ヴォルタ・アン・アルガルヴェ最終日前日の第4ステージは、序盤から6名のアタックが決まり、レース終盤に逃げグループから飛び出したセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)が独走勝利。レディオシャックが念願のチーム結成後初勝利を飾った。

ポルトガル南部の山岳地帯を進むポルトガル南部の山岳地帯を進む photo:Cor Vos第4ステージは中盤に2つの3級山岳が設定された169kmのアップダウンコース。終盤にかけて大きな上りが設定されておらず、前日の頂上ゴールと翌日の最終個人タイムトライアルに挟まれた箸休め的なステージだ。

レース序盤の20km地点で逃げを形成したのは、ロセレル、ミカエル・ドラージュ(フランス、オメガファーマ・ロット)、イマノル・エルビーティ(スペイン、ケースデパーニュ)、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)、イーリョ・ケイセ(ベルギー、クイックステップ)、プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)の6名。

マルティネスやドラージュらとともに逃げグループに入ったセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)マルティネスやドラージュらとともに逃げグループに入ったセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック) photo:Cor Vos逃げの中で総合最高位は、5分11秒遅れのエルビーティ。メイン集団はリーダージャージ擁するアスタナがコントロールを担い、逃げグループとのタイム差を5分10秒以下に抑え込んだ。

やがてレース後半に入ると、逃げグループからロセレルが単独アタックを成功させ、ゴールまでの28kmを独走態勢に入る。追走グループからは、トラック競技の6日間レース優勝の常連ケイセが脱落。メイン集団のペースは上がらなかった。

集団前方で走るリーダージャージのアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)やリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)集団前方で走るリーダージャージのアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)やリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) photo:Cor Vos結局ロセレルはドラージュやエルビーティ、ファンヘッケらを振り切ってゴールへ。後続を20秒引き離し、独走勝利を飾った。ロセレルは、2010年結成されたばかりのレディオシャックに、念願のチーム初勝利をもたらした。

プロ通算7勝目を飾った28歳のロセレルは「驚きの勝利だ!昨日は疲労困憊だったけど、今日起きた時点でモチヴェーションが上がっていた」と振り返る。

独走での逃げ切り勝利を飾ったセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)独走での逃げ切り勝利を飾ったセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック) photo:Cor Vos「本来の役目はチームメイトのマシャドとライプハイマーを風から守ること。でもチャンスがあったから飛び出して逃げに入ったんだ。集団スプリントが予想されたけど、ステーグマンがすでにレースを去っていたから、何か違うカタチで勝負に挑む必要があった。この勝利は、昨日落車リタイアしたステーグマンに捧げたい」。

総合上位の選手たちは3分遅れの集団内でゴール。総合順位に大きな変動は見られなかった。アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)はリーダージャージを着て最終個人TTに挑むことに。個人TTは高低差100m弱、全長17.2kmのコースで行なわれる。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはレディオシャック公式サイトより。


ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2010第4ステージ結果
1位 セバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)         4h12'46"
2位 ミカエル・ドラージュ(フランス、オメガファーマ・ロット)           +20"
3位 イマノル・エルビーティ(スペイン、ケースデパーニュ)
4位 プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
5位 エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)              +24"
6位 イーリョ・ケイセ(ベルギー、クイックステップ)           +2'50"
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)          +3'00"
8位 ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)
9位 サムエル・カルデイラ(ポルトガル、パルメイラスリゾート)
10位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)            19h36'03"
2位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)            +15"
3位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)         +28"
4位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)             +35"
5位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
6位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ)              +40"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)          +43"
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
9位 マシュー・ロイド(オーストラリア、オメガファーマ・ロット)
10位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)

山岳賞
ジェローム・バウニーズ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos