2月20日、スペイン南部のアンダルシア地方で『ルタ・デル・ソル』ことブエルタ・ア・アンダルシアが開幕。最大勾配22%の石畳坂にフィニッシュする第1ステージで、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が2年連続勝利を飾った。


アンダルシアの田舎町を通過していくアンダルシアの田舎町を通過していく photo:CorVos

ブエルタ・ア・アンダルシア2019第1ステージブエルタ・ア・アンダルシア2019第1ステージ photo:Vuelta a Andalucia開催65回目を迎えるブエルタ・ア・アンダルシアは、温暖な地域を走ることから「ルタ・デル・ソル(太陽のレース)」として認知されている5日間のステージレース。2017年からUCIのHC(超級)レースとして開催されており、2019年大会にはアスタナ、バーレーン・メリダ、ユンボ・ヴィズマ、ミッチェルトン・スコット、ロット・スーダル、モビスターという6つのUCIワールドチームを含む20チームが出場。NIPPOヴィーニファンティーニからは、すでにボルタ・ア・バレンシアナとトロフェオ・ライグエリアをこなしている初山翔が出場した。

個人タイムトライアルを含むステージレースの初日には、丘の上の街アルカラ・デ・ロス・グズレスに向かう石畳坂フィニッシュが登場した。2018年にウェレンスが圧勝したアルカラ・デ・ロス・グズレスは最大勾配が22%に達する激坂で、残り1.3km地点から高低差137mを駆け上がる。その平均勾配は11%で、フィニッシュ手前200mは荒い石畳に覆われている。

カハルラル・セグロスRGAや、エウスカディバスクカントリー・ムリアス、ブルゴスBH、フンダシオンエウスカディといったスペインのUCIプロコンチネンタルチームを中心にした逃げグループが序盤から形成されるもの、UCIワールドチームがメイン集団を率いてタイム差を抑え込む。2分前後で推移したタイム差は残り22km地点でゼロに。ミッチェルトン・スコットやアスタナ、バーレーン・メリダが主導権を握ってペースを上げた。

少しペースが緩んだ残り6km地点でマッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)とドリース・ファンヘステル(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)がアタックを仕掛けたものの、タイム差の拡大は10秒止まり。ユンボ・ヴィズマとロット・スーダル、モビスターが先導するメイン集団によって、逃げる2人は残り2km地点で吸収される。ロット・スーダルを先頭に、メイン集団はハイスピードで激坂に突入した。

アスタナやミッチェルトン・スコット、ロット・スーダルがメイン集団をコントロールアスタナやミッチェルトン・スコット、ロット・スーダルがメイン集団をコントロール photo:CorVos
残り1.3km地点のコーナーを曲がると、最大勾配22%の急勾配区間が早速スタート。ロット・スーダルとアスタナが先頭を固めてペースを上げると集団は崩壊する。残り1kmからヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が先頭に立ち、ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)やウェレンスがこれに続いた。急勾配区間を終えると、2月上旬に開催されたボルタ・ア・バレンシアナで総合優勝を飾ったヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)が先行した。

残り200mで再び勾配が増し、路面が石畳に変わると満を持してウェレンスが加速。石畳坂を力強く踏み抜いたウェレンスが追いすがるイサギレやフルサング、ヘイグを振り切った。ステージ4位に入ったヘイグのSTRAVAログによると、登坂中の平均スピードは17.9km/h。ヘイグは4分間にわたって平均出力503Wで踏み続けたが、ウェレンスには敵わなかった。

常に集団前方に位置したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)常に集団前方に位置したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
2年連続で石畳坂を制したウェレンスは「今日の勝利にチームの献身は欠かせないものだった。ずっと風が強くて集団が縦に長く伸びるシーンが多かったものの、チームメイトに守られて常に集団最前列をキープした。エシュロンを生み出そうとペースを上げたチームもあったけど、昨年同様にロット・スーダルがポールポジションを守ったまま最後の急坂に突入したんだ。アタックするべきか待つべきか迷いながら、イサギレのアタックに反応する形で飛び出して、そこからフィニッシュまでは全開走行。昨年の経験を生かせたと思う。石畳の登りではダンシングで加速できないので、サドルに座ったままのスプリントになる。それこそ自分が得意とするところで、今日はそのアドバンテージを勝利に繋げることができた」と勝利の秘訣を語る。

ウェレンスは2018年大会でワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)に8秒差、マルク・ソレル(スペイン、モビスター)に27秒差をつけて総合優勝している。今シーズン、ウェレンスはチャレンジマヨルカで幸先の良い初勝利を飾ったものの、その後に発症したウィルス性感染症の影響で思うようにトレーンングをこなせず。アンダルシア開幕前のプレスリリースでウェレンスは「2018年とは異なり、2019年は総合優勝が最大の目的ではない」とコメントしていたが、この日の走りを見る限り調子が良いのは間違いない。

「もちろん日曜日までリーダージャージを着続けたい。土曜日のクイーンステージよりも、総合争いに置いて重要なのは金曜日のタイムトライアル。個人的にタイムトライアル能力に改善に取り組んできたし、コースも自分向きなので問題ないはず。警戒しないといけないのはタイムトライアルも得意なイサギレだ」とディフェンディングチャンピオンのウェレンスは語っている。

2年連続で石畳坂フィニッシュを制したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)2年連続で石畳坂フィニッシュを制したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
ブエルタ・ア・アンダルシア2019第1ステージ結果
1位ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)4:24:12
2位ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)0:00:05
3位ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)
4位ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
5位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)0:00:09
6位ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)
7位マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
8位アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)
9位アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
10位ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)0:00:13
69位初山翔(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ)0:02:13
個人総合成績
1位ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)4:24:12
2位ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)0:00:05
3位ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)
4位ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
5位ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)0:00:09
6位ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)
7位マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
8位アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)
9位アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
10位ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)0:00:13
ポイント賞
1位ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)25pts
2位ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)20pts
3位ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)16pts
山岳賞
1位セルジオ・サミティエル(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス)3pts
2位アルバロ・クアドロス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)2pts
3位ウナイ・クアドラド(スペイン、フンダシオンエウスカディ)1pt
チーム総合成績
1位アスタナ13:12:55
2位モビスター0:00:40
3位ユンボ・ヴィズマ0:00:54
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
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