4月20日から23日までの4日間、イタリア北部の山岳地帯を舞台に第34回ジロ・デル・トレンティーノ(UCU2.1)が開催される。ランプレと契約を済ませたばかりのシモーニ(イタリア)やバッソ(イタリア、リクイガス)ら、ジロ狙いのオールラウンダーが多数出場。新城幸也(Bboxブイグテレコム)の出場も決まった。

2つの難関頂上ゴールが設定された4日間の闘い

ジロ・デル・トレンティーノ2010第2ステージジロ・デル・トレンティーノ2010第2ステージ image:www.girodeltrentino.com開催34回を迎えるジロ・デル・トレンティーノが、今年も北イタリアの山岳地帯を舞台に開催される。ジロ・デ・イタリア開幕を2週間後に控えたタイミングだけに、ジロ本戦に照準を合わす選手が多数出場する。レース主催者はそれに応えるように、今年も厳しいコースを用意した。

レースは12.5kmの個人タイムトライアルで開幕。残りの3ステージはいずれも1級山岳が設定された厳しい難関山岳コースだ。4日間の短いステージレースだが、何とカテゴリー1級の頂上ゴールが2ステージで登場する。

ジロ・デル・トレンティーノ2010第4ステージジロ・デル・トレンティーノ2010第4ステージ image:www.girodeltrentino.com第2ステージはゴール47km手前で1級山岳ブロコン峠(標高1616m・平均勾配7.6%)をクリアし、一旦下ってから最後は1級山岳(標高1466m・平均勾配6.4%)を駆け上がる。ここで早速クライマーたちが主導権を握ることになる。

第3ステージは今大会唯一スプリンターにチャンスのあるステージ。とは言っても前半に1級山岳ロッレ峠(標高1984m・平均勾配6%)を越える厳しいもの。山岳で形成された少人数グループが逃げ切る可能性もある。

そして最後は1級山岳アルペ・ディ・パンペアーゴ(標高1757m・平均勾配10.1%)の頂上ゴールが設定された第4ステージ。2008年のジロ・デ・イタリアにも登場したこのパンペアーゴで総合争いは決する。ジロさながらの本格バトルが繰り広げられるはずだ。


ジロ・デル・トレンティーノ2010日程
4月20日(火)第1ステージ リーヴァ・デル・ガルダ〜トルボレ・スル・ガルダ 12.5km(個人TT)
4月21日(水)第2ステージ ドロ〜サンマルティーノ・ディ・カストロッツァ 172.5km
4月22日(木)第3ステージ フィエラ・ディ・プリミエーロ〜トレント 164km
4月23日(金)第4ステージ アルコ〜アルペ・ディ・パンペアーゴ 172.1km

シモーニやバッソ、ヴィノ、新城が出場

ランプレジャージに袖を通したジルベルト・シモーニ(イタリア)ランプレジャージに袖を通したジルベルト・シモーニ(イタリア) photo:Cor Vos先日ランプレと契約を結んだばかりのジルベルト・シモーニ(イタリア)がこのトレンティーノでレースに復帰する。2003年大会で総合優勝したシモーニは、地元トレンティーノ州出身選手。現役引退レースとなるジロに向けて、この地元レースで調子を確認しておきたい。

昨年の大会で安定した走りを見せ、トレンティーノ初制覇を達成したイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)は、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)を引き連れて凱旋する。バッソ=ペッリツォッティの強力タッグは昨年のジロの再現。初日の個人TTでリードを広げ、山岳ステージで他チームを圧倒する走りを見せてくれるだろう。

昨年総合優勝を果たしたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)昨年総合優勝を果たしたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Cor Vos昨年現役復帰したアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)はアスタナチームのエースとして出場。チーム内の役割は明確で、アルベルト・コンタドール(スペイン)がツール・ド・フランス、そしてヴィノクロフがジロを狙う。

トレンティーノに出場するのはリクイガス、アスタナ、ランプレ、アージェードゥーゼル、カチューシャのプロツアー5チームと、Bboxブイグテレコムやアックア・エ・サポーネなどのプロコンチネンタルチーム。プロコンチネンタル所属のイタリアンオールラウンダーたちがスタートリストに名前を連ねている。

アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:Cor Vosまずは過去に2回総合2位に入っているステファノ・ガルゼッリ(アックア・エ・サポーネ)と、ティレーノ〜アドリアティコ総合2位のミケーレ・スカルポーニ(アンドローニ・ジョカトーリ)の二大巨頭に注目したい。

ドーピングによる出場停止期間が明けたリカルド・リッコ(チェラミカ・フラミニア)、山岳力に定評のあるドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CSFイノックス)も上位に絡んでくるだろう。

新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) photo:Hideaki.TAKAGIツール・ド・ランカウイを圧倒的な登坂力で制したホセ・ルハノ(ベネズエラ、ISD・ネーリ)は、ジロに出場出来ない悔しさをこのトレンティーノで晴らせるか。昨年パンペアーゴの頂上ゴールを制して総合3位に入ったプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)も要注意人物だ。

ドーピングによる出場停止処分から復帰したエマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)は、昨年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)総合優勝者のセルヒオ・パルディージャ(スペイン)とともに出場する。

そして日本からは新城幸也(Bboxブイグテレコム)が出場。ユキヤはアイスランドの火山噴火に伴うフライトキャンセルによって出場が危ぶまれていたが、無事に陸路でイタリア入り。ジロ出場に向けてチームにその走りをアピールしたいところ。スプリンターや逃げにチャンスのある第3ステージでの走りに期待したい。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Hideaki TAKAGI

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