チャレンジ・マヨルカ最終日のトロフェオ・マガルフは、合計5つのカテゴリー山岳を集団内でこなしたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)がスプリント勝利。今シーズン5勝目を飾った。

梅が咲くマヨルカ島の内陸部を進む梅が咲くマヨルカ島の内陸部を進む photo:Cor Vos4つの2級山岳と3級山岳が設定された159kmの山岳コースで行なわれたトロフェオ・マガルフ。5日間に渡って繰り広げられたチャレンジ・マヨルカも、最終戦を迎えた。

レースは序盤からエルマーノ・カペッリ(イタリア、フットオン・セルヴェット)らが積極的にアタックを仕掛けたが、どれも単発的な動きに終わる。メイン集団はチームHTC・コロンビアやカチューシャがコントロールし、決定的な逃げを許さないまま山岳をこなした。

山岳コースをこなすアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)山岳コースをこなすアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Cor Vos最後の3級山岳トルヅ峠(ゴール13km手前)通過の時点で、メイン集団に残った選手は70名ほど。すると下り区間でルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)、ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット)、ホアン・オラク(スペイン、カチューシャ)、マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア)の4名が飛び出した。

強力な4名は一時的に8秒のリード。しかしチームHTC・コロンビアがコントロールするメイン集団はラスト4km地点で逃げを吸収。最後はゴールスプリント勝負に持ち込まれ、ビセンテ・レイネス(スペイン)に発射されたグライペルが勝利を飾った。

縮小した集団によるスプリント勝負を制したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)縮小した集団によるスプリント勝負を制したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Cor Vosグライペルと言えば、筋肉隆々のカラダから繰り出されるパワフルなスプリントが持ち味。本来登りを得意とする選手ではないが、この日は厳しい山岳コースで勝利を収めた。本人も「この結果は予想していなかった。山岳が連続するコースだったので、出来る限り長く集団に食らいつければいいなと思っていたんだ。でも思っていたよりカラダが軽くて、山岳の上りを乗り切ることが出来た。山岳ステージで良い走りが出来たことが嬉しいよ」と、自分の走りに驚いている様子だ。

「ゴールまでの40kmは、チームメイトたちが逃げ吸収のために力を尽くしてくれた。我々のチームは、充分レースをコントロール出来ていたと思う。ラスト5kmを切ってからトリッキーなロータリーが3つ登場したけど、レイネスに食らいつきながら最後のスプリント勝負に挑んだ。最終コーナーを抜けた時点で5番手あたり。ラスト200mで仕掛けた」。

ツアー・ダウンアンダーでステージ3勝&総合優勝という圧倒的な強さを見せたグライペルだが、このチャレンジ・マヨルカではこれまで第2戦トロフェオ・カラミヨールの2位止まり。勝利には手が届かずにいた。これで今シーズン早くも5勝目(総合優勝含む)。昨シーズンの20勝を上回りそうな勢いだ。

グライペルの次戦はポルトガルで開催されるボルタ・アン・アルガルヴェ。その後はパリ〜ニースに出場する予定だ。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはチームHTC・コロンビア公式サイトより。

トロフェオ・マガルフ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)   4h13'17"
2位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
3位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)
4位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
5位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)
6位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チームミルラム)
7位 ヨナス・ヨルゲンセン(デンマーク、サクソバンク)
8位 アンドレアス・シーリンガー(ドイツ、チームネットアップ)
9位 ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)
10位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos