パリ~ルーベを前に、ピナレロがフルサスエンデュランスロード「DOGMA FS」を発表。路面状態を識別して自動制御可能な前後電子制御アクティブサスペンションによって、パヴェをよりスムーズに、かつ速く駆け抜ける究極のエンデュランスレーサーだ。


ピナレロ DOGMA FSピナレロ DOGMA FS (c)ピナレロジャパン
世界で最も過酷なレース、パリ~ルーベ。迫る北の地獄を前に、各社が石畳を最速で駆け抜けるためのバイクを次々と発表している。路面の凹凸をいなし、乗り手へ伝わるダメージを最小限に抑えるため、様々な工夫を凝らしたバイクが存在するなかで、ピナレロが用意したのは世界初の電子制御フルサスロードバイク、「DOMGA FS」だ。

4年前、リアトライアングルのモノステー部に超軽量サスペンション"DSS1.0"を配置したDOGMA K8-S
を皮切りに、ピナレロはパヴェへのソリューションとしてサスペンションの搭載を提案してきた。K8-Sの2年後には、ジャイロスコープや加速度センサーによって集めた情報によって路面状況を判断し、自動的にダンピングを制御する電子制御システムを搭載したeDSS2.0へと進化したDOGMA K10-Sを発表。舗装路での俊敏さとパヴェでの快適性を両立する画期的なシステムとして大きな注目を浴びた。

ヘッドチューブの中にフロントサスは内蔵されるヘッドチューブの中にフロントサスは内蔵される (c)ピナレロジャパン
フロントサスペンションのストローク分だけヘッドチューブが短くなるフロントサスペンションのストローク分だけヘッドチューブが短くなる (c)ピナレロジャパンリアサスは前作eDSS2.0と同様のシステムを採用するリアサスは前作eDSS2.0と同様のシステムを採用する (c)ピナレロジャパン


そして今年、ピナレロはフロントセクションにもサスペンションを導入。eDSS2.0で培った電子制御システムを搭載したサスペンションをフォークコラムに搭載し、更なる安定性とハンドリングの向上を実現するフルサスロードとしてDOMGA FSをパリ~ルーベへと送り込む。

コイル式のフロントサスのストロークは20mmとなり、その分ヘッドチューブが短くなっている。サスペンションへの入力をスムースにするためフォークオフセットは僅かに減少しており、安定性の向上にも寄与しているはずだ。ヘッドベアリングも下ワンが1”1/2、上ワンが1”1/4まで大径化された。

ピナレロ DOGMA FSピナレロ DOGMA FS (c)ピナレロジャパン
リアサスペンションはeDSS2.0とほぼ変わらずエラストマーによってストロークする超軽量モデルとなっている。横方向に扁平した左右非対称チェーンステー「FlexStays」によってリアトライアングルは最大10mmまで垂直方向に変形する一方、ペダリングパワーは逃さない横方向への捻じれ剛性も併せ持っている。

これら前後のサスペンションを統合し制御するのが新たなDSAS(DOGMA SMART ADAPTIVE SYSTEM)だ。電子制御アクティブサスペンションシステムをリンクさせ、各種センサーで把握した路面状況に合わせてサスセッティングを変化させることで、フレームの剛性を自動調整する。例えば、滑らかな路面では前後共にサスをロックし最大の剛性と走行性能を発揮する一方、荒れた路面ではバルブを開放し振動をカットするとともに抜群のトラクションを実現する。

DSAS概略図 フロントとリアサスペンション、HMIとスマートバッテリーパックがシステムを構成するDSAS概略図 フロントとリアサスペンション、HMIとスマートバッテリーパックがシステムを構成する (c)ピナレロジャパン
HMIはスマートフォンやガーミンのサイクルコンピューターと連携しシステムを制御できるHMIはスマートフォンやガーミンのサイクルコンピューターと連携しシステムを制御できる (c)ピナレロジャパンシステムの要となるのが、シートチューブに組み込まれたスマートバッテリーパック。各種の情報を処理し制御するCPUが搭載されている。ダウンチューブには操作盤となる「ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)」が内蔵され、手動制御やシステムチェックを行うことができる。HMIはBluetoothおよびANT+による通信機能も備えており、スマートフォンやガーミンのサイクルコンピューターと連携しシステムを制御することも可能だ。

これらの先進的なDSASテクノロジーによって、DOGMA FSは従来のリジッドロードに対して圧倒的なアドバンテージを獲得している。路面からの振動を平均で42%カットすることを可能とし、より快適で安定感のあるライディングフィールを実現した。そしてそれは、極限の状況であるクラシックレースにおいてこそ力を発揮する。

カルフール=ド=ラルブルにおいて行われたテストの結果 上段が消費エネルギー、下段が速度となるカルフール=ド=ラルブルにおいて行われたテストの結果 上段が消費エネルギー、下段が速度となる (c)ピナレロジャパン
ピナレロはチームスカイと共にパリ~ルーベの中でも名高い難易度5つ星のパヴェ、カルフール=ド=ラルブルでDOGMA FSをテストした。通常のロードバイクと比較して、ほぼ同じ出力(厳密にはDOGMA FSが僅かに低い)で走行した場合、通常バイクの平均速度が45.4km/hだったのに対し、DOGMA FSは50km/hと、9.67%ものスピードアップを実現している。これが意味するのは、2kmのパヴェ区間において、DOGMA FSは15秒のタイムアドバンテージをもたらしてくれるということだ。

このハイテクバイクをルーベへ投入するにあたり、ファウスト・ピナレロとチームスカイのルーク・ロウがコメントを寄せている。

ファウスト・ピナレロ
パリ〜ルーベはバイクの性能が勝敗を分ける稀有なレースで、その過酷極まる石畳上でのコントロールは何よりも重要だ。DOGAM FSは世界最高のロードバイクと高度な電子制御テクノロジーを融合して生まれたマシンであり、ラボでのテストはもちろんチームスカイとの共同開発の末、石畳では明確なアドバンテージとなることが証明されている。あとは少しの運さえあれば、レースでの活躍は間違いない。

ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)
僕らチームスカイがピナレロという素晴らしいパートナーと共にあることは信じられないほど恵まれたことだ。ピナレロのバイクは進化の歩みを止めることなく、僕らが世界最高峰の舞台で戦うための後押しをしてくれる。これはチームの運営方法(マージナル・ゲイン)と共通する部分でもあるんだ。パリ〜ルーベではこのDOGMA FSで走る予定。最新バイクでのレースが待ちきれないよ。

現時点で国内販売価格やカラーなどは未定。サイズ展開は530, 550, 560, 575の4種が用意される予定だ。


ピナレロ DOGMA FS
フレーム: T1100 1K Dream Carbon with Nanoalloy Technology Asymmetric Frame
フォーク:Fork ONDA with ForkFlap
タイヤ幅:700x28mm
サイズ: 530, 550, 560, 575