11月11日に開催された「ツール・ド・おきなわ」で、結果が審議中となっていたジュニア国際レースのリザルトが発表され、津田悠義(三好高校)の優勝が確定した。ジュニア国際レースについては、レース中のボトル投棄についてのペナルティをめぐって正式リザルトの発表が保留されていた。



ジュニア国際レース 終盤を独走した津田悠義(三好高校)が優勝ジュニア国際レース 終盤を独走した津田悠義(三好高校)が優勝 photo:Satoru Kato
ツール・ド・おきなわのジュニア国際レースは140kmで行われ、終盤に残った3人の中から、羽地ダムで抜け出した津田悠義(三好高校)が独走。2位以下に1分26秒の差をつけてフィニッシュした。

しかしレース終了後、指定された場所以外でのボトルの投げ捨てがあったとして、津田に降格のペナルティが課された。これに対し津田側が異議申し立てを行ったため、表彰式は行われず、正式リザルトは審議後の発表とされた。

津田の主張によれば、他の上位選手も審判車からボトルを受け取り、同じように捨てていたとのこと(津田以外もボトルを捨てていたのかは審判と見解が異なる)。UCIルールではボトル投げ捨てによる降格は無いので、処分は納得できないというものだ。

今日(20日)夕方、ツール・ド・おきなわ公式サイトでリザルトが発表され、津田の優勝が確定。ボトルの投げ捨てについては「警告」とされた。

ジュニア国際140km 津田悠義(EQADS 三好高校)ジュニア国際140km 津田悠義(EQADS 三好高校) photo:Makoto.AYANO羽地ダム上りを独走する津田悠義(EQADS/三好高校)羽地ダム上りを独走する津田悠義(EQADS/三好高校) photo:Makoto.AYANO

今回の決定について、ツール・ド・おきなわ実行委員会は、「マナー違反に対して失格・降格があると特別規則に書かれており、ボトル投げ捨てがマナー違反に含まれるという認識でした。ただし、『マナー違反』の表現が曖昧だったこと、ボトルの投げ捨てがレースの結果に影響していないことを考慮し、今回は警告という形で決着しました」と、審議の結果を説明。

『マナー違反による失格・降格』については、「市民レースでのボトル投げ捨て防止を念頭に特別規則としており、UCIレースでないジュニア国際レースは特別規則に基づいてペナルティを与えるというのが大会全体としての認識でした」との説明だった。

結果の確定を受け、津田は自身のSNSで「リザルトが出ましたのでご報告させて頂きます。まず僕の行為によりご迷惑おかけしてしまい、様々なメッセージを送って頂いた方々、応援して下さっている皆様ほんとにすみません」と、コメントを投稿した。



今年のツール・ド・おきなわは、国内外から5000人もの参加者を集めた。市民レースでは1クラス400人もの選手が走るのは他に例がない規模だ。それだけの人数が一般公道を走り、どこでも構わずボトルを投げ捨てては収拾がつかなくなるし、ひいては大会の存続にも関わる。それ故に失格・降格を特別規則とするのは理解できよう。

しかし、UCIレースでないとは言え、海外選手も出場する国際レースであれば、UCIのルールに準じた運営を望みたいところ。ボトル投げ捨てはペナルティの対象であることは間違いないが、レース結果に影響が出るようなペナルティは慎重な検討をお願いしたい。
ツール・ド・おきなわ ジュニア国際レース結果(140km)
1位 津田悠義(三好高校) 4時間1分53秒
2位 アレステア・マッケラー(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー) +1分26秒
3位 本多晴飛(相生学院高校) +1分27秒
4位 ヴィクター・ブロエックス(WTC de アムステル) +4分15秒
5位 島野翔太(北星学園大学附属高校) +4分32秒
6位 山田壮太郎(青山高校)
text:Satoru Kato