3月3日、イタリア北東部で行なわれたジロ・デル・フリウリ(UCI1.1)で、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)がシーズンイン。途中リタイアに終わったが、膝の炎症から順調な回復を見せた。レースはロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)がGPルガーノに続く連勝を飾った。

グアルニエーリを下して優勝したロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)グアルニエーリを下して優勝したロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック) photo:www.girodelfriuliprofessionisti.it/今年で開催32回目を迎えるジロ・デル・フリウリは、イタリア北東部のフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州を舞台にした190kmのワンディレース。後半に標高差150mのカテゴリー山岳を含む周回コースを6周する。

イヴァン・バッソ(イタリア)とフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)のリクイガスコンビが顔を揃えた他、膝の炎症によって開幕を1ヶ月遅らせていたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)がここでデビュー。日本からはチームNIPPOの中島康晴、佐野淳哉、井上和郎が出場した。

表彰式、2位グアルニエーリ(リクイガス)、優勝フェラーリ(デローザ・スタックプラスチック)、3位ロッシ(チェラミカ・フラミニア)表彰式、2位グアルニエーリ(リクイガス)、優勝フェラーリ(デローザ・スタックプラスチック)、3位ロッシ(チェラミカ・フラミニア) photo:www.girodelfriuliprofessionisti.it/レーススタート前には、先月亡くなったフランコ・バッレリーニ元イタリア代表監督に捧げる1分間の黙祷が行なわれた。レースは前半から24名の大きな逃げグループが形成され、大集団が1分遅れでこれを追う展開。しかしメジャーチームの選手が逃げに乗っていなかったため、タイム差が大きく広がることは無かった。

レース後半のカテゴリー山岳でも決定的なアタックは生まれず、最後はリクイガスやランプレ主導のゴールスプリント勝負へ。ディフェンディングチャンピオンのミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)は連覇を狙ったが、ラスト400mで発生した落車に巻き込まれてしまう。

落車を免れ、先頭でバトルを繰り広げたのはフェラーリやジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)。写真判定に持ち込まれるほどの接戦を、フェラーリが制した。

フェラーリはつい先日のGPルガーノでも優勝を飾っており、出場レース2連勝。フェラーリはその好調さをティレーノ〜アドリアティコやミラノ〜サンレモでも発揮したいところだが、所属するデローザ・スタックプラスチックは2レースの出場権を逃している。

バッソは59位、ペッリツォッティは62位でフィニッシュ。注目のAシュレクは途中リタイアに終わったが、本格的なシーズンインに向けて好感触を掴んだ様子。自身のTwitterでAシュレクは「160km地点でリタイアするまで、チームに貢献する走りが出来て満足。膝は終盤に少し痛みを感じたけどいい調子だ」とコメントている。

日本勢は佐野淳哉が1分遅れの86位、井上和郎が1分35秒遅れの113位で完走。チームNIPPOの次戦は、3月7日にフランスで行なわれるGPリレ(UCI1.2)の予定だ。

ジロ・デル・フリウリ2010結果
1位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック) 4h38'09"
2位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)
3位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
4位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
5位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
6位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
7位 ティツィアーノ・ダラントニア(イタリア、リクイガス)
8位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)
9位 マルコ・クンプ(スロベニア、アドリア・モビル)
10位 ユーレ・コチャン(スロベニア、カルミオオーロ・NGC)
86位 佐野淳哉(日本、チームNIPPO)                  +1'00"
113位 井上和郎(日本、チームNIPPO)                 +1'35"

text:Kei Tsuji
photo:www.girodelfriuliprofessionisti.it/