3月17日、ベルギー・フランドル地方で第65回ノケレ・コールス(UCI1.1)が開催された。石畳の急坂ノケレベルグで繰り広げられたゴールスプリントを制したのは、21歳のイェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)。ベルギーの新鋭が今シーズン4勝目を収めた。

ノケレベルグを含む15kmの周回コースを進むメイン集団ノケレベルグを含む15kmの周回コースを進むメイン集団 photo:Cor Vos今年で開催65回目を迎えるノケレ・コールスは、ベルギー・フランドル地方のヘント近郊で行なわれるセミクラシック。今年はクイックステップやオメガファーマ・ロットなどのプロツアー5チームを始め、国内外のプロコンチネンタル/コンチネンタルチームが揃った。

コース全長は192.2kmで、後半にかけて石畳の急坂ノケレベルグを含む15kmの周回コースを8周する。最後のノケレベルグ頂上がゴールだ。

石畳の上りスプリントを制したイェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)石畳の上りスプリントを制したイェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス) photo:Cor Vosレース序盤に形成されたケヴィン・ネイリンク(ベルギー、ランドバウクレジット)ら4名の逃げグループは、ゴールまで19kmを残して吸収。最後は100名弱に縮小した集団による、ノケレベルグでのゴールスプリント勝負に持ち込まれた。

スプリントで先行したボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ)の後方から追い上げ、ゴール前で先頭に立ったのはケウケレール。ベルギー・ブルージュ出身の21歳ケウケレールがガッツポーズを見せた。

表彰台、左から2位クリス・ブックマンス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、優勝イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)、3位ボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ)表彰台、左から2位クリス・ブックマンス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、優勝イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)、3位ボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ) photo:Cor Vos今年コフィディスでプロデビューしたケウケレールは、ル・サミンでプロ初勝利を飾り、西フランドル3日間レースではステージ優勝を飾るとともに総合優勝。これが早くも今シーズン4勝目。

次世代クラシックレーサーとして注目を集めるケウケレールは「ファンタスティックな走りでサポートしてくれたチームメイトに感謝したい。今シーズンはすでに2勝(総合優勝を含めると3勝)していて、ここまで大成功のシーズンを送っている。この勢いを維持したい」と語った。今後のメジャークラシックでも、その名前を聞くことになるだろう。

コフィディスはパリ〜ニース最終ステージに続く勝利で、今シーズンすでに10勝目。プロコンチネンタルチームながら、プロツアーチームを凌駕するほどの好成績だ。チームは公式サイトの中で「1997年のチーム創設以降、最も輝かしいシーズンデビューだ!」と、選手たちの予想以上の活躍を賞賛している。



レース展開や選手コメントはベルギーのヘット・ニュースブラッド紙より。

ノケレ・コールス2010結果
1位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)      
2位 クリス・ブックマンス(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
3位 ボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ)
4位 ケニー・デハース(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
5位 クラース・ロデウィック(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
6位 ジョン・マーフィー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
7位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ベランダス・ヴィレムス)
8位 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、イテラカチューシャ)
9位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos