休息日明けのブエルタ・ア・サンフアン第5ステージは標高2,565mの1級山岳コロラド峠の山頂にフィニッシュするクイーンステージ。総合首位レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)がライバルたちの動きを封じた末に、ミゲル・フロレス(アンドローニジョカトリ・シデルメク)が精鋭集団内のスプリントを制した。
強風によってエシュロンが形成される photo:CorVos
標高2,565mの1級山岳コロラド峠(全長18km/平均4.4%)にフィニッシュするブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.Pro)のクイーンステージ。合計4つのカテゴリー山岳が設定された全長169.5kmのコースは文字通り大会最大の山場で、リーダージャージを着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)の牙城をライバルたちがどう崩すかに注目が集まった。
この日、勝負の鍵を握ったのは勾配の緩い山岳ではなく中盤から強く吹き付けた風だった。エシュロン形成により形成された先頭集団に総合2位フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム)や総合5位ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)らが入った一方で、総合首位エヴェネプールは第2集団に取り残される展開に。
エヴェネプールは同じく後方に取り残された総合3位オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン)のチームメイトらと協力して先頭を追走し、逃げ続けるマクナルティらを残り9km地点でようやく吸収。直線的&緩斜面の1級山岳コロラド峠には向かい風が吹き付けたため、徐々に人数が絞られるメイン集団から飛び出す選手は現れなかった。
サンフアン北部に広がる山岳地帯を走る photo:CorVos
セビリャらの動きをマークするレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
チームメイトを失いながらもエヴェネプールはライバルたちの動きをしっかりマークし、自らペースアップしてアタックを封じ込めた。残り3kmを切ってギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)がアタックを仕掛けると、間髪入れずにエヴェネプールがカウンター。エヴェネプールが作るペースの強弱にトラック個人追い抜き世界記録保持者ガンナが遅れるシーンも見られたが、最終的に6名によるスプリントに持ち込まれた。
ステージ順位度外視で先頭を引き続けたエヴェネプールの後ろからミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)がロングスプリント。セビリャやマクナルティの追い上げは届かずに、23歳のフロレスが紙吹雪舞う1級山岳コロラド峠の山頂にフィニッシュした。
コロンビアの高地出身者フロレスがキャリア最大の勝利を飾るとともに総合5位に浮上。エシュロンによって危機を迎えながらも粘りの走りで復帰し、復帰後はレースをリードしたエヴェネプールが総合首位を守った。
「大きなエシュロンが形成された時、ポジションを落としていたので乗り遅れてしまった。そこから長時間追走する展開になったけど、チームメイトが一人(セリー)いて助けられたよ。結果的にタイムを失うことなくフィニッシュすることができた」と、王者の走りを見せたエヴェネプールは語る。クイーンステージを終えて総合トップ4は20歳エヴェネプール、23歳ガンナ、43歳セビーリャ、21歳マクナルティ、23歳フロレスと、超若手と超ベテランが入り混じる結果になっている。
1級山岳を制したミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) photo:CorVos
ライバルたちの動きを封じてフィニッシュしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos

標高2,565mの1級山岳コロラド峠(全長18km/平均4.4%)にフィニッシュするブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.Pro)のクイーンステージ。合計4つのカテゴリー山岳が設定された全長169.5kmのコースは文字通り大会最大の山場で、リーダージャージを着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)の牙城をライバルたちがどう崩すかに注目が集まった。
この日、勝負の鍵を握ったのは勾配の緩い山岳ではなく中盤から強く吹き付けた風だった。エシュロン形成により形成された先頭集団に総合2位フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム)や総合5位ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)らが入った一方で、総合首位エヴェネプールは第2集団に取り残される展開に。
エヴェネプールは同じく後方に取り残された総合3位オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン)のチームメイトらと協力して先頭を追走し、逃げ続けるマクナルティらを残り9km地点でようやく吸収。直線的&緩斜面の1級山岳コロラド峠には向かい風が吹き付けたため、徐々に人数が絞られるメイン集団から飛び出す選手は現れなかった。


チームメイトを失いながらもエヴェネプールはライバルたちの動きをしっかりマークし、自らペースアップしてアタックを封じ込めた。残り3kmを切ってギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)がアタックを仕掛けると、間髪入れずにエヴェネプールがカウンター。エヴェネプールが作るペースの強弱にトラック個人追い抜き世界記録保持者ガンナが遅れるシーンも見られたが、最終的に6名によるスプリントに持ち込まれた。
ステージ順位度外視で先頭を引き続けたエヴェネプールの後ろからミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)がロングスプリント。セビリャやマクナルティの追い上げは届かずに、23歳のフロレスが紙吹雪舞う1級山岳コロラド峠の山頂にフィニッシュした。
コロンビアの高地出身者フロレスがキャリア最大の勝利を飾るとともに総合5位に浮上。エシュロンによって危機を迎えながらも粘りの走りで復帰し、復帰後はレースをリードしたエヴェネプールが総合首位を守った。
「大きなエシュロンが形成された時、ポジションを落としていたので乗り遅れてしまった。そこから長時間追走する展開になったけど、チームメイトが一人(セリー)いて助けられたよ。結果的にタイムを失うことなくフィニッシュすることができた」と、王者の走りを見せたエヴェネプールは語る。クイーンステージを終えて総合トップ4は20歳エヴェネプール、23歳ガンナ、43歳セビーリャ、21歳マクナルティ、23歳フロレスと、超若手と超ベテランが入り混じる結果になっている。


ブエルタ・ア・サンフアン2020 第5ステージ結果
1位 | ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 4:36:23 |
2位 | オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン) | 0:00:02 |
3位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | 0:00:04 |
5位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
6位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム) | |
7位 | セサル・パレデス(コロンビア、チームメデジン) | 0:00:18 |
8位 | フアン・メリビロ(アルゼンチン、エキポコンチネンタル・デ・ポシート) | 0:0036 |
9位 | ヘルマン・ティバニ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルゲンデファティマ) | |
10位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 0:01:05 |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 16:19:05 |
2位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イタリアナショナルチーム) | 0:00:33 |
3位 | オスカル・セビリャ(スペイン、チームメデジン) | 0:01:01 |
4位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 0:01:21 |
5位 | ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 0:02:11 |
6位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 0:02:27 |
7位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | 0:02:28 |
8位 | セサル・パレデス(コロンビア、チームメデジン) | 0:02:36 |
9位 | ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリーサイクリング) | 0:02:53 |
10位 | フアン・ドッティ(アルゼンチン、シンディアトエンプレアドス・サンフアン) | 0:03:05 |
その他の特別賞
山岳賞 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
チーム総合成績 | モビスター |
text:Kei Tsuji
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