クノクテベルグやノケレベルグが組み込まれたドワーズ・ドール・フラーンデレン女子レースでエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)が独走勝利。大会2連覇を成し遂げた。



ドワーズ・ドール・フラーンデレン2019 女子レース コースプロフィールドワーズ・ドール・フラーンデレン2019 女子レース コースプロフィール (c)www.ddvl.eu
ドワーズ・ドール・フラーンデレンの女子レース(UCIウィメンズワールドツアー第6戦)は、今年からワールドツアーカレンダーに組み込まれたワンデーレース。ティールトからフランドルの丘陵地帯を縫うように巡りワレヘムに至るコースは106kmと短いが、男子レースでマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)がアタックした「クノクテベルク(距離1100m/平均4.9%/最大11.8%)」が中盤に控え、後半も「フォッセンホール」「ホルストラート」「ノケレベルグ」といった勝負どころやパヴェ区間が密集する。

落車による一時停止が起きたニュートラル走行を終え、リアルスタートが切られると長いアタック合戦が幕開ける。散発的な抜け出しと追走が続き、逃げらしい逃げが決まったのはレース距離の4分の1を消化してから。3名がエスケープしたが大きなリードを奪えず、56.5km地点のクノクテベルグを過ぎてペースアップしたメイン集団に飲み込まれた。

ミッチェルトン・スコットが組織的なペースアップを行い、ここに昨年覇者エレン・ファンダイク(オランダ)率いるトレック・セガフレードが加担する。続く「ホトンド」を越えると先頭グループはファンダイクやストラーデビアンケ覇者でTT世界王者のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)、カシア・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)、欧州王者マルタ・バスティアネッリ(イタリア、チームヴィルトゥサイクリング)、ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ)といった有力勢が入った11名に絞られる。

独走でフィニッシュするエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)独走でフィニッシュするエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード) (c)CorVos
後続グループのスプリントではマルタ・バスティアネッリ(イタリア、チームヴィルトゥサイクリング)が先着後続グループのスプリントではマルタ・バスティアネッリ(イタリア、チームヴィルトゥサイクリング)が先着 (c)CorVos
メイン集団ではFDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープが追走したものの、足並み揃った先頭グループとの1分差は縮まらず、最終的に合流することは叶わなかった。

先頭からは残り20kmからブラントが単独先行したものの、最大勾配12%のホルストラートで引き戻される。ファンフルーテンの登坂アタックも決まらず、今度はペースが緩んだ隙を突いたファンダイクが独走に持ち込んだ。

キャリア通算41勝のうち、実に半分をタイムトライアルで勝利しているTTスペシャリストが独走。メイン集団もファンフルーテンのアシストが力尽きたことでペースが上がらず、2連勝に向かって突き進むファンダイクとの距離は開くばかり。ペースを上げられない集団を尻目にファンダイクが逃げ切り、チーム移籍後初勝利を掴んだ。

大会2連覇を遂げたエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)大会2連覇を遂げたエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード) (c)CorVos
「フランドルの予行演習として全開で攻めたチームにうまく便乗できた。スピードのある選手たちが揃っていたので勝つには仕掛ける他なく、登りで一度アタックしたものの吸収され、皆が疲れているタイミングでもう一度で仕掛けた。でもそこからの16kmはとても長かった。もちろん自分も苦しんだけれど攻めきることができたので嬉しい」と2連覇を果たしたファンダイクは語っている。

男子レースと同じく日曜日にはフランドル女子レースが開催される。與那嶺恵理(日本、アレ・チポリーニ)も出場予定だ。

ドワーズ・ドール・フラーンデレン2019 女子レース結果
1位 エレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード) 2h42'34"
2位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、チームヴィルトゥサイクリング) +32"
3位 ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ)
4位 エレナ・チェキーニ(イタリア、キャニオン・スラム)
5位 シェイラ・グティエレス(スペイン、モビスター)
6位 ソフィー・デブイスト(ベルギー、パークホテル・ファルケンブルク)
7位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)
8位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)
9位 リアヌ・リッパート(ドイツ、サンウェブ)
10位 カシア・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) +36"
text:So.Isobe
photo:CorVos