ツアー・オブ・グアンシーのクイーンステージで、今季勝利がなかったエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)が優勝。ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)と5秒差で総合首位に浮上している。



中国らしい意匠のトンネルを抜けていく中国らしい意匠のトンネルを抜けていく photo:CorVos
UCIワールドツアー最終戦、ツアー・オブ・グアンシーは大会4日目。南寧から北進する161.4kmコースの大部分は平坦基調だが、最後には大会唯一の登りフィニッシュが待ち構える。カテゴリー1級に分類される登りは距離2.5kmで平均勾配7.2%だが、特に後半1.5km区間は勾配が跳ね上がる。クライマーや登坂力に優れるパンチャーに向くレイアウトで、昨年はジャンニ・モスコン(イタリア、現チームイネオス)が勝利して総合優勝につなげている。

母国最大のステージレースで活躍したいワン・メイイン(中国、バーレーン・メリダ)ら3名の逃げは残り17km地点で吸収され、クライマーを擁するEFエデュケーションファーストやドゥクーニンク・クイックステップのコントロールで距離を減らし、緩斜面の序盤区間でレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が先行した。

中国山間部の田園風景を駆け抜けていくプロトン中国山間部の田園風景を駆け抜けていくプロトン photo:CorVos
逃げを吸収し、各チームが位置取り争いを繰り広げつつ距離を減らしていく逃げを吸収し、各チームが位置取り争いを繰り広げつつ距離を減らしていく photo:CorVosアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)	先行で急勾配区間を駆け上がるアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 先行で急勾配区間を駆け上がる photo:CorVos


急勾配区間に入るとカヴァニャは捕らえられ、ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)のアタックを皮切りに本格的な登坂勝負が開始される。やがてマルティネスやアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、そして二人のアタックに追従したエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)が先行する形となり、度重なる加速でトールクが遅れ、フィニッシュライン前で加速したマスがクイーンステージを制した。

ライバルを振り落として進むダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)とエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)	ライバルを振り落として進むダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)とエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
クイーンステージを制したエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)クイーンステージを制したエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
「今日のチームの働きは素晴らしかった。逃げとの差をコントロールしながら僕を守り、レミのアタックで他選手の脚を削ることができたんだ。残り1700mで彼が捕まり、今度は僕が攻める番だと感じた」と語るマスは、大きく遅れたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)に代わり、マルティネスと5秒差でのリーダージャージを獲得した。

「今年はコンスタントに調子を保つことができたけれど、勝利に手が届いていなかったのでとても嬉しい。残り3日間守り抜いてリーダージャージを家に持ち帰りたい」とモビスターとの3年契約を結んでいる24歳は語っている。

リーダージャージを獲得したエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)リーダージャージを獲得したエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
ツアー・オブ・グアンシー2019第4ステージ結果
1位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 3:52:53
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 0:01
3位 ディエゴ・ローザ(イタリア、チームイネオス) 0:08
4位 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:12
5位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) 0:19
6位 オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール)
7位 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)
8位 ダヴィ・デラクルス(スペイン、チームイネオス)
9位 マーティン・トゥスフェルト(オランダ、サンウェブ) 0:28
10位 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ)
個人総合成績
1位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 13:50:50
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 0:05
3位 ディエゴ・ローザ(イタリア、チームイネオス) 0:14
4位 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:22
5位 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) 0:29
6位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
7位 オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール)
8位 ダヴィ・デラクルス(スペイン、チームイネオス)
9位 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ) 0:37
10位 マーティン・トゥスフェルト(オランダ、サンウェブ) 0:38
ポイント賞
1位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 37pts
2位 マッテーオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) 30pts
3位 ライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード) 24pts
山岳賞
1位 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) 21pts
2位 トーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル) 20pts
3位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 10pts
ヤングライダー賞
1位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 13:50:50
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 0:05
3位 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:25
text:So.Isobe