宇都宮ブリッツェンはチーム拠点の宇都宮市で2020年体制の記者発表会を行った。新たに大久保陣、西村大輝、中村魁斗の3名が加入し、継続選手7名と合わせて10名の選手が所属する。また、オリンピック代表輩出に向け、3月のツール・ド・台湾に出場することも明らかにした。


宇都宮ブリッツェン2020年メンバーと清水裕輔監督宇都宮ブリッツェン2020年メンバーと清水裕輔監督 photo:Satoru Kato
恒例となった宇都宮市の栃木県庁で開かれた宇都宮ブリッツェンの新体制発表会には、新加入選手を含む10名の選手と、清水監督、運営会社社長の柿沼章氏らが出席。地元新聞社やテレビ局などが詰めかけた。

2020年所属選手は以下の通り。
宇都宮ブリッツェン2020年体制
増田成幸
鈴木 譲
阿部嵩之
小坂 光
鈴木 龍
堀 孝明
小野寺玲
大久保陣(新加入・キナンサイクリングチームより移籍)
西村大輝(新加入・NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネより移籍)
中村魁斗(新加入・那須ブラーゼンより移籍)
清水裕輔(監督)
柿沼 章(GM)
清水裕輔監督「10名体制を活かし、五輪代表輩出とJプロツアーのタイトル奪回を狙う」清水裕輔監督「10名体制を活かし、五輪代表輩出とJプロツアーのタイトル奪回を狙う」 photo:Satoru Kato2020年もキャプテンを務める増田成幸「東京オリンピックを最大の目標として活動する」2020年もキャプテンを務める増田成幸「東京オリンピックを最大の目標として活動する」 photo:Satoru Kato

新加入の3名について清水監督は、3名それぞれから加入の希望があったことを明かし、チームに欲しいと思っていたと話す。その上で、「スプリンターはすでにチームにいるが、大久保選手は少人数の逃げに乗って勝つことも出来る。年齢的にもベテランなので、チームのまとめ役を期待したい。西村選手には3年前にも声をかけた。高校生の頃から超高校生級の力を持った選手として注目していた。チームのエース級としての活躍と、ハードなレースでの勝利を期待したい。中村選手は若くて伸び代があり、まだこれから化ける可能性がある。まずはチームの先輩方について地足を作ってもらい、重要局面でエースをアシスト出来るようになって欲しい」と、期待を語った。

テレビの取材を受ける増田成幸テレビの取材を受ける増田成幸 photo:Satoru Katoチームの目標は、東京オリンピックの代表輩出。代表選考レースでランキング首位を維持する増田成幸自身も「最大の目標」と語る。さらにポイントの積み重ねを狙い、3月1日から5日間行われる「ツール・ド・台湾」へチームとして出場するほか、いくつかのUCIレース主催者に出場を打診中と言う。さらに、10名体制となったチームの利点を活かし、Jプロツアーのタイトル奪回も目標とする。「来年前半はUCIレースに比重を置いての活動になると思うが、層の厚い10名が揃ったので可能と考えている」と、清水監督は意欲を見せる。

チームの運営会社社長である柿沼章氏は、「これまで華々しい結果を出してきたが、まだまだ伝え方が十分でなく、活動が知られていないところもある。この11年で、「勝てば知ってもらえる」わけではないことを学んだので、原点に立ち返り、自転車ロードレースが持つ魅力と可能性を伝えていくことに力を入れたい」と、語った。


新加入3選手コメント

新加入の3選手 左から、中村魁斗、大久保陣、西村大輝新加入の3選手 左から、中村魁斗、大久保陣、西村大輝 photo:Satoru Kato

大久保陣
「いつかは宇都宮に戻ってきたいと思っていたが、タイミングとか、監督のお力添えもあって実現して嬉しい。戻してもらえたからには頑張らないといけないなと思っている。自分の脚質としては、最後にコーナーがあるスプリントとか、リスクを冒して勝負するような場面などでエースを任せてもらえると思うが、チームの勝利に貢献出来ることが一番と考えている。目標は、地元レースのツール・ド・とちぎもそうだが、UCIレースで1勝挙げたい」

西村大輝
「最初にブリッツェン加入の希望を伝えた時、他の選手と話していると言われたので、待ってでも加入させてもらいたいと思っていた。ブリッツェンは非常に強いチームだと感じていたし、国内チームで走るならここしかないと以前から思っていた。NIPPOでは海外のレースを多く走らせてもらったので、その経験を活かせるようにしたい。
(監督からエースも張れるとコメントがあったことについて)アシストする流れで任せてもらえることがあれば狙いに行くが、まずは与えられた仕事をまっとうすることを目標にしたい」

中村魁斗
「レース展開をブリッツェンが支配するところをいくつも見てきて、そこに入りたいと思って加入の希望を伝えた。このオフシーズンでしっかり力をつけ、役割を果たせるようにしたい。那須ブラーゼンで応援してくれた方々にはどこに行っても応援すると言われたので、頑張るしかないと思っている。目標とするレースは、ツール・ド・とちぎ、ツール・ド・北海道、ツール・ド・おきなわ。良い感触を持っているレースなので、狙っていきたい。」

text:Satoru Kato