4日間で争われたバスクレース最終日に、単独で逃げ続けたアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が逆転総合優勝。総合力を見せつけたミッチェルトン・スコットは総合ワンツー勝利を飾った。
特別賞ジャージが最前列に並んだエマクメーン・ビラ最終ステージ (c)CorVos
スペイン北部のバスク地方で4日間続いたUCIウィメンズワールドツアーレース、エマクメーン・ビラも最終日。昨年吉川美穂が所属していたチームの本拠地、デュランゴ周辺の山々を走る厳しいクイーンステージで総合成績が動いた。
序盤の平坦区間ではアタックが掛かるもののいずれも長続きせず、長めに逃げた地元選手2人も山岳に入ると吸収。登坂距離5.6km、平均勾配9.2%という険しい1級山岳ウキオラ峠に入ると、30名程度まで絞り込まれたメイン集団から総合10位のアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がアタックした。
スプラットを追走するアシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ)ら (c)CorVos
サントス・ウィメンズツアー総合優勝、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2位と好調を維持しているスプラットはすぐさま独走態勢を築き、集団との差を3分にまで広げてバーチャルリーダーに立つ。総合リーダーでスプラットのチームメイトであるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)らが入った集団は上手く追走態勢に持ち込めず、エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)とオルガ・ザベリンスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラー)がしびれを切らして抜け出した。
しかし「ステージだけを考えていたけれど、総合成績ジャンプアップ可能と分かってからは全力で踏み続けた」というスプラットはリード減少を最低限に抑える走りを続け、結局ロンゴボルギーニグループを1分16秒、総合上位陣が軒並み入った小集団を2分12秒引き離してフィニッシュ。ファンフルーテンと共に総合ワンツーとなる逆転総合優勝を成し遂げ、サイモン・イェーツ(イギリス)の活躍で波に乗るミッチェルトン・スコットにまた新たな勝ち星をもたらすこととなった。
独走でフィニッシュするアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)の追走は1分16秒届かず (c)CorVos
チーム力を見せつけたミッチェルトン・スコット (c)CorVos
アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)ら総合トップスリーが並ぶ (c)CorVos
「まずはチャンスを与えてくれたアネミエクに感謝したい。もともと彼女と私、そしてもう一人で総合を狙うプランだったけれど、上手く逃げ続けられたので自分にチャンスを与えてもらった。私があまり総合マークされていなかったのも逃げるための良いきっかけだった」と、スプラットは総合力を見せつけたチームへの感謝をコメントしている。総合3位に食い込んだアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)はウィメンズワールドツアーランキングの首位をキープしている。
また、與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)と萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)は共に14分遅れのグルペットでフィニッシュし、4日間のワールドツアーレースを無事に終えている。以下は体調不良の1日を過ごした與那嶺によるレポート。
「ここ一年で一番つまらないグルペットでした。最終日。昨日と同じく身体が全く動かない一日。最終日にふさわしく登りも下りも厳しいコース設定。何とかしてエリサのフォローをしたかったのですが。
スタート後、前方で展開しながら30kmを過ぎ、非常に細い道を登りながら斜度がきつくなる部分。前方で上りに入ったのですが、身体がとても重い。一気にきつくなり、抜かれながら粘ったのですが、50km過ぎからもうグルペット集団で「はぁ、今日もダメだ。私は何をしに、ここに来てるんだろう」
集団内で登る與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) (c)CorVos
エースのエリサは最終日に攻撃をしまくり、先頭集団から逃げ切り2位を獲得!今日もフォローが何も出来ず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
私はとにかく無事これ名馬。快晴のなか、何も出来ないレースが終わりました。今回は色々のストレスレベルがあまりに高く、レースに集中できる環境ではありませんでした。同じ失敗を繰り返さないためにも、しっかりと対策をして次につなげます。
止まることは出来ないので、少しの休養をした後乗り込みをして、インスブルックで世界選手権対策の合宿をして日本へ帰国します。次のレースは、日本の皆さんお待たせしました!全日本選手権です!本当に久しぶりに日本へ帰国します!」

スペイン北部のバスク地方で4日間続いたUCIウィメンズワールドツアーレース、エマクメーン・ビラも最終日。昨年吉川美穂が所属していたチームの本拠地、デュランゴ周辺の山々を走る厳しいクイーンステージで総合成績が動いた。
序盤の平坦区間ではアタックが掛かるもののいずれも長続きせず、長めに逃げた地元選手2人も山岳に入ると吸収。登坂距離5.6km、平均勾配9.2%という険しい1級山岳ウキオラ峠に入ると、30名程度まで絞り込まれたメイン集団から総合10位のアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がアタックした。

サントス・ウィメンズツアー総合優勝、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2位と好調を維持しているスプラットはすぐさま独走態勢を築き、集団との差を3分にまで広げてバーチャルリーダーに立つ。総合リーダーでスプラットのチームメイトであるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)らが入った集団は上手く追走態勢に持ち込めず、エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ)とオルガ・ザベリンスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラー)がしびれを切らして抜け出した。
しかし「ステージだけを考えていたけれど、総合成績ジャンプアップ可能と分かってからは全力で踏み続けた」というスプラットはリード減少を最低限に抑える走りを続け、結局ロンゴボルギーニグループを1分16秒、総合上位陣が軒並み入った小集団を2分12秒引き離してフィニッシュ。ファンフルーテンと共に総合ワンツーとなる逆転総合優勝を成し遂げ、サイモン・イェーツ(イギリス)の活躍で波に乗るミッチェルトン・スコットにまた新たな勝ち星をもたらすこととなった。




「まずはチャンスを与えてくれたアネミエクに感謝したい。もともと彼女と私、そしてもう一人で総合を狙うプランだったけれど、上手く逃げ続けられたので自分にチャンスを与えてもらった。私があまり総合マークされていなかったのも逃げるための良いきっかけだった」と、スプラットは総合力を見せつけたチームへの感謝をコメントしている。総合3位に食い込んだアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス)はウィメンズワールドツアーランキングの首位をキープしている。
また、與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ)と萩原麻由子(アレ・チポッリーニ)は共に14分遅れのグルペットでフィニッシュし、4日間のワールドツアーレースを無事に終えている。以下は体調不良の1日を過ごした與那嶺によるレポート。
「ここ一年で一番つまらないグルペットでした。最終日。昨日と同じく身体が全く動かない一日。最終日にふさわしく登りも下りも厳しいコース設定。何とかしてエリサのフォローをしたかったのですが。
スタート後、前方で展開しながら30kmを過ぎ、非常に細い道を登りながら斜度がきつくなる部分。前方で上りに入ったのですが、身体がとても重い。一気にきつくなり、抜かれながら粘ったのですが、50km過ぎからもうグルペット集団で「はぁ、今日もダメだ。私は何をしに、ここに来てるんだろう」

エースのエリサは最終日に攻撃をしまくり、先頭集団から逃げ切り2位を獲得!今日もフォローが何も出来ず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
私はとにかく無事これ名馬。快晴のなか、何も出来ないレースが終わりました。今回は色々のストレスレベルがあまりに高く、レースに集中できる環境ではありませんでした。同じ失敗を繰り返さないためにも、しっかりと対策をして次につなげます。
止まることは出来ないので、少しの休養をした後乗り込みをして、インスブルックで世界選手権対策の合宿をして日本へ帰国します。次のレースは、日本の皆さんお待たせしました!全日本選手権です!本当に久しぶりに日本へ帰国します!」
ステージ結果
1位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 3h19’25” |
2位 | エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ) | +1’16” |
3位 | オルガ・ザベリンスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラー) | |
4位 | マルゴルザタ・ヤシンスカ(ポーランド、モビスター) | +2’12” |
5位 | アン・サンテステバン(スペイン、アレ・チポッリーニ) | |
6位 | サブリナ・ストルテンス(オランダ、ワオディールス) | |
7位 | アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) | |
8位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス) | |
9位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | |
10位 | アノウスカ・コスター(オランダ、ワオディールス) | +2’40” |
76位 | 與那嶺恵理(ウィグル・ハイファイブ) | +14’12” |
82位 | 萩原麻由子(アレ・チポッリーニ) |
個人総合成績
1位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 9h50’26” |
2位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | +48” |
3位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス) | +59” |
4位 | ジョルジア・ウィリアムス(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット) | +1’20” |
5位 | エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、ウィグル・ハイファイブ) | +1’27” |
6位 | アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、サーヴェロ・ビグラ) | +1’42” |
7位 | オルガ・ザベリンスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラー) | +1’52” |
8位 | ポーリエナ・ローイヤッケル(オランダ、ワオディールス) | +2’07” |
9位 | クララ・コッペンベルグ(ドイツ、サーヴェロ・ビグラ) | +2’34” |
10位 | マルゴルザタ・ヤシンスカ(ポーランド、モビスター) | +3’13” |
ポイント賞
1位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス) | 48pts |
2位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 44pts |
3位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、ウィグル・ハイファイブ) | 41pts |
山岳賞
1位 | アシャ・パラディン(イタリア、ヴァルカーPBM) | 19pts |
2位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 18pts |
3位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンス) | 15pts |
ヤングライダー賞
1位 | アーフケ・ソエト(オランダ、WNT・ローター) | 9h54’45” |
2位 | マリア・ノヴォロドスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラー) | +18” |
3位 | アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +4’59” |
チーム総合成績
1位 | ミッチェルトン・スコット | 29h33’33” |
2位 | ウィグル・ハイファイブ | +12’20” |
3位 | モビスター | +14’07” |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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