ツアー・ダウンアンダーを走ったチームバイクを紹介するシリーズも最終回。今回はチェレステが目立つユンボ・ヴィスマのビアンキ、サンウェブのサーヴェロ、トレック・セガフレードのトレック、そしてUAEチームエミレーツのコルナゴを紹介します。



ユンボ・ヴィスマ

ユンボ・ヴィスマ / ビアンキ Oltre XR4ユンボ・ヴィスマ / ビアンキ Oltre XR4 photo:Kei Tsuji
チェレステカラーが目立つビアンキに乗るオランダのユンボ・ヴィスマ。使用バイクはオールラウンドなオルトレXR4で統一した。すでに昨シーズンからディスクブレーキ仕様を投入しているが、ダウンアンダーではリムブレーキ仕様に限定。クラシックレースではディスクブレーキ仕様を使用する予定だが、グランツールではチームイネオス同様に引き続きリムブレーキ仕様を使用する。2019年はトップチューブにチームカラーの黄色が入ったが、2020年はチェレステ&ブラックのパターンに変更されている。

シマノのデュラエースDI2のフルセットで、パワーメーターやペダル、ホイールもデュラエース。パイオニアがスポンサーから外れ、コンピューターはガーミンにスイッチしている。フィジークのサドルやヴィットリアのタイヤは継続。ユンボ・ヴィスマは、空気抵抗低減を狙ってフォークのセンサーをゴムバンドで包むスマートな処理をプロトンに持ち込んだチームだ。

ジョージ・ベネット(ニュージーランド)はヴィジョンのステム一体型ハンドルを使用せず、低いハンドル位置を実現するためにFSAのアルミ製ステムにK-FORCEハンドルを組み合わせる。上ハンドルの下部にDI2のサテライトスイッチを配置するなど、クライマーらしいセッティングだ。

合計10チームあるシマノのパワーメーター使用チームの一つ合計10チームあるシマノのパワーメーター使用チームの一つ photo:Kei Tsujiさりげなくチームカラーのフィジークサドルさりげなくチームカラーのフィジークサドル photo:Kei Tsuji
角度のついたFSAのアルミ製ステムと、DI2スイッチ付きのFSAハンドル角度のついたFSAのアルミ製ステムと、DI2スイッチ付きのFSAハンドル photo:Kei Tsuji空気抵抗低減を狙ったセンサーの処理空気抵抗低減を狙ったセンサーの処理 photo:Kei Tsuji
フレーム ビアンキ Oltre XR4
グループセット シマノ デュラエース DI2 11速/ディスクブレーキ
ホイール シマノ デュラエース
パワーメーター シマノ デュラエース
サドル フィジーク
ハンドル FSA K-FORCE
ペダル シマノ デュラエース
タイヤ ヴィットリア コルサ
コンピューター ガーミン


サンウェブ

サンウェブ / サーヴェロ S5 Discサンウェブ / サーヴェロ S5 Disc photo:Kei Tsuji
UCIワールドチームの中で平均年齢が飛び抜けて若いサンウェブはサーヴェロのS5に乗る。ダウンアンダーで使用されたS5はディスクブレーキ仕様だが、レースによってはリムブレーキ仕様のR5も投入するという。写真はスプリントで上位に絡んだ新加入アルベルト・ダイネーゼ(イタリア)のS5。

ホイール、パワーメーター、ペダルを含めてシマノのデュラエースDI2&油圧ディスクブレーキのフルセット。ホイールはデュラエースのC40とC60を使い分ける。サドルやバーテープはPRO製と、シマノづくしのアッセンブルで、シマノ以外のメーカーとしてはコンチネンタルのタイヤやシグマのコンピューター、エリートのボトルケージぐらいしか見当たらない。

S5フレームはフォーカスが提唱したRATスルーアクスルを採用しており、パンクが発生した際に選手間でホイール交換がしやすい。なお、リアディレイラーはプロトン内で使用率が上がっているダイレクトマウント方式ではない。

ホイール、パワーメーター、ペダルを含めてシマノのデュラエースDI2ホイール、パワーメーター、ペダルを含めてシマノのデュラエースDI2 photo:Kei Tsuji特徴的な形状のハンドルとシグマのコンピューター(写真なし)特徴的な形状のハンドルとシグマのコンピューター(写真なし) photo:Kei Tsuji
サドルは引き続きPROを使用サドルは引き続きPROを使用 photo:Kei TsujiホイールはデュラエースのC40とC60を使い分けるホイールはデュラエースのC40とC60を使い分ける photo:Kei Tsuji
フレーム サーヴェロ S5 Disc
グループセット シマノ デュラエース DI2 11速/ディスクブレーキ
ホイール シマノ デュラエース
パワーメーター シマノ デュラエース
サドル PRO グリフォン
ハンドル サーヴェロ AB08
ペダル シマノ デュラエース
タイヤ コンチネンタル コンペティション
コンピューター シグマ


トレック・セガフレード

トレック・セガフレード / トレック Émonda SLR 9 Discトレック・セガフレード / トレック Émonda SLR 9 Disc photo:Kei Tsuji
リッチー・ポート(オーストラリア)を2度目の総合優勝に導いたトレック・セガフレードはタイトルスポンサーであるトレックのエモンダとマドンの二台体制。チームカラーの赤白黒でバイク全体がコーディネートされており、ゼッケンプレート用の台座を備えているのはプロ供給バイクの証拠だ。

スラムのレッドETAP AXSで組み上げられ、ホイールやサドル、ステム、ハンドルはボントレガー。選手によっては新型と思われるステム一体型ハンドルを使用した。タイヤがヴィットリアからピレリに変更。クオークパワーメーターのデータをガーミンのコンピューターで記録するスラム2年目だが2020年もシマノのペダルを使い続けている。

ギア構成はフロント50/37T&リア10/28Tを標準としながらも、コースに合わせてフロント54/41Tを投入した。今後はフロント54/41T&リア10-33Tを試していくという。ボントレガーのアイオロスXXX4ホイールをメインに使用し、ポートはアイオロスXXX2ホイールを2つの山岳ステージに投入した。

ハンドルやステムはボントレガーで、ガーミンを使用するハンドルやステムはボントレガーで、ガーミンを使用する photo:Kei Tsujiボントレガーのアイオロス4にピレリのチューブラータイヤボントレガーのアイオロス4にピレリのチューブラータイヤ photo:Kei Tsuji
ボントレガーの各種サドルを使い分けるボントレガーの各種サドルを使い分ける photo:Kei Tsujiリアカセットは10-28Tが標準リアカセットは10-28Tが標準 photo:Kei Tsuji
フレーム トレック Émonda SLR 9 Disc
グループセット スラム レッド ETAP AXS 12速/ディスクブレーキ
ホイール ボントレガー アイオロス4
パワーメーター クオーク
サドル ボントレガー Montrose
ハンドル ボントレガー PRO IsoCore
ペダル シマノ デュラエース
タイヤ ピレリ Pゼロチューブラー
コンピューター ガーミン


UAEチームエミレーツ

UAEチームエミレーツ / コルナゴ ConceptUAEチームエミレーツ / コルナゴ Concept photo:Kei Tsuji
コルナゴのコンセプトとV3-RS、C64の三種類のバイクを用意したUAEチームエミレーツ。チームと3年契約を結んで加入したU23個人TT世界王者ミッケル・ビョーグ(デンマーク)はエアロロードバイクのコンセプトを選択した。コルナゴはディスクブレーキ仕様もラインナップしているが、UAEチームエミレーツはリムブレーキ仕様を使い続ける。ディスクブレーキの投入は未定とのこと。

カンパニョーロのスーパーレコードEPSにボーラウルトラホイールのフルセット。パワーメーター(片側)とコンピューターはステージズで、ルックのペダル、ヴィットリアのタイヤ、プロロゴのサドル、デダエレメンティのハンドル周りというイタリア色の強いパーツ構成。

フロント54/39T&リア11-29Tを選択するビョーグのバイクはエアロを意識した狭いハンドル幅が特徴的で、プロロゴのサドルは明らかな前下がり。身長191cm、サドル高785mmという大柄な選手だがクランク長は172.5mm。

TTスペシャリストらしい狭いハンドルバーTTスペシャリストらしい狭いハンドルバー photo:Kei Tsujiスーパーレコードのクランクに54/39Tのチェーンリングスーパーレコードのクランクに54/39Tのチェーンリング photo:Kei Tsuji
ボーラウルトラホイールにヴィットリアのチューブラータイヤボーラウルトラホイールにヴィットリアのチューブラータイヤ photo:Kei Tsuji172.5mmのクランクにステージズのパワーメーター172.5mmのクランクにステージズのパワーメーター photo:Kei Tsuji
フレーム コルナゴ Concept
グループセット カンパニョーロ スーパーレコードEPS 12速/リムブレーキ
ホイール カンパニョーロ ボーラウルトラ
パワーメーター ステージズ
サドル プロロゴ ディメンション
ハンドル デダエレメンティ スーパーゼロ
ペダル ルック KEO2マックス
タイヤ ヴィットリア コルサ
コンピューター ステージズ DASH M50
text:Kei Tsuji