7月6日(土)Jプロツアー第10戦となる「東広島サイクルロードレース」が開催された。逃げと吸収が最後まで繰り返されたエキサイティングなレースは、最終周回の最後の登りで作戦通りのアタックを仕掛けた岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が単独で飛び出し、独走で優勝した。



市民パレードも開催された市民パレードも開催された photo:Kensaku.Sakai
高垣広徳・東広島市長の挨拶高垣広徳・東広島市長の挨拶 photo:Kensaku.Sakai広島はマツダのお膝元。会場には地元マツダのレース仕様車も展示された広島はマツダのお膝元。会場には地元マツダのレース仕様車も展示された photo:Kensaku.Sakai


Jプロツアー第10戦は初開催となる東広島サイクルロードレース。東広島市に位置する広島大学・東広島キャンパスの周辺道路をもちいて開催された。この東広島キャンパスは全国でも有数の敷地面積を誇っており、キャンパス単位では全国第3位の広さとも言われている。

この広大な東広島キャンパスの約1/3を周回するコースは一周5.5km。スタートしてから前半の約3kmは少し下り基調の平坦区間。交差点の90°コーナーや緩やかなカーブで構成されている。後半は残り3km地点を過ぎたあたりから1km程の登り区間に入る。斜度が15%の部分もあり、KOMポイントに向けて斜度がきつくなるため、勝負所の一つになることは間違いない。KOMポイントを過ぎると、急な下りが続き、残り1km地点からの平坦区間を経てフィニッシュラインに至る。下り区間にはカーブやクランク状のコーナーが配置されており、テクニカルな側面も持つコースレイアウトとなっている。

6月の栃木ラウンド、群馬ラウンド、そして先週末に開催された全日本選手権も加えると3週間連続で雨が続いている国内ロードレース・シーン。今回の広島ラウンドも雨と思われていたが、数日前から天気予報も好転。青空が広がる会場にはなったが、同時に気温もぐんぐんと上昇し、蒸し暑い中でのレースとなった。

作戦通りのアタックで岡篤志が今季2勝目

 1周目に形成された5名の逃げ集団 1周目に形成された5名の逃げ集団 photo:Kensaku.Sakai広島大学応援団のエールも広島大学応援団のエールも photo:Kensaku.Sakai

全日本選手権を制した入部正太朗(シマノレーシング)も逃げに乗る全日本選手権を制した入部正太朗(シマノレーシング)も逃げに乗る photo:Kensaku.Sakai
13時にスタートしたJプロツアーは17周回93.5km。レースは1周目のリアルスタート直後からアタックの応酬となり、登り区間で中井唯晶(シマノレーシング)と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が飛び出す。直後の下り区間で佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、平塚吉光(チームブリヂストンサイクリング)、内間康平(チーム右京)が合流、さらに⽊村圭佑(シマノレーシング)が追走しながら2周目に入っていった。

2周目に入ってもレースは落ち着かない。チームブリヂストンサイクリングがコントロールしようとするメイン集団から次々と選手が抜け出し、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、吉岡直哉(チーム右京)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)、西尾勇人(那須ブラーゼン)、地元広島の白川幸希(ヴィクトワール広島)、さらに先週の全日本選手権を制した入部正太朗(シマノレーシング)まで先頭集団に合流したことで先頭は13名となる。

地元広島の白川幸希(ヴィクトワール広島)も逃げに入った地元広島の白川幸希(ヴィクトワール広島)も逃げに入った photo:Kensaku.Sakai
終始集団をコントロールしたチームブリヂストンサイクリング終始集団をコントロールしたチームブリヂストンサイクリング photo:Kensaku.Sakai分裂した逃げ集団の先行集団分裂した逃げ集団の先行集団 photo:Kensaku.Sakai


ここでメイン集団はチームブリヂストンサイクリングがコントロール。逃げ集団との差を1分前後に押さえながら周回を重ねて行く。一方、逃げ集団は4周目の登り区間で一度分裂し、5周目のフィニッシュラインを超えるところで、先行する吉岡、小野寺、平塚、佐野4名と追走の9名に別れた。なお、5周回終了時のスプリント・ポイントはホセ・ビセンテ・トリビオと争った小野寺が獲得している。

先行4名と追走集団は6周目で再度合流。しかし、この一連の動きで阿部と白川が脱落し、逃げ集団は11名となった。ここから再びレースは安定し始め、逃げと集団の差は6周回終了時で1分差、9周目に入る時には1分20秒差まで広がる。

9周目の登り区間に入ると、今度はメイン集団側で動きが出始める。チームブリヂストンサイクリングが先頭を固めていたメイン集団から、畑中勇介(チーム右京)を先頭に10名程度が抜け出す。黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング)でのスプリント勝負を狙っていると思われるチームブリヂストンサイクリングは、この動きを許さず猛追し、10周目に入るフィニッシュラインで畑中らを捉えた。この動きで逃げ集団との差も35秒まで縮まる。また、このペースアップで集団後方もバラバラになり、多くの選手がメイン集団から脱落していく。

単独で逃げる小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)単独で逃げる小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) photo:Kensaku.Sakai
集団から飛び出す狩野智也(マトリックスパワータグ)集団から飛び出す狩野智也(マトリックスパワータグ) photo:Kensaku.Sakai大町健斗(JCF強化指定選手チーム)もアタック合戦に参戦大町健斗(JCF強化指定選手チーム)もアタック合戦に参戦 photo:Kensaku.Sakai

度重なる攻撃で20名程に絞り込まれたメイン集団度重なる攻撃で20名程に絞り込まれたメイン集団 photo:Kensaku.Sakai
10周完了時のスプリント・ポイントを佐野が先頭で通過した逃げ集団は、11周目に入ると再び分裂する。中井、木村、小野寺、西尾、孫崎、吉岡の6名が先行して12周目に入ると、登り区間で孫崎が脱落。さらに13周目の登り区間で背後にメイン集団が見え隠れし始めたところで、逃げ集団から小野寺が単独で先行し始める。

14周目の下りで佐野が小野寺にジョインすると、続いて湊諒(シマノレーシング)と横塚浩平(チーム右京)も合流。この4名が先行して15周目に入ったが、その直後にメイン集団に吸収され、残り2周と半分を残したタイミングで振り出しに戻る。

ここから再びアタック合戦となり、狩野智也(マトリックスパワータグ)のアタックに湊、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、大町健斗(JCF強化指定選手チーム)が合流して16周目に。これが吸収されると、今度は米谷隆志(LEOMO Bellmare Racing Team)や中村魁斗(那須ブラーゼン)がアタック。最終周回となる17周目には入部や橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)が相次いで飛び出す。

最後のアタックに向けて集団前方に出てくる岡篤志(宇都宮ブリッツェン)最後のアタックに向けて集団前方に出てくる岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Kensaku.Sakai
独走で優勝した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)独走で優勝した岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Kensaku.Sakai
岡に追い付くことができなかった黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング)が2位岡に追い付くことができなかった黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング)が2位 photo:Kensaku.Sakaiインタビューに答える岡篤志(宇都宮ブリッツェン)インタビューに答える岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Kensaku.Sakai

個人総合は岡篤志(宇都宮ブリッツェン)に移った個人総合は岡篤志(宇都宮ブリッツェン)に移った photo:Kensaku.Sakai
アタックと吸収が幾度となく繰り返されたこの日のレース。勝負を決める最後のアタックは、最終周回の最後の登り区間で炸裂した。入部と橋本の背後に赤いジャージが迫ると、岡が強烈な登坂スピードで一瞬にして2人を抜き去る。黒枝士揮が追いすがるも、これを振り切った岡が単独でKOMを通過。そのまま最後の下り区間を走り抜け、東広島サイクルロードレースの初代王者となった。

今季2勝目をあげた岡。「優勝できて嬉しい。前半からチームが積極的に動いていて、小野寺選手も最後まで粘ってくれていたので、これは優勝しないといけないなと思っていた。最終周回の最後の登りは狙っていた。頂上を1人で超えることができれば、ゴールまでの距離も短いので、必ず勝てると考えていた。アタックするタイミングは最初から決めていた」と作戦通りの勝利だった。個人総合は、今回不出場だったオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)のポイントを岡が逆転してトップに立っている。

E1クラスタは金田聡士がスプリントを制す

E1 多くの観客の中でE1のレースがスタートE1 多くの観客の中でE1のレースがスタート photo:Kensaku.SakaiE1広島大学キャンパスの並木道をE1の集団が進むE1広島大学キャンパスの並木道をE1の集団が進む photo:Kensaku.Sakai

E1金田聡士(AVENTURA AIKOH TOYO VICTORIA)がスプリントを制すE1金田聡士(AVENTURA AIKOH TOYO VICTORIA)がスプリントを制す photo:Kensaku.Sakai
男子エリートのE1クラスタは7周38.5kmのレース。序盤からハイペースで進む集団は、このコースの勝負所である残り2.5km地点からの登り区間で人数を減らしながら周回を重ねる。残り2周からになるとさらに集団のペースが上がり、最終周回の最後の登り区間で6名が勝ち逃げ集団が形成される。最後はこの6名でのスプリントとなり、金田聡士(AVENTURA AIKOH TOYO VICTORIA)が制した。中間スプリント・ポイントは3周回終了時、5周回終了時ともに3位に入った皿谷宏人(エキップ ティラン)が獲得。Jエリートツアーリーダーは塚本隼(ZERO)が逆転で首位に立った。

優勝した金田は、「平坦の方が得意だが、今日の登りは短かったし、自分の調子も良かった。最後の登りを4番手くらいで入って、頂上直前でアタックすると後ろが離れた。スプリントになれば絶対勝てると思っていた。後半戦も勝ちたいし、メインはトラック競技なのでそちらも頑張りたい。」と抱負を述べた。

E2 優勝は池田渓人(VC福岡(エリート))E2 優勝は池田渓人(VC福岡(エリート)) photo:Kensaku.SakaiE2 表彰式E2 表彰式 photo:Kensaku.Sakai

E3優勝は新村拓也(パナソニックレーシング)E3優勝は新村拓也(パナソニックレーシング) photo:Kensaku.SakaiE3表彰式E3表彰式 photo:Kensaku.Sakai

Jプロツアー第10戦 東広島サイクルロードレース結果
1位岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)2時間21分42秒
2位黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング)+11秒
3位湊 諒(シマノレーシング)+13秒
4位谷 順成(ヴィクトワール広島)+15秒
5位橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)+17秒
6位ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+20秒
敢闘賞 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)
中間スプリントポイント賞
5周回完了時小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)
10周回完了時佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
15周回完了時大町健斗(JCF強化指定選手チーム)
Jプロツアーリーダー岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
ネクストリーダー(U23)今村駿介(チームチームブリヂストンサイクリング)
E1 結果(38.5km)
1位金田聡士(AVENTURA AIKOH TOYO VICTORIA)59分4秒
2位塚本 隼(ZERO)+0秒
3位皿谷宏人(エキップ ティラン)+0秒
4位海藤稜馬(パナソニックレーシング)+1秒
5位西村 基(VENTOS FRECCIA)+1秒
6位梅澤幹太(エキップuレーシング)+2秒
E2 結果(27.5km)
1位池田渓人(VC福岡(エリート) )43分11秒
2位永塩幸之介(群馬グリフィンエリート )+0秒
3位久賀壮大(徳島県立小松島西高等学校)+3秒
4位中島雅人(VC福岡(エリート) )+3秒
5位中治綱太(イナーメ信濃山形-EFT)+7秒
6位武久弘太(eNShare Cycling Team)+7秒
E3 結果(22km)
1位新村拓也(パナソニックレーシング)34分0秒
2位大森健史(備北おはようございます)+0秒
3位井上尚也(Aki Rising Bicycle team)+0秒
4位森井浩明(Team Grandi Petit )+0秒
5位高橋亘平(グランデパール播磨 )+0秒
6位中村一登(Team Grandi Petit)+0秒
text&photo:Kensaku.Sakai
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