3月12日、パリ~ニース第5ステージはアップダウン基調の157 kmで行われ、第3ステージの勝利に続いて参加選手中最年少20歳のペーター・サガン(スロバキア、リクイガス) がゴールまでの上りで圧倒的なパワーを炸裂させ、驚きのステージ2勝目を挙げた。

スタート地点は地元有力者の旗振りで始まるスタート地点は地元有力者の旗振りで始まる (c)A.S.O第5ステージはペルヌ・レ・フォンテーヌ~エクス・アン・プロヴァンスの157 km。距離は短めながら、カテゴリー2級がひとつにカテゴリー3級が3つの山岳ポイント、そしてカテゴリーなしとはいえ細かなアップダウンの連続する厳しい中央山塊マシフサントラルの地形の特徴的なステージだ。翌日第6ステージに最長220kmの厳しい難関ステージが待っていることもあり、難易度自体はやや低め。

逃げを狙う選手に向いたコースプロフィールに、スタート直後から次々にアタックがかかるが、いずれもすぐに潰されるという展開で逃げが決まらず。最初の1時間の平均時速は39.1km/hだった。

最初のアタックはシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)最初のアタックはシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ) (c)CorVos33km地点で後方と差を開くことに成功したシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)に、4人が合流。しかしシャバネルは総合で1分27秒遅れの17位に位置する選手。逃げは許してもらえない。集団はひとつにまとまる。

40km地点の最初の山岳ポイント、2級のムル峠へ。フランスチャンピオンのディミトリ・シャンピオン(フランス、アージェードゥーゼル)が山岳ポイントを1位通過。アマエル・モワナール(フランス、コフィディス)、サビエル・トンド(スペイン、サーヴェロテストチーム)と続く。モワナールはローラン・マンジェル(フランス、ソウル・ソジャサン)と山岳ポイント首位に並んだ。マンジェルは先頭集団から脱落し、2分後方の遅れたグループに入ってしまう。

冬枯れのブドウ畑を行く集団冬枯れのブドウ畑を行く集団 (c)A.S.O第2山岳のラコステ峠はピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)が1位通過。2位通過クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)に続いたモワナールがこの時点で山岳賞のトップに立った。

大きく下らずに続く第3山岳ボニュー峠もフェドリゴがトップ通過。しかし下りで吸収され、先頭集団はひとつにまとまる。

112km地点、ゴールまで残り45km地点でヴォロディミール・グストフ(ウクライナ、サーヴェロ・テストチーム)、カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)、 シルヴァン・カルザッティ(フランス、チームスカイ)の3人が集団に30秒ほどの差をつけて逃げる。

ゴールまで残り45km地点で逃げたシルヴァン・カルザッティ(フランス、チームスカイ)、カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)、レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)、ヴォロディミール・グストフ(ウクライナ、サーヴェロ・テストチーム)ゴールまで残り45km地点で逃げたシルヴァン・カルザッティ(フランス、チームスカイ)、カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)、レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)、ヴォロディミール・グストフ(ウクライナ、サーヴェロ・テストチーム) (c)A.S.O一度は遅れかけたバレードだが、後方から上がてきたブルーのエストニアチャンピオンジャージのレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)とともに再合流。4人の逃げ集団が形成された。

逃げる4人は後方との差を1分以上に開こうとするが、問題なのはターラマエが総合で1分6秒遅れの10位いること。一時バーチャルリーダーにもなるが、集団は2分までの差は許してくれない。そしておそらく逃げグループの中で話し合いがもたれ、ターラマエはスピードを緩めて後方へと戻ることになる。

グストフ、バレード、カルザッティの3人も残り22km地点で集団に吸収された。


レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)は総合10位につけるため、逃げは許されなかったレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)は総合10位につけるため、逃げは許されなかった (c)A.S.Oそして後半、激しい走りを見せたのはアージェードゥーゼルだった。集団の先頭に集結し、スピードを上げるアージェードゥーゼルの選手たち。風の吹く区間で集団を一列棒状に引き伸ばし、エクス・アン・プロバンスが近づくにつれて集団を分断する。

この走りでリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)ら有力選手数人でさえ分裂した後方集団に取り残された。アージェードゥーゼルのこの走りはゴール前ラスト2kmまで続くことになる。

ゴールまで軽く登り始め、ラスト2kmでアタックしたのはクリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)。すぐさまペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)がチェックに入って抜き去ると、そのまま先行する。

ラスト2kmでアタックし、クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)を抜き去るペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)ラスト2kmでアタックし、クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)を抜き去るペーター・サガン(スロバキア、リクイガス) (c)A.S.Oサガンを追う先頭集団もペースが上がっているが、重いギアを踏みしめて上るサガンの力強い走りは他を圧倒していた。

サガンはそのまま逃げ切り、第2ステージの2位、第3ステージの勝利に続いて驚きのパワーで2勝目を飾る。片手を突き上げ、風格さえ感じさせる堂々としたゴールシーン。ルーキーはその強さを再びアピールした。

人数を減らした集団は22位までが2秒遅れでフィニッシュ。集団先頭を制したバルベルデは2位のボーナスタイム4秒を得てコンタドールとの差を20秒にした。

驚異のルーキーはゴール後に語る。「もう一勝できるなんて考えてもみなかった。でも集団が小さくなったからチャンスを生かせた。短くて上りの厳しいスプリントは好きだ」。
ラスト2kmを逃げ切りゴールに飛び込んだペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)ラスト2kmを逃げ切りゴールに飛び込んだペーター・サガン(スロバキア、リクイガス) (c)CorVos
今日も無難に首位をキープしたコンタドールもサガンの強さを讃える。「サガンは本当に強いライダーだ。すぐ近い将来、戦わざるをえないライバルになるだろう」。





パリ~ニース2010第5ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)           3h34'15"
2位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィーニ) +2"
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) 
息を切らせてゴールに飛び込んだペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)息を切らせてゴールに飛び込んだペーター・サガン(スロバキア、リクイガス) (c)CorVos4位 マチュー・ラダニュ(フランス、フランセーズデジュー) 
5位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク) 
6位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)
7位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
8位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)
9位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)       20h04'13"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)   +20"  
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)           +25"
4位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)      +26"
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)         +29"
6位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)           +34"
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)          +36"
8位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)            +42"
9位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・トランジションズ)  +1'06"
10位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)        +1'06"

ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)

山岳賞首位にたったアマエル・モワナール(フランス、コフィディス)山岳賞首位にたったアマエル・モワナール(フランス、コフィディス) (c)CorVos山岳賞
アマエル・モワナール(フランス、コフィディス)

新人賞
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)

チーム総合成績
ケースデパーニュ

text:Makoto.AYANO
photo:Cor Vos, A.S.O.
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