2010/04/03(土) - 01:58
2008年のロード世界選手権タイムトライアルで銀メダルを獲得したスヴェイン・タフト（カナダ）は、昨年ガーミン・トランジションズで夢のメジャークラシック出場を果たした。プロツアーチーム2年目の今年、タフトは再び夢の舞台で闘う。
2008年のロード世界選手権個人タイムトライアルで銀メダルを獲得したスヴェイン・タフト（カナダ） photo:Cor Vos「パリ〜ルーベのようなクラシックレースが好きになった。まだまだ経験が浅いから未知の部分が多いけど、冷たい雨が降るような過酷なコンディションでのレースが得意なんだ」。
昨年タフトはフランドル地方で開催されたデパンヌ3日間レースとロンド・ファン・フラーンデレンに初出場。今年はその2レースに加え、遂にパリ〜ルーベに出場する。長年夢見ていた憧れのレースだ。
2008年のロード世界選手権タイムトライアルで銀メダルを獲得したスヴェイン・タフト（左 カナダ） photo:Cor Vos今年タフトは温暖なカタールとオマーンでシーズンをスタートさせた。その後、寒さの厳しいパリ〜ニースに出場して調子を上げ、ミラノ〜サンレモ、ヘント〜ウェベルヘム、デパンヌ3日間レースに挑んだ。今週末のロンド・ファン・フラーンデレンと翌週のパリ〜ルーベがその後に続く。
「気温マイナス2度で雪の降るパリ〜ニースはタフだったよ。太陽が燦々と照りつけるフラットなカタールやオマーンとは大違い。寒さには強い自信があったけど、さすがにマイナス2度は寒かった…」。
先日閉幕したデパンヌ3日間レースで、タフトはデーヴィット・ミラー（イギリス）をサポートし、総合優勝に導いた。最終個人タイムトライアルでタフト自身も3位に。ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベでタフトは、ヨハン・ファンスーメレン（ベルギー）とマルティン・マースカント（オランダ）をアシストする予定だ。
「我々のチームは徐々に強さを増している。デパンヌではデーヴ（ミラー）の走りが冴え渡っていたし、クラシックシーズンの主役であるマルティン（マースカント）、タイラー（ファラー）、ヨハン（ファンスーメレン）の3人は絶好調。このメンバーでクラシックレースを連戦するのが楽しみで仕方が無い」。
「デパンヌではアシストとして集団牽引などのタスクに徹した。ロンドやルーベでも出来るだけ長く集団の前方で走り、勝負が始まるレース終盤に向けてエースたちを援護したい」。
昨年ロンド・ファン・フラーンデレンに初出場したスヴェイン・タフト（カナダ、ガーミン・トランジションズ） photo:Garmin Transitions「昨年走ったからロンドの上りはある程度知っている。その地域で育ったわけじゃないから、上りを細部まで知り尽くしているような地元選手には知識の面で敵わない。でも集団内のポジション取りにさえ気をつけていれば、問題なくレースを展開出来ると思っている」。
クラシックレースを転戦するにあたり、ガーミン・トランジションズはベルギーのヘントに活動拠点を置いている。そこはファラーのヨーロッパ拠点でもある。タフトはチームメイトたちとレース前々日の金曜日（4月2日）にロンドのコース下見を済ませた。
悪路を走り抜くタフトのガッツある走りは、MTBで地元ブリティッシュ・コロンビアの山々を走りっていた時期に磨かれたもの。プロ入り前、10代のタフトはMTBで北米を駆け巡っていた。
「僕のサイクリングの源流はツーリングにある。カナダのユーコン準州を抜け、アラスカまで何度かツーリングした。カナダからメキシコまで行ったこともある。逆にロードバイクに打ち込んだ時期は短い。正直言うと、今でもバイクトリップが好きなんだ」。
カナダの大自然が生んだタフトの走りが、ベルギーのクラシックレースでガーミン・トランジションズの活躍を支える。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー･ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真（シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト）に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース（イギリス）の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
2008年のロード世界選手権個人タイムトライアルで銀メダルを獲得したスヴェイン・タフト（カナダ） photo:Cor Vos「パリ〜ルーベのようなクラシックレースが好きになった。まだまだ経験が浅いから未知の部分が多いけど、冷たい雨が降るような過酷なコンディションでのレースが得意なんだ」。昨年タフトはフランドル地方で開催されたデパンヌ3日間レースとロンド・ファン・フラーンデレンに初出場。今年はその2レースに加え、遂にパリ〜ルーベに出場する。長年夢見ていた憧れのレースだ。
2008年のロード世界選手権タイムトライアルで銀メダルを獲得したスヴェイン・タフト（左 カナダ） photo:Cor Vos今年タフトは温暖なカタールとオマーンでシーズンをスタートさせた。その後、寒さの厳しいパリ〜ニースに出場して調子を上げ、ミラノ〜サンレモ、ヘント〜ウェベルヘム、デパンヌ3日間レースに挑んだ。今週末のロンド・ファン・フラーンデレンと翌週のパリ〜ルーベがその後に続く。「気温マイナス2度で雪の降るパリ〜ニースはタフだったよ。太陽が燦々と照りつけるフラットなカタールやオマーンとは大違い。寒さには強い自信があったけど、さすがにマイナス2度は寒かった…」。
先日閉幕したデパンヌ3日間レースで、タフトはデーヴィット・ミラー（イギリス）をサポートし、総合優勝に導いた。最終個人タイムトライアルでタフト自身も3位に。ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベでタフトは、ヨハン・ファンスーメレン（ベルギー）とマルティン・マースカント（オランダ）をアシストする予定だ。
「我々のチームは徐々に強さを増している。デパンヌではデーヴ（ミラー）の走りが冴え渡っていたし、クラシックシーズンの主役であるマルティン（マースカント）、タイラー（ファラー）、ヨハン（ファンスーメレン）の3人は絶好調。このメンバーでクラシックレースを連戦するのが楽しみで仕方が無い」。
「デパンヌではアシストとして集団牽引などのタスクに徹した。ロンドやルーベでも出来るだけ長く集団の前方で走り、勝負が始まるレース終盤に向けてエースたちを援護したい」。
昨年ロンド・ファン・フラーンデレンに初出場したスヴェイン・タフト（カナダ、ガーミン・トランジションズ） photo:Garmin Transitions「昨年走ったからロンドの上りはある程度知っている。その地域で育ったわけじゃないから、上りを細部まで知り尽くしているような地元選手には知識の面で敵わない。でも集団内のポジション取りにさえ気をつけていれば、問題なくレースを展開出来ると思っている」。クラシックレースを転戦するにあたり、ガーミン・トランジションズはベルギーのヘントに活動拠点を置いている。そこはファラーのヨーロッパ拠点でもある。タフトはチームメイトたちとレース前々日の金曜日（4月2日）にロンドのコース下見を済ませた。
悪路を走り抜くタフトのガッツある走りは、MTBで地元ブリティッシュ・コロンビアの山々を走りっていた時期に磨かれたもの。プロ入り前、10代のタフトはMTBで北米を駆け巡っていた。
「僕のサイクリングの源流はツーリングにある。カナダのユーコン準州を抜け、アラスカまで何度かツーリングした。カナダからメキシコまで行ったこともある。逆にロードバイクに打ち込んだ時期は短い。正直言うと、今でもバイクトリップが好きなんだ」。
カナダの大自然が生んだタフトの走りが、ベルギーのクラシックレースでガーミン・トランジションズの活躍を支える。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー･ブラウン)イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真（シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト）に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース（イギリス）の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
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