ツアー・オブ・タイランド第2ステージは韓国のパク・サンフンがステージ優勝。ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が区間3位でリーダージャージを守り、武山晃輔(チームUKYO)が区間7位に入った。



シリントーン王女の写真に向かい一礼するキナンサイクリングチームのメンバー達シリントーン王女の写真に向かい一礼するキナンサイクリングチームのメンバー達 Photo:KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU氷の入った袋を頭に乗せ暑さをしのぐ新城雄大(キナンサイクリングチーム)氷の入った袋を頭に乗せ暑さをしのぐ新城雄大(キナンサイクリングチーム) Photo:KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU


ツアー・オブ・タイランド(UCI2.1)第2ステージは、2つの1級山岳を通過する山岳ステージ。全行程に渡り道幅の広い幹線道路を走り、2回目の1級山岳からフィニッシュまでは高速ダウンヒルと25kmに及ぶ平坦区間がある。

アクチュアルスタートが切られると、逃げに乗りたい選手によるアタックが散発。28km地点に設定された1級山岳の通過中も攻防が続き、レースが落ち着いたのは35kmを過ぎてから。下りを利用して逃げた6名が先頭グループを形成した。

スタートしていく中島康晴(キナンサイクリングチーム)と吉田隼人(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)スタートしていく中島康晴(キナンサイクリングチーム)と吉田隼人(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) Photo:KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
集団の牽引を任されたNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの西村大輝とルーベン・アコスタ(コロンビア)集団の牽引を任されたNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの西村大輝とルーベン・アコスタ(コロンビア) (c)NIPPO-Vini Fantini-Faizanè
集団はこれによりペースダウン。リーダーチームのNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネから西村大輝とルーベン・アコスタ(コロンビア)が集団のペースコントロールを担い、一時8分以上まで広がったタイム差を徐々に引き戻していく。

レース中盤を過ぎると、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの吉田隼人とイメリオ・チーマ(イタリア)もローテーションに加わり集団を牽引する。先頭集団では2回目の1級山岳を機に3名が脱落し、残り3名に。集団ではキナンサイクリングチームなど、他チームも集団コントロールに加わったため、タイム差が一気に縮まった。

隊列を組み走るキナンサイクリングチーム隊列を組み走るキナンサイクリングチーム Photo:KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
先頭集団から独走力のある選手が単独で抜け出したものの、残り5kmで吸収。勝負は集団スプリントの流れに。2回の1級山岳をこなしたこともあり、チームでまとまり、隊列を組むといった動きは見られず、各々の選手が個人でのサバイバルスプリントに挑む形となった。その中で、唯一リードアウト1人を残したパク・サンフン(韓国、LXサイクリングチーム)が他の選手を抑え先着。ステージを制した。

リーダージャージを着ていたジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)はアシストの居ない中、区間3位に食い込み総合首位を堅持。日本人最高位は武山晃輔(チームUKYO)が区間7位となった他、中島康晴(キナンサイクリングチーム)が14位となった。

先頭でフィニッシュラインを通過したのはパク・サンフン(韓国、LXサイクリングチーム)先頭でフィニッシュラインを通過したのはパク・サンフン(韓国、LXサイクリングチーム) (c)NIPPO-Vini Fantini-Faizanè
ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がリーダージャージを守ったジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がリーダージャージを守った (c)NIPPO-Vini Fantini-Faizanèレース後、クールダウンのために散水車の水を浴びる新城雄大(キナンサイクリングチーム)レース後、クールダウンのために散水車の水を浴びる新城雄大(キナンサイクリングチーム) Photo:KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU


序盤のアタック合戦や中盤での集団コントロールを行った西村大輝は「アタック合戦はチェックしていくチームをある程度絞って挑んだ。アタック合戦の際、まだまだ無駄に力を費やしているところがあるため、そこを修正して上手く走れるようにしていきたいと思う。」と今後に意欲を燃やしている。

キナンサイクリングチームのサルバドール・グアルディオラ(スペイン)は「逃げメンバーを吸収するまでに時間を要してしまったが、今日は山本(元喜)や新城(雄大)が素晴らしい働きを見せてくれたし、最終的に中島がスプリントにトライできる状況を作り出すことができた。コンディションは良いので、トマ(ルバ)やマルコス(ガルシア)とともに好結果を残したい。彼らも好調だし、チームは非常に強い状態にある。明日のチームの結果が楽しみだ。暑さもあって疲れは多少感じているけど、明日には全く問題ないよ。」とコメントしている。

翌第3ステージはナーンからドイプーカーを経てナーンへ戻る197.2km。3つのカテゴリー山岳を擁する最難関ステージとなっており、登坂力が試される。2つ目の山岳は標高2000mまで駆け登り、3つのカテゴリー山岳をこなした後も、細かなアップダウンが続くタフなステージとなっている。



ツアー・オブ・タイランド第2ステージ結果
1位 パク・サンフン(韓国、LXサイクリングチーム) 4時間21分12秒
2位 ワン・ジャンヨン(中国、ヘンシャンサイクリングチーム) +0秒
3位 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
4位 パク・ケンウー(韓国、LXサイクリングチーム)
5位 マルティン・ラース(エストニア、チームイルミネート)
6位 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、ドラパック・キャノンデール)
7位 武山晃輔(チームUKYO)
個人総合成績
1位 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 7時間58分52秒
2位 パク・サンフン(韓国、LXサイクリングチーム) +4秒
3位 ペン・ユエンタン(台湾、チャイニーズタイペイナショナルチーム) +8秒
4位 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、ドラパック・キャノンデール) +10秒
5位 ペーラポル・チャウチャンクワン(タイ、タイランドコンチネンタルサイクリングチーム)
6位 マ・ガントン(中国、ヘンシャンサイクリングチーム) +11秒
チーム総合成績
1位 NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ 23時間57分18秒
2位 LXサイクリングチーム
3位 タイナショナルチーム