101回目のジロ・デ・イタリア最初の難関山岳を終えた選手たちのコメントを紹介。ワンツー勝利を飾ったエステバン・チャベス(コロンビア)とサイモン・イェーツ(イギリス)や、スピーディーな登坂勝負を展開した総合勢の言葉でシチリア最終日を振り返ります。



ステージ優勝、マリアアッズーラのエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)

マリアアッズーラを獲得したエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)マリアアッズーラを獲得したエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) photo:LaPresse
信じられないようなジロの幕開けになった。厳しいエトナステージで攻めの展開を作り、ジャック(ヘイグ)と共に逃げに乗った。全力でアシストを務めてくれた彼に感謝したい。チームにとってなんてファンタスティックな成功なんだろう。僕がステージ優勝して、イェーツがマリアローザになって、僕はマリアアッズーラまで付いてきた。夢みたいな一日だよ。

ラッキーなことに、レース序盤に1回だけ反応したアタックが決まり、この美しいステージ優勝につながる逃げに乗ることができたんだ。イェーツが追いついてきた時『行くぞ!今日はお前が勝つんだ!』と言われた。少なくとも自分にはそう聞こえた。でもまだジロには厳しい山岳ステージが山ほど残っているから浮き足立っているわけにはいかない。

マリローザを獲得したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

マリアローザに袖を通したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)マリアローザに袖を通したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:LaPresse
今日はスタートからアタックが連発する少しクレイジーな展開だった。エステバンが上手く逃げに乗ってくれたので、僕らが状況をコントロールする必要はなかった。集団内で落ち着いて、エネルギーをセーブしながら走ることができたよ。最終盤はどうなるか分からなかったけど、総合勢がお見合い状態だったので隙をついた。

このジロには総合優勝するために出場している。追い求めていたマリアローザにようやく手が届いた。ミッチェルトン・スコットは今大会最も強いチームだという自信があるし、ジャージを守るための準備はできている。ローマまでキャプテンとして走りきる自信が自分にはある。

マリアローザとマリアアッズーラがチーム総合の表彰台に上がるマリアローザとマリアアッズーラがチーム総合の表彰台に上がる photo:LaPresse
総合2位をキープしているトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

ライバルたちの様子を見るために自分もペースアップを試みた。絶好調とは言えなかったけど、まだ余力を残せている。今日最も強かったのは自分ではなくイェーツだった。僕自身もベストな状態ではなかったけれど、それでも先頭グループに食らいつくことができたのは収穫。とても長くて厳しい登りだった。でも今日の結果だけでマリアローザの結論が出たわけではない

総合2位をキープしているトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)総合2位をキープしているトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos
総合3位のティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)

今日はとてもタフなレースで、イェーツを追いかけることは不可能だった。ただシンプルに彼が最強だったんだ。僕も悪くなかったけれど彼はその上をいっていたね。彼とチャベスは素晴らしい試合運びで勝利を掴んだ。3週間を戦う上では調子の上下があってはいけない。もし僕は毎日ベストな走りができれば、ローマで良い順位をキープできていると思う。

総合4位、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)

ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) (c)CorVos
馬鹿みたいに走ってしまった。気負いすぎて、イェーツがアタックした時既に3回もアタックしていたのでフォローできなかった。今日アタックしていた僕とポッツォヴィーヴォは総合勢の中でも力があった。だからその分結果に繋げられず残念だ。もっとスマートに走るべきだった。

トップ10に浮上したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) (c)CorVos
今日は総合勢の調子を確認する上でも大切な日だった。何も問題なく走りきったことに満足している。ここ数日間ミッチェルトンは上手くレースを進めていて、チャベスとイェーツの素晴らしい勝利に繋げたと思う。イスラエルステージよりも状態は良いし、3週目に調子を上げるために順調に走れている。

マリアローザを失ったローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)

もはやノーコントロールと言えるほどスタート直後からクレイジーな展開だった。僕らはマリアローザチームとしてペースを作ろうとしたものの、誰もリスペクトしてくれる選手はいなかった。もはや抑えられる状況ではなかったので一旦下がった時に28人の逃げが決まってしまった。そんな大人数に対して3分差で抑えてくれたチームメイトは素晴らしい働きだった。

マリアローザのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がマイペースで登るマリアローザのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がマイペースで登る photo:Kei Tsuji
登りのフィジカルをまだまだ進化させる必要があるけれど、今日の走りには自分で満足しているよ。トラブルで遅れた時にも落ち着いて先頭集団に復帰できた。アタック合戦になった時に踏める脚がなかったけれど、コンスタントに踏むなら見劣りしないとわかったんだ。

マリアローザは失ってしまったけれど、予想していたこと。これで僕の走りが何か変わるわけじゃない。マリアローザから大きく遅れた訳でもないし、自信を持ってこれからのレースに挑みたい。ローマに向かう中でタイムトライアルは味方になってくれるはず。今日までマリアローザを着続けたなんて夢のような気分だったよ。漠然と考えてはいたけれど、絶対にマリアローザを獲るとは決めていなかったから。

text:So.Isobe

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