世界屈指のトッププロが本番を見据え集ったMTB五輪プレ大会。本記事では上位に走った選手や、注目選手のバイクにフォーカス。男子レースで圧勝した世界王者ニノ・シューター(スイス)や、2位ヴィクトール・コレツキー(フランス)らのバイクを取り上げます。



ニノ・シューター(スイス):スコット SPARK RC 900

ニノ・シューター(スイス)のスコット SPARK RC 900ニノ・シューター(スイス)のスコット SPARK RC 900 photo:So.Isobe
アルカンシエルを随所にあしらったスペシャルペイントアルカンシエルを随所にあしらったスペシャルペイント photo:So.Isobeシートチューブ裏側には自身のキャラクターステッカーがシートチューブ裏側には自身のキャラクターステッカーが photo:So.Isobe


クロスカントリー界の絶対王者であり、プレ五輪男子レースでも力とスキルを見せつけたニノ・シューター(スイス)。バイクはスコットオリジナルのTwinLocサスペンションシステムを搭載した「SPARK RC 900」で、ロックショックスのSID Ultimate Carbon RLC3フォーク(前)は110mmトラベル、NUDE RLC3(後)は120mmトラベルだ。

シューターと、普段スコット・スラムのチームメイトであるケイト・コートニー(アメリカ)は今シーズン中盤からクランクやブレーキキャリパー、ハンドルなども含めてマッチペイントされたカスタムバイクを使用していたが、今回はイエローベースのチームエディションを持ち込んでいた。バイクの随所に輝くレインボーは世界王者の証だ。

-30°というカスタムメイドのシンクロス Fraser LC SLハンドルバー-30°というカスタムメイドのシンクロス Fraser LC SLハンドルバー photo:So.Isobe
ドライブトレインはスラムのXX1 Eagle AXSドライブトレインはスラムのXX1 Eagle AXS photo:So.Isobe市販品には存在しない形状のチェーンリング歯数は36T。切削加工の痕が見える市販品には存在しない形状のチェーンリング歯数は36T。切削加工の痕が見える photo:So.Isobe


コンポーネントはスラムのXX1 Eagle AXSで、クォークの専用パワーメーターをセット。削り出し加工の痕が見えるチェーンリングの歯数は36Tで、カセットは10-50T。シューターはほとんどドロッパーポストを使っておらず、世界選手権優勝時もシンクロスのスタンダード品を使用していた。

ホイールはDTスイスのXRC 1200 SPLINEで、29x2.40のマキシスREKON RACEタイヤを組み合わせる。ハンドルはスコット傘下のシンクロスがリリースするステム一体式のFraser LC SLで、-30°のカスタムメイド品。シートポストと同じくイエローロゴが入る。ペダルはリッチーのWCS XCで、これはトーマス・フリシュクネヒト(現役時代にリッチーのフレームで勝利を量産した)がスコット・スラムのチーム監督を務めているためだと思われる。



ヴィクトール・コレツキー(フランス):オルベア OIZ

ヴィクトール・コレツキー(フランス)のオルベア OIZヴィクトール・コレツキー(フランス)のオルベア OIZ photo:So.Isobe
駆動系は全てゴールドでカラーコーディネイト駆動系は全てゴールドでカラーコーディネイト photo:So.IsobeFSAのPOWERBOX MTB CARBONクランクを使用し、歯数は34TFSAのPOWERBOX MTB CARBONクランクを使用し、歯数は34T photo:So.Isobe


シューターのアタックに食らいつき、2位銀メダルを獲得したフランス王者ヴィクトール・コレツキーが駆るのはオルベアのフルサスモデル「OIZ」。フォークはフォックスの32 Float SC Factoryで、ショックはオルベア独自のケーブルルーティング「i-Line」に対応したDPS Factory。前後ともトラベル量は100mmだ。

コンポーネントはスラムのXX1 Eagle(機械式)だが、女子レースで7位に入ったアニー・ラスト(イギリス)らと共に所属する「チームKMC・イコイ・オルベア(2017年に山本幸平が所属していた)」はKMCのチェーンとFSAのパワーメーター搭載クランクセット「POWERBOX MTB CARBON」を組み合わせる。POWERBOX専用チェーンリングの歯数は34Tだった。

ハンドル周りはFSAで統一。ブレーキレバーのクランプはワンオフ品だろうか?ハンドル周りはFSAで統一。ブレーキレバーのクランプはワンオフ品だろうか? photo:So.Isobe
マヴィックのカーボンホイール(プロトタイプ?)にミシュランのJETタイヤをセットマヴィックのカーボンホイール(プロトタイプ?)にミシュランのJETタイヤをセット photo:So.Isobeフォークはフォックスの32 Float SC Factory(100mm)フォークはフォックスの32 Float SC Factory(100mm) photo:So.Isobe


足回りはマヴィックのプロトと思われるカーボンホイール(リムのカーボン地がCROSSMAXと異なる)に、ミシュランのJETというフランス色濃い組み合わせ。ステムやハンドル、シートポストはFSAのK-FOECEシリーズで、ドロッパーポストは使用していない。ブレーキレバーのクランプはカーボン地が露出した軽量パーツで、コンピュータはガーミンのEDGE520。サドルはプロロゴのDIMENTION、ペダルはルックのX-TRACK RACE CARBON。



シーナ・フライ(スイス)&アン・テルプストラ(オランダ):ゴースト Lector XC(テストモデル)

アン・テルプストラ(オランダ)のゴースト Lector XCアン・テルプストラ(オランダ)のゴースト Lector XC photo:So.Isobe
フォークはロックショックス SID Ultimate 100mmフォークはロックショックス SID Ultimate 100mm photo:Gakuto.Fujiwaraクォークのパワーメーターを使う。チェーンリングの歯数は32Tだクォークのパワーメーターを使う。チェーンリングの歯数は32Tだ photo:So.Isobe


女子レースで2位と3位を獲得したシーナ・フライ(スイス)とアン・テルプストラ(オランダ)は共に、普段はゴーストファクトリーレーシングのメンバーとして走るチームメイト。ゴーストはラピエールなどと共にオランダのアクセルグループに所属するドイツのオフロードブランドで、今回は2人共にフルサスではなく、Lector XCの次世代モデルと思われるハードテールバイクで表彰台を射止めた。

迷彩模様が目を引くフレームのリアバックは大きく湾曲したデザインで、フルサス全盛の現代XC界に一石を投じている。電動ドロッパーシートポスト(ロックショックスのReverb AXS)をセットしているのは2名に共通する部分だ。コンポーネントはスラムのXX1 Eagle AXSで、2名共チェーンリングは32T。フォークはスラム傘下のロックショックス SID Ultimate 100mm。

ハンドルはバイクアヘッドのthe Flatbarハンドルはバイクアヘッドのthe Flatbar photo:So.Isobe
ステムやハブ、ヘッドパーツはチューン。テルプストラはレッドカラーステムやハブ、ヘッドパーツはチューン。テルプストラはレッドカラー photo:Gakuto.FujiwaraU23世界王者フライはゴールドでカラーコーディネイトU23世界王者フライはゴールドでカラーコーディネイト photo:Gakuto.Fujiwara


ドイツの軽量カーボンパーツブランドの製品を多数使用していることが特徴で、例えばチューンのステム(Geiles Teil 4.0)やハブ(Princess)、バイクアヘッドのカーボンリム(28mm)やハンドルバー(the Flatbar)などマニアックなパーツ構成が目立つ。タイヤは「TEST PILOT」のロゴが入る、マキシスのASPENと思われるもの。

その他サドルはセッライタリアのSLR Teamで、ペダルはクランクブラザースのEggbeater 11。サイクルコンピュータはシグマの ROX 12.0 SPORT。



ステファン・テンピエール(フランス):ビアンキ METHANOL CV FS

ステファン・テンピエール(フランス)のビアンキ METHANOL CV FSステファン・テンピエール(フランス)のビアンキ METHANOL CV FS photo:So.Isobe
ハンドル周りはFSAのK-FORCE LIGHTで揃えるハンドル周りはFSAのK-FORCE LIGHTで揃える photo:So.Isobeトップ選手の中では唯一トップチューブプロテクターを使用していたトップ選手の中では唯一トップチューブプロテクターを使用していた photo:So.Isobe


2019年の世界選手権で3位銅メダルを獲得したステファン・テンピエール(フランス)が駆るのは、ビアンキのフルサスモデル「METHANOL CV FS」。ビアンキのファクトリーチームだけに、フォックスの前後サスペンションやフィジークのサドルなども全てチェレステに彩られている。

スラムのXX1 Eagle(機械式)を搭載し、FSAのK-FORCE LIGHTクランクを組み合わせる。チェーンリングは36T。パワーメーターやドロッパーポストは使用していなかった。

クランクはFSAのK-FORCE LIGHT。歯数は36TだったクランクはFSAのK-FORCE LIGHT。歯数は36Tだった photo:So.IsobeクランクブラザースのSYNTHESIS XCT 11ホイールとケンダのBooster ProタイヤクランクブラザースのSYNTHESIS XCT 11ホイールとケンダのBooster Proタイヤ photo:So.Isobe

ペダルはクランクブラザースのCANDY 11ペダルはクランクブラザースのCANDY 11 photo:So.Isobeビアンキのファクトリーチームだけにフォークやサドル類もチェレステで統一ビアンキのファクトリーチームだけにフォークやサドル類もチェレステで統一 photo:So.Isobe


ホイールはクランクブラザースのSYNTHESIS XCT 11ホイール(国内価格43万円)と、ケンダのBooster Proタイヤを組み合わせている。ペダルはクランクブラザースのCANDY 11、ハンドル周りやシートポストはFSAのK-FORCE LIGHTシリーズ。

text:So.Isobe