雨のモンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノを終えた選手たちのコメント集。ステージ優勝したリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)や、翌日の山場を見据える総合勢、逃げに乗った選手たちの言葉を紹介します。



独走勝利したリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)

マリアビアンカのリードを広げたリカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)マリアビアンカのリードを広げたリカルド・カラパス(エクアドル、モビスター) photo:LaPresse
グランツールでのステージ初勝利を飾って、とても幸せでエモーショナルだ。とても大きな勝利で、僕が勝ったことをまだ信じられない気分だ。このジロに調子を合せるためにたくさんの努力を重ねてきた。4月のヨーロッパ初優勝(ブエルタ・アストゥリアス)からずっと良い流れの中にいたけれど、それに加えてジロで勝てたなんてすごいことが起きた。

雨が降り出してきたとき、集団内は皆”厳しい勝負になる”と思っていたよ。路面がスリッピーで、特にヘアピンコーナーはバランスを保っているのが難しいほどだった。緊張感ある時間が続いたけれど、アタックで集団が絞り込まれてからは一度状況が落ち着いたんだ。スプリントでは勝ち目がないとわかっていたので早めにスパートを仕掛けようと思っていて、チームカーと無線で話し、チームスカイが淡々とペースを刻む中、アージェードゥーゼルの選手に合わせてアタックした。残り2kmというタイミングはばっちりだったと思う。脚も絶好調だったのでゴールまでこのペースでいけると確信していたよ。

まだローマまで長い道のりで、自分がどこまで走れるのか分からないけど、これから先の成績が気にならないような美しい勝利を手にすることができたよ。これからの成功に繋がる勝利だし、ローマまでチャンスがあればさらに狙っていきたい。 明日も厳しいステージだろうからチームとしてタフな展開に持ち込みたい。この勝利がエクアドルの自転車競技の発展につながればと思う。

ステージ2位のダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)

ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)やダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリントティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)やダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリント (c)CorVos
特に後半の雨で厳しさを増したステージだった。最終盤にチャンスを感じたのでアタックしたよ。もちろん勝てれば更に良かったけれど、厳しい展開で2位になれたので満足している。昨日までに落車でタイムを失っているから次の山岳ステージに向けたモチベーションになる。

マリアローザをキープしたサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

マリアローザを着るサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)マリアローザを着るサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:LaPresse
ヘアピンコーナーが滑りやすく、雨が強く降っていたのでとにかく集団の前で走ることを心がけた。比較的イージーなペースであまりドラマは起こらなかったね。もちろんボーナスタイムを狙いたかったけど、塞がれてスプリントできなかった。すごくスピードの出る登りだったので差を生み出すには向かなかったんだと思う。明日はもっとたくさんの絞り込みが掛かるだろうね。今日も1日良い感覚で走れていた。フルームが落車した時、その音は聞いたけれど彼が転んだとは分からなかった。彼も特に問題ないようだったね。

総合5位、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)

エンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)が並んでフィニッシュエンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)が並んでフィニッシュ (c)CorVos
登りはそこまでキツくなかったので、(逃げた)モホリッチがやってくれるだろうと信じていたよ。最後はとてもスリッピーで危なかったので、残り300mのヘアピンコーナーの前で加速してみた。好調さも感じたので明日にフォーカスしている。天気が回復してくれることを祈るよ。

総合6位のローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)

もっと早く逃げが決まると思っていたけれど、集団が追撃を止めなかったので1時間半もアタック合戦が続いた。決まると思ったら追撃しての繰り返しで、そんなに長くアタックが続くと思っていなかった自分は気持ちが付いていかなかった。それでも最後の登りは調子が良くて、平均で5%しか無いと分かっていたのでメンタル的にもだいぶ楽だった。

落車から復帰したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

チームメイトの働きは素晴らしかった。遅れた時も1kmと掛からず僕を先頭集団に戻してくれた。山頂ゴールの終盤に落車するなんて全く良い気分じゃないけれど、とにかく路面が滑りやすかった。コーナーの白線を越えただけで後輪がスリップしてしまったんだ。最終盤は状況を落ち着けるために集団のコントロールを行った。今は無事に1日を終えられてよかった。明日はもっと厳しいステージになるだろう。

総合トップ10に入ったジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)

総合10位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)総合10位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) (c)CorVos
クーン(ボウマン)は良くやってくれたし、自分自身も生き残ることができたので満足だよ。全員が明日を見据えていたので集団が分裂するほど速いペースにはならなかった。

終盤まで逃げ続けたクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)

2級山岳モンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノを登るクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)2級山岳モンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノを登るクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ) (c)CorVos
調子が良く走れていたけど、勝利まであと僅かだったので悔しい気持ちもある。でもあと12ステージも残っているので、攻め続ける姿勢を貫けばチャンスはまた巡ってくる。イスラエルステージでは思うようにいかなかったけれど、イタリアに戻ってきてだんだんと調子が出てきた。今回のジロでは1〜2回逃げに乗るチャンスを与えられていて、今日は逃げ切るには多分最高の状況だったと思う。

逃げに乗ったトッシュ・ヴァンデルサンド(ベルギー、ロット・フィックスオール)

逃げグループを率いるトッシュ・ヴァンデルサンド(ベルギー、ロット・フィックスオール)逃げグループを率いるトッシュ・ヴァンデルサンド(ベルギー、ロット・フィックスオール) (c)CorVos
今日はウェレンスかアルメ、もしくは僕で逃げに乗る作戦だった。言葉で言うほど簡単なことじゃないけれど、今日はなんとしても逃げたいカチューシャがずっと追撃してきたので差を広げるのは大変だった。70km地点で突然彼らが追走をやめたけれど、ミッチェルトン・スコットは6分しか猶予を与えてくれなかった。僕も逃げグループからアタックしたけれどタイミングが悪く不発。最後の登りは集団から逃げるために全速力でのヒルクライムを強いられた。力を使っていたので最後まで逃げ切れないのは明白だったよ。ただ自分自身の調子は良いのでまたチャンスを狙っていく。

text:So.Isobe