山岳勝負が幕開ける。ジロ・デ・イタリア覇者のアタックにはジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とダニエル・マルティネス&セルジオ・イギータ(共にコロンビア、EFプロサイクリング)が反応し、ベルナルはエステバン・チャベス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)を引き連れて合流。総合首位ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング)も苦しみながら先頭グループに戻ったことで、超強力な7名による先頭グループが形成された。
3級山岳で攻撃するリチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス) (c)tourcolombiauci.com
カラパスのアタックに続くエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) (c)CorVos
苦しみながらも合流を目指すヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) (c)CorVos
遅れたリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)が大声援の中を登る (c)tourcolombiauci.com
混沌とする先頭集団内ではカラパスと接触したマルティネスが落車するも、原因を作ったカラパスとベルナルが一定ペースを刻みマルティネスを復帰させる。頂上クリア後の平坦路に入ると後方から選手たちが合流し、その流れに乗ったディエゴ・カマルゴ(コロンビア、EPMスコット)がカウンターアタックで飛び出した。
カマルゴのアタックは追走グループ内に牽制をもたらしたが、それを嫌うようにカラパスが加速する。前日の集団スプリントでもアタックを試みたカラパスは一躍先頭に立ち、人数で分のあるEFプロサイクリング勢を引き離してフィニッシュを目指した。
残り500mを切ってもスピードを緩めないカラパスだったが、ホームストレートに入ると後方からアラフィリップが発進し、逃げ続けるカラパスを撃ち落とす。勝負はアラフィリップとその加速に耐えたイギータとベルナルに委ねられ、残り150mからイギータがスプリント。大声援を受けて突き進んだコロンビアナショナルチャンピオンが、持ち前の加速力を活かしてフィニッシュラインを先頭で駆け抜けた。
コロンビア王者のセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)がステージ優勝 (c)CorVos
ステージ勝者よりも目立っているリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング) (c)tourcolombiauci.com
総合首位に浮上したセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) (c)CorVos
ベルナルとアラフィリップがステージ2位&ステージ3位に入り、落車から復帰したマルティネスは2秒差のステージ4位。EFプロサイクリング勢が総合トップ3を独占したまま、イギータは4秒遅れステージ8位のカイセドからリーダージャージを譲り受ける形となった。
「カラパスのアタックはあまりにも強力で、今日は彼が勝つだろうと思ったよ。でも追走が生まれ、最後は超ロングスプリントを仕掛けたアラフィリップの背後でアドバンテージを稼いだ。アラフィリップは力を使い過ぎていたので、彼が腰を下ろした瞬間にスプリントを始めたんだ」と、落ち着いたレース運びで勝利を掴んだイギータは語っている。
初日のチームタイムトライアルで得た大きなリードを存分に活かし、イギータはベルナルに対して50秒、カラパスに対して58秒をキープ中。ツアー・コロンビアの総合争いはスプリントステージを挟んでから最終クイーンステージで決着する。



ここまでチームタイムトライアル、スプリントステージx2が続いてきたツアー・コロンビア2.1に、いよいよクライマーやパンチャーが本領発揮する、終盤にカテゴリー山岳が用意された難関ステージがやってきた。
連日スタート地点となっている街パイパから南下し、4級山岳アルト・モラルを越えた先でUターンするレイアウトは前日と全く同じだが、平坦を駆け抜けた後にフィニッシュ手前4kmで頂上を迎える標高差190mの3級山岳が控える。KOM通過後の平坦路に活路を見出すスプリンターを振り切って、群雄割拠のコロンビアンクライマーが激しい勝負を繰り広げた。
最終日のクイーンステージに向けての小手調べとなったこの日、逃げを試みたのは山岳賞ランキング首位のシモン・ペロー(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)ら7名。最大3分のリードを得た7名の中で、狙い通りペローは2箇所の中間山岳で1位通過を果たしている。

メイン集団ではドゥクーニンク・クイックステップとEFプロサイクリングが先頭を固め、後半に入って逃げグループとの差を詰めていく。"ウルフパック"が残り13kmでレースを振り出しに戻すと、続いてエガン・ベルナル(コロンビア)とリチャル・カラパス(エクアドル)をエースに据えるチームイネオスが集団前方に陣取った。
登坂勝負に向けて緊張感を高める集団前方では落車も発生し、オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン)ら多くの選手が巻き込まれた。
登りが始まるとチームイネオスが刻むハイペースによって一気に集団が縮小し、カラパスが残り4kmで仕掛けたことで山岳勝負が幕開ける。ジロ・デ・イタリア覇者のアタックにはジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とダニエル・マルティネス&セルジオ・イギータ(共にコロンビア、EFプロサイクリング)が反応し、ベルナルはエステバン・チャベス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)を引き連れて合流。総合首位ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング)も苦しみながら先頭グループに戻ったことで、超強力な7名による先頭グループが形成された。




混沌とする先頭集団内ではカラパスと接触したマルティネスが落車するも、原因を作ったカラパスとベルナルが一定ペースを刻みマルティネスを復帰させる。頂上クリア後の平坦路に入ると後方から選手たちが合流し、その流れに乗ったディエゴ・カマルゴ(コロンビア、EPMスコット)がカウンターアタックで飛び出した。
カマルゴのアタックは追走グループ内に牽制をもたらしたが、それを嫌うようにカラパスが加速する。前日の集団スプリントでもアタックを試みたカラパスは一躍先頭に立ち、人数で分のあるEFプロサイクリング勢を引き離してフィニッシュを目指した。
残り500mを切ってもスピードを緩めないカラパスだったが、ホームストレートに入ると後方からアラフィリップが発進し、逃げ続けるカラパスを撃ち落とす。勝負はアラフィリップとその加速に耐えたイギータとベルナルに委ねられ、残り150mからイギータがスプリント。大声援を受けて突き進んだコロンビアナショナルチャンピオンが、持ち前の加速力を活かしてフィニッシュラインを先頭で駆け抜けた。



ベルナルとアラフィリップがステージ2位&ステージ3位に入り、落車から復帰したマルティネスは2秒差のステージ4位。EFプロサイクリング勢が総合トップ3を独占したまま、イギータは4秒遅れステージ8位のカイセドからリーダージャージを譲り受ける形となった。
「カラパスのアタックはあまりにも強力で、今日は彼が勝つだろうと思ったよ。でも追走が生まれ、最後は超ロングスプリントを仕掛けたアラフィリップの背後でアドバンテージを稼いだ。アラフィリップは力を使い過ぎていたので、彼が腰を下ろした瞬間にスプリントを始めたんだ」と、落ち着いたレース運びで勝利を掴んだイギータは語っている。
初日のチームタイムトライアルで得た大きなリードを存分に活かし、イギータはベルナルに対して50秒、カラパスに対して58秒をキープ中。ツアー・コロンビアの総合争いはスプリントステージを挟んでから最終クイーンステージで決着する。
ツアー・コロンビア2.1 2020 第4ステージ結果
1位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) | 3:58:47 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01 |
4位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) | 0:02 |
5位 | シーヴェル・ヴァーステッド(ノルウェー、ウノエックス・ノルウェージャンデヴェロップメントチーム) | |
6位 | リチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス) | |
7位 | ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
8位 | ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) | 0:04 |
9位 | エステバン・チャベス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム) | |
10位 | ディエゴ・カマルゴ(コロンビア、EPMスコット) |
個人総合成績
1位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) | 11:25:47 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) | 0:12 |
3位 | ヨナタン・カイセド(エクアドル、EFプロサイクリング) | 0:14 |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:50 |
5位 | リチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス) | 0:58 |
6位 | フレディ・モンターニャ(コロンビア、EPMスコット) | 1:14 |
7位 | アルデマール・レイス(コロンビア、EPMスコット) | 1:28 |
8位 | ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリーサイクリング) | 1:30 |
9位 | セルジオ・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 1:31 |
10位 | ディエゴ・オチョア(コロンビア、EPMスコット) |
その他の特別賞
ポイント賞 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | シモン・ペロー(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) |
ヤングライダー賞 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) |
チーム総合成績 | EFプロサイクリング |
text:So.Isobe
photo:CorVos,tourcolombiauci.com
photo:CorVos,tourcolombiauci.com
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