元サッカーのベルギー代表で、自転車競技を始めて1年半の18歳が圧勝。クイックステップフロアーズ入りが決まっているレムコ・イヴェネプール(ベルギー)が下位に大差をつけて勝利した。日野泰静(松山城南高校)と馬越裕之(榛生昇陽高校)はそれぞれ58位と61位。


33分15秒のトップタイムで優勝した1位	レムコ・イヴェネプール(ベルギー)33分15秒のトップタイムで優勝した1位 レムコ・イヴェネプール(ベルギー) photo:Kei Tsuji

ジュニア世代、つまり2000年と2001年生まれの次世代ライダー最速を決める男子ジュニアタイムトライアル。コースは前日のU23と共通のヴァッテンスからインスブルックまでの27.7kmで、後半にかけて獲得標高差262mほどのアップダウンをこなす。

明け方にかけて3度まで下がった気温が6度ほどまで上がった午前10時10分に第1走者のスタートが切られた。気温の上昇とともに変わったのが風のコンディション。前半スタートの選手たちはほぼ無風状態の中でのレースとなったが、時間の経過とともに吹き始めた東風が後半スタートの選手たちの背中を押した。

2018年のベルギー選手権とヨーロッパ選手権のロードレースとタイムトライアルでそれぞれ二冠を達成し、今シーズン出場した5つのステージレースですべて総合優勝&ステージ優勝&ポイント賞獲得という圧倒的な強さを見せていたベルギーの新星イヴェネプールが前半から快走。その強さから「プティ・カンニバル(小さな人食い)」と呼ばれる18歳が第1計測(18.1km地点)の時点でライバルのタイムを50秒も更新。後半に入ってもそのペースはまったく落ちず、最終的に2位のルーカス・プラップ(オーストラリア)に1分23秒ものタイム差をつけて勝利した。

2位/1分23秒差 ルーカス・プラップ(オーストラリア)2位/1分23秒差 ルーカス・プラップ(オーストラリア) photo:Kei Tsuji3位/1分37秒差 アンドレア・ピッコロ(イタリア)3位/1分37秒差 アンドレア・ピッコロ(イタリア) photo:Kei Tsuji
4位/1分47秒差 ミヘル・ヘスマン(ドイツ)4位/1分47秒差 ミヘル・ヘスマン(ドイツ) photo:Kei Tsuji5位/1分50秒差 ソレン・ワーレンショールド(ノルウェー)5位/1分50秒差 ソレン・ワーレンショールド(ノルウェー) photo:Kei Tsuji

6位/2分10秒差 マヌエル・ミッシェルセン(オランダ)6位/2分10秒差 マヌエル・ミッシェルセン(オランダ) photo:Kei Tsuji7位/2分21秒差 イラン・ヴァンウィルダー(ベルギー)7位/2分21秒差 イラン・ヴァンウィルダー(ベルギー) photo:Kei Tsuji

イヴェネプールが出したタイムは33分15秒で、平均スピードは49.979km/h。もちろん風が味方したことも考えられるが、ギア比制限のあるジュニアレースにもかかわらずイヴェネプールは同じコースで行われたU23の4位に相当するタイムを出したことになる。

まさに圧勝と言える走りを見せたイヴェネプールは異例の経歴の持ち主として知られる。幼少期からクラブチームでサッカーに打ち込んだイヴェネプールはU15時代からベルギー代表として活動。サッカーに区切りをつけて自転車競技に転向したのは2017年で、自転車競技を始めてわずか1年半でジュニアの頂点に立ったことになる。

「この世界選手権を大きな目標に掲げて準備を重ねてきた。もちろん(ロードレースとの)二冠を狙っているので、まずはタイムトライアルで1勝目を飾ることができてホッとしている。今日は登りを全開で走り、後半はただ速く走ることだけを考えて追い込んだ。結果には満足しているし、本当に夢がかなった気分だ」とイヴェネプール。早くもクイックステップフロアーズが若き才能との契約に至っており、イヴェネプールはジュニアカテゴリーから「飛び級」でUCIワールドチームの一員になることが決まっている。

2位ルーカス・プラップ(オーストラリア)、1位レムコ・イヴェネプール(ベルギー)、3位アンドレア・ピッコロ(イタリア)2位ルーカス・プラップ(オーストラリア)、1位レムコ・イヴェネプール(ベルギー)、3位アンドレア・ピッコロ(イタリア) photo:Kei Tsuji
スタート前にアップする馬越裕之(榛生昇陽高校)と日野泰静(松山城南高校)スタート前にアップする馬越裕之(榛生昇陽高校)と日野泰静(松山城南高校) photo:Kei Tsuji
日本から出場した日野泰静(松山城南高校)と馬越裕之(榛生昇陽高校)はそれぞれ58位と61位。トップのイヴェネプールと6分以上の差、平均スピードにして7km/h以上の差がついている。タイムトライアルを走った2名に福田圭晃(横浜高校)と香山飛龍(横浜高校)、小野寺慶(ブラウブリッツェン)を加えた5名で2日後のロードレースに出場する。

58位/6分05秒差 日野泰静(松山城南高校)58位/6分05秒差 日野泰静(松山城南高校) photo:Kei Tsuji
61位/6分29秒差 馬越裕之(榛生昇陽高校)61位/6分29秒差 馬越裕之(榛生昇陽高校) photo:Kei Tsuji
ロード世界選手権2018男子ジュニアタイムトライアル結果
順位選手名タイム平均スピード
1位レムコ・イヴェネプール(ベルギー)33:1549.979km/h
2位ルーカス・プラップ(オーストラリア)01:2347.968km/h
3位アンドレア・ピッコロ(イタリア)01:3747.648km/h
4位ミヘル・ヘスマン(ドイツ)01:4747.420km/h
5位ソレン・ワーレンショールド(ノルウェー)01:5047.361km/h
6位マヌエル・ミッシェルセン(オランダ)02:1046.902km/h
7位イラン・ヴァンウィルダー(ベルギー)02:2146.673km/h
8位ジョゼフ・レイヴリック(イギリス)02:2146.662km/h
9位ヤコブ・ヒンズゴールマッドセン(デンマーク)02:2646.560km/h
10位マイケル・ガリソン(アメリカ)02:3246.420km/h
58位日野泰静(松山城南高校)06:0542.247km/h
61位馬越裕之(榛生昇陽高校)06:2941.810km/h
text&photo:Kei Tsuji in Innsbruck, Austria