ジャカルタで開催中のアジア大会10日目、8月27日より始まった自転車のトラック競技。2日目までが終了し、日本勢は男子チームスプリントと男女のチームパシュートにおいてそれぞれ銅メダルを獲得している。以下、JCFのレポートより紹介しよう。



トラック1日目 チームスプリント種目で男子3位、女子4位

男子チームスプリント 大会レコードを更新する走りで2大会連続の銅メダル獲得男子チームスプリント 大会レコードを更新する走りで2大会連続の銅メダル獲得 (c)2018 JCF
8月27日、ジャカルタ市内に新設されたジャカルタ・インターナショナル・ベロドローム(木製・250メートル)でアジア競技大会の自転車トラック競技が開幕した。31日まで5日間の日程で、男女それぞれ7種目が開催される。

初日は午後からチームスプリント予選・決勝とチームパシュート予選が行われた。男子チームスプリントは、雨谷一樹(日本競輪選手会栃木支部)、新田祐大(日本競輪選手会福島支部)、深谷知広(日本競輪選手会愛知支部)が出走。予選ではスタートでミスがあり再スタートとなった。それが影響して序盤はタイムが伸びなかったものの、2走目の新田、3走目の深谷が自己ベストを更新する素晴らしい走りをみせ、44秒489のタイムで予選を4位通過。韓国との3-4位決定戦へと進んだ。

男子チームスプリント 銅メダルを獲得した雨谷・新田・深谷男子チームスプリント 銅メダルを獲得した雨谷・新田・深谷 (c)2018 JCF
3-4位決定戦では、すべてが噛み合い日本チームの実力を発揮。予選でマレーシアが出した大会レコードの43秒934を上回る、43秒899をマークし、大会レコードを更新するとともに、韓国を下して銅メダルを獲得した。男子チームスプリントは、2014年の仁川・アジア大会から二大会連続の銅メダル獲得。

前田佳代乃(京都府自転車競技連盟)と太田りゆ(日本競輪選手会埼玉支部)が出走した女子チームスプリントは、予選を男子と同じく4位通過。韓国との対戦となった3-4位決定戦では予選よりもタイムを削り、33秒911秒でゴールしたものの0.435秒差で韓国に破れ、最終成績は4位となった。

新田祐大コメント
「予選で自分と深谷が自己ベストを出すことができた。ミスがあったものの3−4位決定戦に出ることができたので、タイムを出すことを目標に走り、全体で一番良いタイムを出すことができた。直前の落車で治療や調整をしながら大会を迎えたが、万全の状態にしてもらい、それが高いモチベーションにもつながった。昨日から身体は良い状態になり、今日も走るのが楽しみで、思った以上の成績が出た。とても良い大会になった。」

深谷知広コメント
「予選は残念だった。チームワークのバランスが崩れてしまったことが原因。しかし、決定戦ではしっかりと力を出すことができた。予選と決定戦でタイムが落ちてしまっているので、2本目にタイムを上げていくことを今後の課題にしたい。」



トラック2日目 チームパシュート種目で男女ともに銅メダル獲得

3位決定戦は追い抜きで香港チームに勝利した女子チームパシュート3位決定戦は追い抜きで香港チームに勝利した女子チームパシュート (c)2018 JCF
翌8月28日、トラック競技2日目は女子ケイリンの一回戦から始まった。女子ケイリンには、太田りゆと前田佳代乃が出場。一回戦(上位2選手が二回戦に進出)は太田が第2ヒートで4位、前田が第3ヒートで6位となり、ともに敗者復活戦(上位3選手が二回戦に進出)に挑むこととなった。

太田は敗者復活戦第1ヒートで先行して1位通過したが、前田は第2ヒート4位で予選敗退となった。午後に開催された二回戦で太田は第1ヒート4位。7-12位決定戦へ進み、再び先行で勝利をめざしたが、ゴールライン直前でインドネシアの選手に追いつかれ、2着でゴール。最終成績は8位だった。

予選でのミスを挽回する快走で3位入賞を果たした男子チームパシュート予選でのミスを挽回する快走で3位入賞を果たした男子チームパシュート (c)2018 JCF
チームパシュートの一回戦では、昨日の予選から男女ともに1選手ずつメンバーを入れ替え、女子は橋本優弥(鹿屋体育大学)、吉川美穂(ライブガーデンビチステンレ)、梶原悠未(筑波大学)、鈴木奈央(日本競輪選手会静岡支部)が出走。一回戦で中国に破れたものの4分33秒370の走行タイムにより、香港との3位決定戦に進出。3位決定戦では鈴木に代わり、予選を走った中村妃智(日本写真判定株式会社)が出走。香港に追いつく大差で勝利し、銅メダルを獲得した。

男子チームパシュートは、今村駿介(中央大学)、一丸尚伍、近谷涼、橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)のメンバーでUAEとの一回戦に臨み、途中UAEを追い抜き、4分04秒222の走行タイムで勝利。この成績は一回戦における全体のベストタイム。そしてカザフスタンとの3位決定戦では、日本がカザフスタンに追いつき勝利した。予選でのタイムロスが悔やまれるが、二日目に挽回して銅メダル獲得となった。

男女ともに銅メダルを獲得したチームパシュート種目男女ともに銅メダルを獲得したチームパシュート種目 (c)2018 JCF
橋本英也コメント(男子チームパシュート)
「最低限の結果を出すことができた。今日は有酸素運動に強い自分がメンバーに入り、確実に銅メダルを狙える作戦で走った。調子はいいのでディフェンディングチャンピオンとして出走するオムニアムでは優勝を狙いたい。優勝する自信はある。」

梶原悠未コメント(女子チームパシュート)
「金メダルを狙っていたため、銅メダルになってしまったことに悔しさは残っている。予選では隊列が乱れ、反省点が残る走りだった。一回戦で対戦した中国とは、予選のタイムを見ても戦える自信はあった。中国に勝って決勝に進みたかったが、後半にペースが落ちてしまい2秒ほど及ばず、3位決定戦に回ることになった。

3位決定戦では、メダルを確実に獲得することを目標に走った。今回は全員の脚が揃っていない状態だったが、それでもチームとしてメダルを取れるということを証明できたことはよかったと思う。明日のオムニアムでは絶対に金メダルを取りたい。」
男子チームスプリント結果
1位 中国 44.160
2位 マレーシア 44.598
3位 日本(雨谷一樹・新田祐大・深谷知広) 43.899
女子チームスプリント結果
1位 中国 33.118
2位 香港 35.024
3位 韓国 33.476
4位 日本(前田佳代乃・太田りゆ) 33.911
男子チームパシュート結果
1位 中国 4:03.790
2位 香港 4:10.368
3位 日本(今村駿介、一丸尚伍、近谷涼、橋本英也 ※予選のみ沢田桂太郎) 追い抜き勝ち
女子チームパシュート結果
1位 韓国 4:23.652(追い抜き勝ち)
2位 中国
3位 日本(橋本優弥、吉川美穂、梶原悠未、中村妃智 ※1回戦のみ鈴木奈央) 追い抜き勝ち
女子ケイリン結果
1位 リー・ウェイスィー(香港)
2位 リー・ヘジン(韓国)
3位 チョン・ティエンシ(中国)
8位 太田りゆ(日本)
13位 前田佳代乃(日本)

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