各種ヘッドセットなどを中心に意欲的なパーツ類を多数揃えるケーンクリークより、ユーロバイクでも発表された2019モデルの新作がラインアップに追加。チタン製のMTBクランク「ee WINGS」や、軽量ロードブレーキの定番「ee BRAKE G4」をはじめとするユニークな製品たちを紹介しよう。



ケーンクリーク ee WINGS

ケーンクリーク ee WINGSケーンクリーク ee WINGS (c)ダイアテック
現在では主流となったスレッドレスヘッドセットを開発したことで知られるケーンクリーク。アメリカ、ノースカロライナに本拠地を置くサイクリングパーツブランドで、ヘッドパーツを中心にMTBのサスペンションやブレーキセットなども手がける。意欲的な製品を多数揃えるケーンクリークだが、2019モデルの新作として発表したのがチタン製のMTBクランク「ee WINGS」である。

現在、自転車のフレームやパーツには主に鉄やアルミ、カーボン、そしてチタンが素材として使用されており、これらはコストや重量、剛性などの観点から取捨選択されている。中でもチタンはカーボンに匹敵する軽量性と高い剛性、錆に強い耐腐食性などのメリットを持つ素材だ。

スピンドルもチタンで製作され、中央にはee WINGSの文字が入るスピンドルもチタンで製作され、中央にはee WINGSの文字が入る (c)ダイアテック
カーボンクランクに比べ耐久性が高く、20%から30%ほどの剛性向上が見込めるカーボンクランクに比べ耐久性が高く、20%から30%ほどの剛性向上が見込める (c)ダイアテック溶接跡も精巧かつ美しい仕上がりとなっている溶接跡も精巧かつ美しい仕上がりとなっている (c)ダイアテック


そんなチタンを素材に使用したee WINGSは、400g(チェーンリング無し)という非常に軽い重量に仕上がっているのが特徴のアイテム。その上、同じ重量のカーボンクランクに比べて20~30%ほど剛性が高く、優れた強度を獲得している。トレイルライドやエンデューロレースなどMTBのハードな使用にも十分に耐える軽量パーツとして使っていけるだろう。

チェーンリングはスラムのX-SYNC ダイレクトマウント規格に対応するチェーンリングが装着可能となっている。スピンドルは30mm径のみとなっており、BSA73mm、PF92、PF89.5、BB30、PF30、392EVOの各種に取り付けが可能だ。また耐久性の高いチタン製ということで保証が10年間付いているのも大きなポイント。長く使えるパーツとなっている。価格は118,000円(税抜)だ。


ケーンクリーク ee WINGS
重量:400g
クランク長:170mm、175mm
素材:チタン
アクスル:30mm
対応BB:BSA73mm、PF92、PF89.5、BB30、PF30、392EVO
対応チェーンリング:スラム X-SYNC Direct Mount
保証:10年
価格:118,000円(税抜)



ケーンクリーク ee BRAKE G4

ケーンクリーク ee BRAKE G4(ダイレクトマウント)ケーンクリーク ee BRAKE G4(ダイレクトマウント) photo:Gakuto.Fujiwara
ロードバイクの楽しみ方の中でもバイクの軽量化は奥が深い。フレームはもちろんのこと、パーツ一つ一つに対してグラム単位の軽量化を追求するところに面白みを感じる人も少なくないはず。そんな時にリムブレーキキャリパーの候補として常に選択肢に上がるのが、ケーンクリークのee BRAKEではないだろうか。

超軽量に仕上げつつも、アーム剛性を確保し高い制動力を誇るee BRAKE。今年4代目となる「ee BRAKE G4」へモデルチェンジし最大28mmまでのワイドリムに対応した。レギュラーマウントのみならずダイレクトマウントもラインアップし、なおかつフロントフォーク/シートステー用、チェーンステー用に加え、昨今はやりのシートステーの交点が下げられたコンパクトなリアトライアングのバイクに対応する、シートステー・ショートレバー用の計4タイプが用意される。

レーザーエッチングにより直接刻印されたロゴバッジレーザーエッチングにより直接刻印されたロゴバッジ (c)ダイアテック
主な素材にCNC鍛造ハイグレードアルミニウムとチタニウム、ステンレススチールという3つのマテリアルを使用し、コンピューター解析と実走テストにより重量と剛性のバランスを最適化。ワイドリムに対応したデザインとなり、センタリング調整ノブが掴みやすい形状に変更されている。またスプリングもより剛性の高いタイプに変更されているという。

ロゴバッジはアルミ製のレーザーエッチングにより直接刻印。ブレーキシューとケーブルクランプボルトがT-25トルクスボルトに変更されているのも小さな変更点だ。そして気になる重量はレギュラーマウントフロントが85.3g、リアが83.7g。ダイレクトマウントフロントが78.9g、リアが78.2gだ。いずれもブレーキパッド無しの重量となる。価格は前後それぞれ38,000円(税抜)。

ケーンクリーク ee BRAKE G4(レギュラーマウント)ケーンクリーク ee BRAKE G4(レギュラーマウント) (c)ダイアテック
ケーンクリーク ee BRAKE G4
素材:CNC鍛造ハイグレードアルミニウム、チタニウム、ステンレススチール
対応リム幅:19mm~28mm
調整箇所:工具不要のキャリパーセンタリング調整、ホイール取外し用クイックリリース
対応ブレーキレバー:シマノ、カンパニョーロ、SRAM(ブレーキパッド別売)
重量:ダイレクトマウント78.9g(フロント)/78.2g(リア)
   レギュラーマウント85.3g(フロント)/83.7g(リア)
   ※いずれもブレーキパッド無し
価格:38,000円(税抜、前後別売)



ケーンクリーク ee NUT & SLAMSET

ケーンクリーク ee NUTケーンクリーク ee NUT (c)ダイアテック
バイクの軽量化というのはチェック項目を一つずつ潰していき、こだわり抜くことが重要なポイントの一つ。そのため一見変化が分かりづらいトップキャップとスターナットに対しても、1gでも軽量化が見込めるならば、パーツ交換していくのが軽量バイクマニアとしての正しい生き方だろう。そんな軽量バイクフリークに対しての一つの選択肢がee NUTだ。

このee NUTはトップキャップとスターナットの合計重量9.6gという軽さが特徴のアイテム。一般的なパーツから比べると実に30gほどの軽量化が見込める一品である。そして特筆すべきはその信頼性。一般的にヘッド部分は耐久性や剛性などを含めた安全への観点から、過度な軽量化が嫌われる部分であるが、その問題に対し、トップキャップとスターナット共に独自の凹型形状を取ることでより大きな張力剛性を実現。優れた固定力を発揮するという。

ケーンクリーク SLAMSETケーンクリーク SLAMSET (c)ダイアテック
また、その剛性の高さから他の軽量トップキャップで問題となる調整のしにくさも解決されており、普通のヘッドパーツと同様の扱いが出来る。素材は7075-T6アルミニウム。直径22.8mmから25mmのコラム(1-1/8サイズ)に対応しており、価格は6,600円(税抜)。

またヘッドセットパーツからは、ハンドルバーをより低くすることが出来るトップキャップ、ダストカバー、ベアリングのセットが登場。ゼロスタックタイプのSLAM SET ZS44 EC44-40はダストカバーが2mmという薄さ。インテグラルタイプのSLAM SET TOP IS41とIS42(カンパニョーロ規格)もダストカバーが4.6mmといずれもかなり低い位置までステムを下げることが可能となっている。

ケーンクリーク ee NUT
素材:7075-T6アルミニウム
重量:9.6g
価格:6,600円(税抜)

ケーンクリーク SLAMSET
対応タイプ:ゼロスタック、インテグラル、インテグラル カンパニョーロ
価格:ZS44-EC44 16,000円(税抜、ボトムベアリング入りセット)
   ZS44 TOP 10,000円(税抜、トップのみ)
   IS41 TOP・IS42 TOP 6,000円(税抜、トップのみ)



ケーンクリーク DROPT

ケーンクリーク DROPTケーンクリーク DROPT (c)ダイアテック
登り下りを含むトレイルライドを楽しむためのオールマウンテンMTBを中心に普及したドロッパーシートポスト。下りではシートを下げ、登りではシートを上げるといった走行シーンに応じたサドル高に瞬時に変更することで走りの幅を広げてくれるアイテムである。

そんなドロッパーポストのリモートレバーとしてリリースされたのが「DROPT」である。マウント位置、レバー位置、レバー移動量などを自分好みに調節する事ができ、よりドロッパーポストを快適に使用することが可能となる。全てのワイヤー作動ドロッパーポストに使用可能な他、スラムのレバーマウントシステムMATCH MAKERとも互換性を持つ。価格は8,000円(税抜)。

ドロッパーシートポストの操作性を向上するレバーだドロッパーシートポストの操作性を向上するレバーだ (c)ダイアテック
ケーンクリーク DROPT
価格:8,000円(税抜)


最新ニュース(全ジャンル)