ヴォージュ山脈の4つのカテゴリー山岳で縮小した80名の集団によるスプリントに持ち込まれたツール・ド・フランス第5ステージ。ファンアールトやトレンティンを下したマイヨヴェールのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がステージ優勝を飾った。


7月10日(水)第5ステージ
サン・ディエ・デ・ヴォージュ〜コルマール
距離:175.5km
獲得標高差:2,200m
天候:晴れ
気温:20〜25度


7月10日(水)第5ステージ サン・ディエ・デ・ヴォージュ〜コルマール 175.5km7月10日(水)第5ステージ サン・ディエ・デ・ヴォージュ〜コルマール 175.5km photo:A.S.O.7月10日(水)第5ステージ サン・ディエ・デ・ヴォージュ〜コルマール 175.5km7月10日(水)第5ステージ サン・ディエ・デ・ヴォージュ〜コルマール 175.5km photo:A.S.O.
メンバー全員にライトウェイトのホイールを投入したチームイネオスメンバー全員にライトウェイトのホイールを投入したチームイネオス photo:Kei Tsuji
第1ステージの落車で瞼をふた針縫ったヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)第1ステージの落車で瞼をふた針縫ったヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) photo:Kei Tsuji大声援を受けて登場したマイヨジョーヌのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)大声援を受けて登場したマイヨジョーヌのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji


マイヨアポワを着るウェレンスがヴォージュ山脈でアタック

観客で賑わうサン・ディエ・デ・ヴォージュのスタート地点観客で賑わうサン・ディエ・デ・ヴォージュのスタート地点 photo:Kei Tsuji

ツールは大会最初の山岳であるヴォージュ山脈に突入。ドイツ国境に接し、実際にドイツ文化の強いアルザス地方を走る。175.5kmステージに設定されたカテゴリー山岳は4つ。いずれも標高500〜600mの峠で、残り70kmを切ってから2級山岳オー・クニクスブール峠(距離5.9km/平均5.8%)、2級山岳トロワエピ峠(距離4.9km/平均6.8%)、3級山岳サンク・シャトー峠(距離4.6km/平均6.1%)を立て続けにクリアする。「5つの城」を意味する3級山岳サンク・シャトー峠からフィニッシュまでは19.5km。テクニカルな下り区間を経て、アルザスらしい街並みのコルマールまで平坦路が続くレイアウトだ。

序盤のカテゴリー無しのサーレ峠で逃げに出たトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)ら3人序盤のカテゴリー無しのサーレ峠で逃げに出たトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)ら3人 photo:Makoto.AYANO
ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)に代表されるパンチャーや「登れるスプリンター」を擁するチームがレースをコントロールしない限り大逃げが決まる可能性も。そんな逃げ向きのレイアウトはアタッカーの触手を刺激した。正式スタートの旗が振られるのと同時にファーストアタックを仕掛けたのはトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)。メイン集団が逃げを容認しない状況が長時間にわたって続き、20km地点でマイヨアポワを守りたいティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)ら4名が飛び出したところでようやくレースは落ち着いた。

逃げグループを形成した4名
ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)
マッズウルス・シュミット(デンマーク、カチューシャ・アルペシン)
トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)

総合で5分04秒遅れのサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)が逃げグループに乗ったものの、メイン集団の牽引役を担ったのはドゥクーニンク・クイックステップではなくボーラ・ハンスグローエ。同じくピュアスプリンターを除く集団スプリントに持ち込みたいサンウェブも加わって、逃げグループとのタイム差を2分以内に抑え込んだ。

マイヨアポワを着るティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が逃げるマイヨアポワを着るティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が逃げる photo:Luca Bettini
メイン集団を牽引するボーラ・ハンスグローエメイン集団を牽引するボーラ・ハンスグローエ photo:Luca Bettini
アルザス地方らしい街並みとプロトンアルザス地方らしい街並みとプロトン photo:Luca Bettini


スクインシュが健闘するも吸収 連続山岳でメイン集団の人数は半分に

最初の3級山岳をウェレンスが先頭通過してレースは一旦平野部に入り、タイム差2分で差し掛かったスプリントポイント(71km地点)をクラーク先頭に通過。メイン集団では前日のステージ優勝者エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)がサガンを下して最大11ポイントを獲得している。

トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)ら4人逃げが2級山岳オー・クニクスブール峠に向かうトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)ら4人逃げが2級山岳オー・クニクスブール峠に向かう photo:Makoto.AYANO
2級山岳オー・クニクスブール峠を先頭で駆け上がったウェレンスが順調に5ポイントを積み重ね、ボーラ・ハンスグローエ率いるメイン集団から1分40秒差で残り50km。続く2級山岳トロワエピ峠で逃げメンバーを置き去りにしたスクインシュが単独で飛び出す形となり、メイン集団からはヴィヴィアーニやアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)といったピュアスプリンターたちは軒並み脱落した。

ドイツ風のアルザス地方の街を通過していくプロトンドイツ風のアルザス地方の街を通過していくプロトン photo:Makoto.AYANO
2018年ツール第5ステージから4日間マイヨアポワを着用した経験のあるスクインシュが先頭で2級山岳トロワエピ峠の頂上に到着したものの、ドゥクーニンク・クイックステップやサンウェブがペースを上げたメイン集団が1分後方に迫る。最後の3級山岳サンク・シャトー峠でタイム差の縮小は加速し、結局スクインシュはフィニッシュまで22kmを残して吸収。

メカトラに見舞われたエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)が懸命にメイン集団を追いかける中、サンウェブがハイペースを刻む集団からイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)が脱落してしまう。3級山岳サンク・シャトー峠の頂上に達した時点でメイン集団は約80名。遅れていたボアッソンハーゲンが追いつき、勝負はこの約1/2の集団によるスプリントで決することとなった。

3分弱のリードで逃げ続ける4名3分弱のリードで逃げ続ける4名 photo:Kei Tsuji
アルザスの黄色い旗が振られる中を進むプロトンアルザスの黄色い旗が振られる中を進むプロトン photo:Kei Tsuji
ボーラ・ハンスグローエが積極的にメイン集団をコントロールしたボーラ・ハンスグローエが積極的にメイン集団をコントロールした photo:Luca Bettini
発射台役のマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)も集団牽引に合流発射台役のマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)も集団牽引に合流 photo:Kei Tsuji
最後の3級山岳サンク・シャトー峠でペースを上げるサンウェブ最後の3級山岳サンク・シャトー峠でペースを上げるサンウェブ photo:Luca Bettini


ファンアールトやトレンティンを下したマイヨヴェール

残り7km地点でアタックしたルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)残り7km地点でアタックしたルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) photo:Luca Bettini

下り区間を終え、平坦区間に差し掛かった残り7km地点からルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)がアタックしたものの、サンウェブやボーラ・ハンスグローエ率いるメイン集団からリードは奪えない。残り2kmでコスタを飲み込んだ集団がコルマールのフィニッシュ地点へ。残り400mの最終ラウンドアバウトで一旦40km/h前後まで落ちたところから再び加速し、献身的なリードアウトを見せたダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)の後ろから残り200mを切ったところでスプリンターたちが発進する。

好位置から加速したマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)やジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)に、マイヨヴェールのサガンやグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が対抗。さらにマイヨブランのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)も後方から追い上げる。

トレンティンを追い抜いて瞬発的に先頭に出たのはサガン。フィニッシュラインに向かってもがき続けたサガンがそのまま先頭を守り切った。トップスピードだけを見ると後方から追いかけたファンアールトの68.3km/hが全選手の中で最速だったが、自分の持ち味を最大限発揮できるタイミングや位置からスプリントに持ち込んだサガンに軍配が上がった。

スプリントで先頭に立つペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)スプリントで先頭に立つペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
先頭でフィニッシュに飛び込むマイヨヴェールのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)先頭でフィニッシュに飛び込むマイヨヴェールのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
小集団スプリントを制したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)小集団スプリントを制したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
第5ステージフォトフィニッシュ第5ステージフォトフィニッシュ photo:A.S.O.


7度目のマイヨヴェール獲得に前進したサガン

ドイツ国境まで20kmほどの位置のコルマールで、ドイツチームにステージ優勝をもたらしたサガンは「情熱を持って走り続けた結果、ステージ優勝がやってきた。まずはチームメイトたちに感謝したい。素晴らしい仕事ぶりを見せてくれた彼らのおかげで待ち続けたツール・ド・フランスのステージ優勝をつかむことができたんだ。チームはレースを1日中コントロールしてくれた。最後は全力でスプリント。勝つためには誰でも運を味方につけないといけない」とコメントする。

サガンのステージ優勝は4年連続。サガンは2017年ツールでステージ1勝を飾りながらも、その翌日に失格処分を受けてレースを離脱。2018年はステージ3勝を飾ってマイヨヴェールを獲得している。これがステージ通算12勝目で、スプリントポイントでも順調にポイントを獲得しているサガンは7度目のマイヨヴェール獲得に一歩近づいた。

惜しくも届かずステージ2位となったファンアールトは「今日のようなステージのスペシャリストであるサガンのスプリントはとても力強かった。残り400mのラウンドアバウトは混沌としていたけど、そこで4人ほど抜いてポジションアップ。向かい風が吹いていたのでスプリント開始を遅らせたけど、結果的に待ち過ぎたようだ」と語る。ボーナスタイムによってマイヨブランのリードを広げたが、「オールラウンダーと呼ばれているけど、明日の山岳ステージは無理だろう」とファンアールトはコメントしている。

「レース中、10秒に一回はジュリアンと呼ばれた」と笑うアラフィリップがマイヨジョーヌをキープ。翌日は今大会最初の山頂フィニッシュ(1級山岳ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ)が設定されており、フランスの絶大なる期待を背負うアラフィリップの真価が問われる。「明日は今日よりももっと苦しむことになる」と、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)から25秒、エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)から40秒のリードを得ている『ルル(アラフィリップの愛称)』は語っている。

ガッツポーズを炸裂させるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)ガッツポーズを炸裂させるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
晴れやかな表情で表彰台に登るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)晴れやかな表情で表彰台に登るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
ステージ10位に入る走りでマイヨジョーヌを守ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)ステージ10位に入る走りでマイヨジョーヌを守ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
マイヨヴェールのリードを広げたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)マイヨヴェールのリードを広げたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsujiマイヨアポワのリードを広げたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)マイヨアポワのリードを広げたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:Kei Tsuji
ステージ2位のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)がマイヨブランをキープステージ2位のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)がマイヨブランをキープ photo:Kei Tsujiステージ敢闘賞を獲得したトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)ステージ敢闘賞を獲得したトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji

ツール・ド・フランス2019第5ステージ結果
1位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)4:02:33
2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
3位マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
4位ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
5位グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)
6位ジュリアン・シモン(フランス、コフィディス)
7位マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)
8位ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
9位ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
10位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)18:44:12
2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)0:00:14
3位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)0:00:25
4位ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)
5位マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)0:00:40
6位エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)
7位ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)0:00:45
8位エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)0:00:46
9位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)0:00:50
10位グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)0:00:51
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)144pts
2位マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)97pts
3位エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)92pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)17pts
2位トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)9pts
3位クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)6pts
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)18:44:26
2位エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)0:00:26
3位エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)0:00:32
チーム総合成績
1位ユンボ・ヴィズマ56:42:43
2位サンウェブ0:01:44
3位EFエデュケーションファースト0:01:57
text&photo:Kei Tsuji in Colmar, France
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