芦屋市の閑静な住宅街にある芦屋山手倶楽部で行われたチームディナー。過去日本で優勝しているダレン・ラプソーンやイギリスチャンピオンのクリスチャン・ハウスらが日曜日からのレースに向けて抱負を語った。

まずはワインで乾杯まずはワインで乾杯 photo:Hideaki.TAKAGI5月14日(金)、日曜日からのツアー・オブ・ジャパンを前にして、出場するラファコンドル・シャープがディナー形式のパーティーに出席した。主宰はラファジャパンの矢野大介氏。ラファの顧客やファン、メディアが出席した。

会場は、六甲山へ至る道の途中にあり、周りは芦屋の閑静な住宅街だ。窓からの芦屋、神戸方面の夜景も素晴らしく、さすがラファのセンスを感じさせる。出場する選手6名はもちろん、監督、マッサージャー、メカニックなどのスタッフも全員参加。入口には実戦で使うマシンが置かれて、華やかな中に小気味良いアクセントを加えている。

ラファコンドル・シャープはイギリスのコンチネンタルチームだが、日本になじみがあるチームだ。その名のとおりシャープは日本の会社が元だし、ラファは矢野氏が日本国内で販路を開き、ここ数年で静かにしかし確実に浸透しているブランドだ。そして選手も6人のうちオーストラリアの3人が過去に来日して活躍しているので、その名前を聞いた人も多いだろう。

ダレン・ラプソーン 07年のオーストラリアチャンピオン、同年に北海道区間優勝、ジャパンカップに出場ダレン・ラプソーン 07年のオーストラリアチャンピオン、同年に北海道区間優勝、ジャパンカップに出場 photo:Hideaki.TAKAGI今回のメンバーは全体としてはスピード系が主体だ。今年3月のツール・ド・台湾で連勝していた宮澤崇史(NIPPO)を、スプリントで破ったディーン・ダウニングはまだ記憶に新しい。08年TOJ大阪ステージの大集団ゴールで西谷泰治(愛三)らを破ったのはザッカリ・デンプスター。07年ツール・ド・北海道第4ステージで優勝し、リーダージャージを着ていた新城幸也を引きずりおろしたのは、当時オーストラリアチャンピオンだったダレン・ラプソーンだ。ディーン・ウィンザーも昨年の北海道ではデンプスターとともに上位常連だった。
また、クリスチャン・ハウスは名だたるイギリスの選手たちに対して逃げて勝ち、イギリスチャンピオンになった有望な選手だ。
なお、当初予定だったトム・サザムは直前に骨折したためグラハム・ブリッグスが来日している。

クリスチャン・ハウス(現イギリスロードチャンピオン)をデザインしたワインボトルクリスチャン・ハウス(現イギリスロードチャンピオン)をデザインしたワインボトル photo:Hideaki.TAKAGIつぎに各選手のあいさつをまとめてみた。カッコ内は愛称だ。

ザッカリ・デンプスター(ザック)
自分は山が苦手。富士山以外は頑張るよ(笑)

ディーン・ダウニング(ディーノ)
フラットステージで特に頑張りたい。堺のエキシビジョンのクリテリウムや、東京ステージかな。

ディーン・ウィンザー(ザ・デューク…The Duke of Windserから)
ダレン(ラプソーン)のサポートとして走りたい。

グラハム・ブリッグス(フェレット…フェレットのようにいつも食べているから)
みんなが出発する1時間前に「お前も来いよ」と言われたよ(笑)。とにかく頑張るよ。

クリスチャン・ハウス
今回はダレン(ラプソーン)のために走るよ。

ジョン・ヘレティ監督とダレン・ラプソーンジョン・ヘレティ監督とダレン・ラプソーン photo:Hideaki.TAKAGIそしてジョン・ヘレティ監督とダレン・ラプソーンには時間をもらってインタビューした。

2日前に来たそうですが、日本はどうですか?
ダレン「早めに着いて落ち着けたよ。イセ(伊勢直人・チームマッサ)のおかげで楽しく過ごせたしね」どうやら伊勢が練習相手になったようだ。伊勢の体当たり英語は通じたようで安心。
監督「自分の判断で2日前に来た。大事なレースで結果を出したいからね」大会主催者が用意するのは金曜日からの宿泊なので、それ以前はチームの自腹で来ているのだ。

今回のレースはどう戦いますか?
ダレン「信頼できるチームメイトがいるから大丈夫だよ。でも富士山は自分自身で頑張らないとね。そのきつさは以前に出場したザック(デンプスター)から聞いているよ」
監督「まずはステージ優勝を取りたい。そしてダレンで少しでも良い総合成績を挙げたい。最低でも総合の表彰台、できれば真ん中をね」「”ラファスタイル”のレースをしたい。それは最初からアタックを仕掛ける気持ちのいいレース運びだ。待つのではなく積極的に行きたい」

このバイクで戦うこのバイクで戦う photo:Hideaki.TAKAGIイギリスのチームですが、アジアツアーなどに出るのはなぜ?
監督「まずはスポンサーが重要視するエリアだから。それからコンチネンタルチームなので特に若い選手にいろいろな経験をさせたいんだ。ヨーロッパとは違うアジアのレースに出たり、あるいは今日みたいな社交的なパーティに出たり。ベテラン選手は普通にこなすけど、若手は緊張するからね。これもいい経験なんだ」

3時間ほどの間で感じたのは、とにかくみんなフランクで人当たりがいいこと。チーム全体の雰囲気もいい。レースではぜひ愛称で呼んで応援してみよう。


photo&text:高木秀彰