2009年3月14日、ツール・ド・台湾(UCI2.2)の最終ステージが行なわれ、台北市内の60kmクリテリウムでトーマス・キエンディース(ポーランド、メリダヨーロッパ)が優勝。チームメイトのクルジストフ・ジェゾウスキー(ポーランド)がボーナスタイムにより逆転総合優勝に輝いた。

チームメイトのために集団を引く野寺秀徳(シマノレーシング)チームメイトのために集団を引く野寺秀徳(シマノレーシング) photo:shimano racing台湾の最終第7ステージは、台北市のど真ん中、市政府を取り囲む1周1kmの長方形周回コースで行なわれた。3つのスプリントポイント(24周目、36周目、48周目)が設定され、計60周(60km)で争われる。

レースはアタックが決まらないまま周回を重ね、最初のスプリントポイントは総合2位のジェゾウスキーが先頭通過してボーナスタイムを加算。2つ目のスプリントポイントは西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が取った。

ゴールに飛び込むトーマス・キエンディース(ポーランド、メリダヨーロッパ)ゴールに飛び込むトーマス・キエンディース(ポーランド、メリダヨーロッパ) photo:shimano racing2つ目のスプリントポイント通過後に総合10位のトーマス・キエンディース(ポーランド、メリダヨーロッパ)を含む4名の逃げグループが形成されたが、リーダージャージを擁するドラパック・ポルシェが集団をコントロールせずにタイム差は拡大する。

総合2位擁するカザフスタンも集団を引かず、愛三工業レーシングチームを中心に追走を組織したが届かない。最後は先頭グループから飛び出したキエンディースが2秒リードしてゴールした。

ジェゾウスキーはゴールスプリントで2位に入ってボーナスタイムを加算し、リーダージャージのピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)と総合で同タイムに。規定により総合優勝はジェゾウスキーの手に渡った。メリダヨーロッパは最終ステージを制するとともに、逆転の総合優勝に輝いた。

連日スプリントに絡む西谷はこの日も4位に入り、日本人最高位となる総合5位でフィニッシュ。ステージ優勝を手にすることは出来なかったが、ポイント賞でトップと16ポイント差の2位に入った。

またこの日、現役高校生の野口正則が8位に入った。1990年生まれの野口は、昨年のアジア選手権ロードレースのジュニアで優勝した18歳。現在は榛生昇陽高校所属、4月から名門・鹿屋体育大学への進学が決定している。

ツール・ド・台湾2009第7ステージ結果 60km
1位 トーマス・キエンディース(ポーランド、メリダヨーロッパ)1h26'53"
2位 クルジストフ・ジェゾウスキー(ポーランド、メリダヨーロッパ)+02"
3位 ゴン・ヒョソク(韓国、ソウルサイクリング)
4位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
5位 アミルムスタファ・ルスリ(マレーシアナショナルチーム)
6位 ケン・ハンソン(アメリカ、チームタイプ1)
7位 アレクサンドル・シュシェモイン(カザフスタンナショナルチーム)
8位 野口正則(日本ナショナルチーム)
9位 フェン・チュンカイ(台湾、エグザスターサイクリング)
10位 パク・ソンホ(韓国、ソウルサイクリング)

個人総合成績
1位 クルジストフ・ジェゾウスキー(ポーランド、メリダヨーロッパ)18h38'14"
2位 ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)
3位 ロマン・ジイエンターエフ(カザフスタンナショナルチーム)+06"
4位 ソ・ソクキュ(韓国、ソウルサイクリング)+10"
5位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)+13"
6位 トーマス・キエンディース(ポーランド、メリダヨーロッパ)+30"
7位 ロジャー・ブーシャ(スイス、ステッグコンピューター)+44"
8位 タン・ワンイプ(香港、香港チーム)+45"
9位 クアンフア・ライ(台湾、ジャイアントアジア)
10位 アレックス・クーツ(イギリス、ヘラクリオン)

ポイント賞
クルジストフ・ジェゾウスキー(ポーランド、メリダヨーロッパ)

山岳賞
ジェシー・アンソニー(アメリカ、チームタイプ1)

アジアンライダー賞
ロマン・ジイエンターエフ(カザフスタンナショナルチーム)

チーム総合成績
メリダヨーロッパ