レパルトコルサストア向けに開催されたビアンキの発表会をレポート。本国マネージャーらが来日し、製品開発のエピソードや2020モデルの紹介などプレゼンテーションを行いブランドへの理解を深めた。また、新作のINFINITO XEとMETHANOL CV FSの2モデルも正式にお披露目となった。



全国のレパルトコルサストアを集め本国マネージャーらがプレゼンを行った全国のレパルトコルサストアを集め本国マネージャーらがプレゼンを行った
130年以上もの歴史を持つイタリアの老舗バイクブランド、ビアンキ。国内ではシティバイク系のイメージが強かった同社だが、近年ワールドツアーでのロットNLユンボそしてユンボ・ヴィズマの活躍もありレーシングブランドとして年々注目度を増している。2017&2018年の2年連続でロットNLユンボがジャパンカップ出場のため来日を果たしたことも功を奏し、チームはもちろんビアンキバイクの国内ファンも着実に増えている印象だ。

そんな日本のマーケットを重視し、今回本国からCEOのファブリツィオ・スカルゾット氏やマーケティングマネージャーのクラウディオ・マスナタ氏を始めとする4名が来日。ビアンキのプレミアムディーラーであるレパルトコルサストアを集め、ブランドへの理解と知識を深めるための試乗会イベントが開催された。今回は初日に行われたプレゼンテーション部分のみレポートする。

ビアンキの注目モデルがズラリと並ぶ。美しいチェレステカラーが印象的だビアンキの注目モデルがズラリと並ぶ。美しいチェレステカラーが印象的だ
フェラーリとのコラボで誕生したBianchi for Scuderia Ferrari SF01フェラーリとのコラボで誕生したBianchi for Scuderia Ferrari SF01
冒頭ではファブリツィオCEOが「ビアンキは知っての通り非常に歴史の長いブランドで、我々もその重みを感じながら働いています。ビアンキのDNAは今も昔も変わらずレースにあり、昨今のグランツールでの活躍は喜ばしいものです。もちろんレースバイク以外のラインアップもありますが、常に心がけているのは皆さんからの想いをバイクの形にしていくことなのです」と挨拶した。

その後、クラウディオ氏を中心にビアンキのバイク開発などの取り組みを解説。ユンボ・ヴィズマとの関わりを例に挙げつつ話を進めていった。「創業者であるビアンキ氏も大事にしていたのはレースで勝つこと。それが良いバイク開発に繋がっていくのです。ビアンキはフェラーリやドゥカティのようなピュアレーシングブランドということを再認識してくれたらと思います」と言う。

「ビアンキのDNAは今も昔もレースから来ている」とファブリツィオCEO「ビアンキのDNAは今も昔もレースから来ている」とファブリツィオCEO 「インプット→開発→テスト→勝利」という一連の流れでビアンキの製品が出来上がっていく「インプット→開発→テスト→勝利」という一連の流れでビアンキの製品が出来上がっていく

ビアンキのレース製品開発は、オフシーズンでのプロチームへのインプットに始まり、そこから吸い上げたフィードバックを元に開発を進めテストを経て実戦投入という流れ。ビアンキとチームとの綿密な関係性が最終的に選手の勝利に繋がるという、これらの工程を1つのサークルとした図で示された。

そんな中、開発においてキーとなるのは①エアロダイナミクス、②重量剛性比、③コンポーネンツセットアップ、④バイクフィッティング、⑤エステティック(デザイン)の5つのポイント。速さのために空力性能を高め、剛性一辺倒ではなくバランスの取れた硬さと重量に調整。サドルやハンドルなど妥協のないコンポーネントで組み上げるとともに、ライダーの体にマッチさせたポジショニングも非常に重要だ。

ライオンを描いたディラン・フルーネウェーヘンのOLTRE XR4ライオンを描いたディラン・フルーネウェーヘンのOLTRE XR4 photo:Makoto.AYANO
プリモシュ・ログリッチェのバイクはイーグルをイメージした特別デザインプリモシュ・ログリッチェのバイクはイーグルをイメージした特別デザイン photo:Makoto.AYANO昨年の来日時にはジャパンカップスペシャルカラーも投入した昨年の来日時にはジャパンカップスペシャルカラーも投入した photo:Makoto.AYANO

デザイン面で言えば、ビアンキはスペシャルペイントのバイクをエース級の選手に供給している。今年のツール・ド・フランスでエーススプリンターを務めたディラン・フルーネウェーヘンはライオンを、5月のジロ・デ・イタリアでエースとして総合3位に入ったプリモシュ・ログリッチェはイーグルをイメージした特別デザインのバイクを駆っている。また、昨年のジャパンカップ来日時には日本をイメージしたデザインバイクを発表したり、時にはパンターニレプリカのスペシャルカラーを登場させたりとこだわりを見せてきた。

シーズン中は選手からの要望を細かく聞き入れバイクに反映していく。特にログリッチェが使用したTTバイク「AQUILA CV」にフォーカスしてみると、総合優勝を狙ったジロでは少しでもバイクの重量を軽くするため、ペイントが重くならないブラックカラーを一人だけ選択。TTポジションでのCFD解析を行い、通常品よりも空力性能に優れたログリッチェ専用のエアロバーをワンオフで作成した。さらにはサドルも特注品を使うなど、輝かしい成績の裏には数々の工夫の積み重ねがあったのだという。

重量を少しでも軽くするためログリッチェだけブラックカラーのAQUILA CVを使用した重量を少しでも軽くするためログリッチェだけブラックカラーのAQUILA CVを使用した (c)CorVos
雨のジロ第5ステージでディスクブレーキを選択したプリモシュ・ログリッチェ雨のジロ第5ステージでディスクブレーキを選択したプリモシュ・ログリッチェ (c)CorVos
ユンボ・ヴィズマは基本的にOLTRE XR4のリムブレーキモデルを使用しているものの、もちろんディスクブレーキモデルもラインアップには用意している。ちなみに、雨天となったジロ第5ステージでログリッチェはディスクブレーキを選択。「いかなる状況でもコントロール化に置いておきたい。雨なら僕はディスクブレーキを使うよ」とはログリッチェの言葉だ。

カラーオーダーシステムの「TAVOLOZZA(タボロッツァ)」も引き続き展開。ベースカラーから差し色、ロゴカラー、表面仕上げなど細かく色指定をすることができ、2000通り以上もの組み合わせから自分だけの1台を作り上げることができる。全てイタリア本社工場にて職人が1本1本ハンドペイントしており、OLTRE XR4やSPECIALISSIMAなど各種ハイエンドモデルでオーダー可能だ。

好みのカラーにオーダーできるTAVOLOZZAも引き続き展開(画像は旧グラフィック)好みのカラーにオーダーできるTAVOLOZZAも引き続き展開(画像は旧グラフィック)
本国では3タイプのE-BIKEも新作として発表している(国内展開未定)本国では3タイプのE-BIKEも新作として発表している(国内展開未定) (c)Bianchi
また、時代の流れに沿ってビアンキもE-BIKEに力を入れる。本国の2020モデルではロード、MTB、シティの3つのカテゴリーでそれぞれ新モデルを追加。E-BIKEラインアップは全部で16種類にも及ぶのだとか。もちろん日本でも展開を広げていきたい考えで、今後どのモデルを国内仕様で販売していくか検討されるという。

プレゼンの最後には注目モデルをざらっとおさらい。一番人気はもちろん、ユンボ・ヴィズマが使うオールラウンドバイクのフラッグシップ「OLTRE XR4」だ。自転車業界では唯一ビアンキのみ使用することができる、最先端振動除去素材のカウンターヴェイルを投入。あらゆるシーンでコントロール性が高く、長距離レースでも高いパフォーマンスを維持できる乗り味に仕上がる。

2016年にレース投入されたOLTRE XR4だが、その優れた性能で前年まで33勝だったチームの勝ち星を一気に64勝へと引き上げたという功績を残すほど。ディスクブレーキモデルでは今までステム一体型ハンドルのMetron 5D ACRしか選べなかったが、2020モデルからは別体式のステム/ハンドルも用意されるという。

試乗用にズラリと並んだフラッグシップバイクOLTRE XR4試乗用にズラリと並んだフラッグシップバイクOLTRE XR4
2020モデルの新作2種「INFINITO XE(右)」と「METHANOL CV FS(左)」2020モデルの新作2種「INFINITO XE(右)」と「METHANOL CV FS(左)」
2020モデルの新作としては、エンデュランスロードのミドルグレード「INFINITO XE」が登場。上位グレードのINFINITO CVを踏襲しつつも、カウンターヴェイルを使わないことでコストを抑えたモデルとなっている。それでいて、フロントフォークやシートポスト、ヘッド周りなどエアロに配慮されたデザインを各所に採用。ロングライドやグランフォンドに最適な乗り味を獲得している。

同じく新作のマウンテンバイクとして登場したのが「METHANOL CV FS」だ。フルサスMTBとして初めてカウンターヴェイルを搭載したモデルであり、路面の激しいオフロードでも安定したトラクションとコントロール性、走破性、快適な乗り心地を実現している。オフロードレーシングチームも有するビアンキらしいハイパフォーマンスな1台に仕上がる。

「レーシングブランドとしてのビアンキに注目してほしい」と日本のファンに向けてアピールした「レーシングブランドとしてのビアンキに注目してほしい」と日本のファンに向けてアピールした
ユンボ・ヴィズマの目覚ましい活躍と、それを支えるビアンキのバイク。国内でもレーシングカテゴリーのバイクにさらに注力していくという。今最も勢いのあるブランドの一つ、ビアンキを今後も要チェックだ。

text&photo:Yuto.Murata
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