2010/03/01(月) - 15:00
2月28日、第25回クラシカ・デ・アルメリア（UCI1.1）がスペイン南部・アンダルシア州を舞台に開催され、マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）とのゴールスプリント勝負を制したテオ・ボス（オランダ、サーヴェロ・テストチーム）が今シーズン初勝利を飾った。
2級と3級のカテゴリー山岳が3つ設定された178kmのコース photo:www.clasicadealmeria.comクラシカ・デ・アルメリアは、その名の通り地中海に面したアルメリアを中心としたワンディレース。2級と3級合わせて3つのカテゴリー山岳を含む178kmのコースで行なわれた。
レースは20km地点でミハル・ゴラス（ポーランド、ヴァカンソレイユ）ら4名が逃げ、最大7分のリードを奪う。しかしレース終盤のカテゴリー山岳で、ペースの上がったメイン集団に吸収されてしまう。
カヴェンディッシュをスプリントで打ち破ったテオ・ボス（オランダ、サーヴェロ・テストチーム） photo:www.clasicadealmeria.com連続して登場したカテゴリー山岳でスプリンター勢は苦戦したが、ゴールまでの下りと平地でメイン集団に復帰。最後は40名ほどの集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。
2%ほどの上り基調のゴール前で飛び出したのは、サーヴェロジャージを着るボスだ。完全に主導権を握るチームが現れないまま、ラスト300mで早めに仕掛けたボスが、カヴェンディッシュらの追撃を振り切ってゴールに飛び込んだ。
2010年シーズン初勝利を飾ったテオ・ボス（オランダ、サーヴェロ・テストチーム） photo:www.clasicadealmeria.comテオ・ボスはジュニア時代からトラック競技で数々の栄光を手にして来たトラックスター。トラック世界選手権ではスプリントで3度世界チャンピオンに。1kmタイムトライアルとケイリンでも世界の頂点に輝いている。
2004年のアテネ五輪ではスプリントで銀メダルを獲得。日本の国際競輪にも2003年、2005年、2006年、2007年に出場し、輝かしい成績を収めている。
表彰台トップスリー、左から2位カヴェンディッシュ（チームHTC・コロンビア）、ボス（サーヴェロ・テストチーム）、3位ブラウン（ラボバンク） photo:www.clasicadealmeria.comボスは2009年にラボバンク・コンチネンタルチーム入りし、本格的にロード選手に転向。今年サーヴェロ・テストチームに移籍し、ツアー・オブ・カタールではハインリッヒ・ハウッスラー（ドイツ）の発射台役を務めた。
スプリント勝負では力を発揮するボスだが、まだまだ山岳の上りが鬼門とされる。この日も「ハードなコースだった。レース前半はカヴェンディッシュと同じ第2集団にいたし、下りで集団が割れた時も、後方に取り残された。でもクエスタやダイグナン、ウィスのおかげでメイン集団に復帰して、ゴールスプリントに備えたんだ」と、上りで苦戦したことを打ち明ける。
カタールではエーススプリンターのハウッスラーを振り切ってしまうなど、まだまだロードレースでのレース勘が掴めていない様子だが、そのスプリント力は本物だ。
今シーズン1勝目を飾ったボスは「ゴール前は積極的に前を牽くチームがいなくて、少し変わったシチュエーションだった。後ろに下がってしまっていたけど、誰も仕掛けないので、ラスト300mの時点で好位置までジャンプアップした。ゴールが近づいても誰も動かず、自ら仕掛けることにしたんだ。カヴェンディッシュは少し待ちすぎたと思う」と、勝因を分析する。トラック競技で磨いたそのスプリント力で、今後もスプリント界を賑わすだろう。
レース展開、選手コメントはサーヴェロ公式サイトより。
クラシカ・デ・アルメリア2010結果
1位 テオ・ボス（オランダ、サーヴェロ・テストチーム） 4h22'53"
2位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
3位 グレーム・ブラウン（オーストラリア、ラボバンク）
4位 ルイスレオン・サンチェス（スペイン、ケースデパーニュ）
5位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、サーヴェロ・テストチーム）
6位 ミハル・ゴラス（ポーランド、ヴァカンソレイユ）
7位 ホルヘ・モンテネグロ（アルゼンチン、アンダルシア・カハスール）
8位 ダニエル・モレーノ（スペイン、オメガファーマ・ロット）
9位 ルーベン・ペレス（スペイン、エウスカルテル）
10位 ヤン・バケランツ（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
text:Kei Tsuji
photo:www.clasicadealmeria.com
2級と3級のカテゴリー山岳が3つ設定された178kmのコース photo:www.clasicadealmeria.comクラシカ・デ・アルメリアは、その名の通り地中海に面したアルメリアを中心としたワンディレース。2級と3級合わせて3つのカテゴリー山岳を含む178kmのコースで行なわれた。レースは20km地点でミハル・ゴラス（ポーランド、ヴァカンソレイユ）ら4名が逃げ、最大7分のリードを奪う。しかしレース終盤のカテゴリー山岳で、ペースの上がったメイン集団に吸収されてしまう。
カヴェンディッシュをスプリントで打ち破ったテオ・ボス（オランダ、サーヴェロ・テストチーム） photo:www.clasicadealmeria.com連続して登場したカテゴリー山岳でスプリンター勢は苦戦したが、ゴールまでの下りと平地でメイン集団に復帰。最後は40名ほどの集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。2%ほどの上り基調のゴール前で飛び出したのは、サーヴェロジャージを着るボスだ。完全に主導権を握るチームが現れないまま、ラスト300mで早めに仕掛けたボスが、カヴェンディッシュらの追撃を振り切ってゴールに飛び込んだ。
2010年シーズン初勝利を飾ったテオ・ボス（オランダ、サーヴェロ・テストチーム） photo:www.clasicadealmeria.comテオ・ボスはジュニア時代からトラック競技で数々の栄光を手にして来たトラックスター。トラック世界選手権ではスプリントで3度世界チャンピオンに。1kmタイムトライアルとケイリンでも世界の頂点に輝いている。2004年のアテネ五輪ではスプリントで銀メダルを獲得。日本の国際競輪にも2003年、2005年、2006年、2007年に出場し、輝かしい成績を収めている。
表彰台トップスリー、左から2位カヴェンディッシュ（チームHTC・コロンビア）、ボス（サーヴェロ・テストチーム）、3位ブラウン（ラボバンク） photo:www.clasicadealmeria.comボスは2009年にラボバンク・コンチネンタルチーム入りし、本格的にロード選手に転向。今年サーヴェロ・テストチームに移籍し、ツアー・オブ・カタールではハインリッヒ・ハウッスラー（ドイツ）の発射台役を務めた。スプリント勝負では力を発揮するボスだが、まだまだ山岳の上りが鬼門とされる。この日も「ハードなコースだった。レース前半はカヴェンディッシュと同じ第2集団にいたし、下りで集団が割れた時も、後方に取り残された。でもクエスタやダイグナン、ウィスのおかげでメイン集団に復帰して、ゴールスプリントに備えたんだ」と、上りで苦戦したことを打ち明ける。
カタールではエーススプリンターのハウッスラーを振り切ってしまうなど、まだまだロードレースでのレース勘が掴めていない様子だが、そのスプリント力は本物だ。
今シーズン1勝目を飾ったボスは「ゴール前は積極的に前を牽くチームがいなくて、少し変わったシチュエーションだった。後ろに下がってしまっていたけど、誰も仕掛けないので、ラスト300mの時点で好位置までジャンプアップした。ゴールが近づいても誰も動かず、自ら仕掛けることにしたんだ。カヴェンディッシュは少し待ちすぎたと思う」と、勝因を分析する。トラック競技で磨いたそのスプリント力で、今後もスプリント界を賑わすだろう。
レース展開、選手コメントはサーヴェロ公式サイトより。
クラシカ・デ・アルメリア2010結果
1位 テオ・ボス（オランダ、サーヴェロ・テストチーム） 4h22'53"
2位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
3位 グレーム・ブラウン（オーストラリア、ラボバンク）
4位 ルイスレオン・サンチェス（スペイン、ケースデパーニュ）
5位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、サーヴェロ・テストチーム）
6位 ミハル・ゴラス（ポーランド、ヴァカンソレイユ）
7位 ホルヘ・モンテネグロ（アルゼンチン、アンダルシア・カハスール）
8位 ダニエル・モレーノ（スペイン、オメガファーマ・ロット）
9位 ルーベン・ペレス（スペイン、エウスカルテル）
10位 ヤン・バケランツ（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
text:Kei Tsuji
photo:www.clasicadealmeria.com
