チャレンジ・マヨルカ2日目、4級山岳が3つ設定された平坦コースで開催されたトロフェオ・カラミヨール(UCI1.1)。集団スプリントでグライペルを下したオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)が久々の勝利を掴んだ。

逃げを試みたダヴィ・デロー(フランス、スキル・シマノ)ら3名逃げを試みたダヴィ・デロー(フランス、スキル・シマノ)ら3名 photo:Cor Vosトロフェオ・カラミヨールのコースは、マヨルカ島南部を駆け抜ける172km。途中4級山岳が3つ設定されているが、スプリントに影響を及ぼすような難易度ではない。ゴール地点は地中海に面したカラミヨールの街だ。

レースは序盤からダヴィ・デロー(フランス、スキル・シマノ)を含む3名が飛び出し、遅れてマヌエル・オルテガ(スペイン、アンダルシア・カハスール)ら2名が合流。

マヨルカ島南部の平坦な周回コースを走る選手たちマヨルカ島南部の平坦な周回コースを走る選手たち photo:Cor Vos5名は最大6分のリードを稼ぎ出して3つの4級山岳をクリアしたが、スプリンターチームが牽引するメイン集団には対抗出来ずに失速。結局逃げグループはラスト15km地点で全て飲み込まれた。

この日も最後は大集団によるスプリント勝負に持ち込まれ、先行したフレイレが、追い上げるアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)らを振り切って優勝。3位にはツアー・ダウンアンダーでステージ優勝を飾ったポルトガルチャンピオンのマヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)が入った。

スプリントでカルドソやグライペルと競り合うオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)スプリントでカルドソやグライペルと競り合うオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) photo:Cor Vos2009年、フレイレはツール・ド・フランスで5回、ブエルタ・ア・エスパーニャで3回トップ10でフィニッシュ。しかし勝利からは見放されていた。フレイレの最後の勝利は、2009年5月3日のツール・ド・ロマンディ第5ステージ。前日のロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)と同じく、9ヶ月ぶりの勝利だ。

レース公式サイトのインタビューでフレイレは「まだまだトップコンディションではないけど、この勝利には満足している。シーズン開幕戦での勝利は、これからのレースに向けてのやる気に繋がるんだ。もっとカテゴリーの高いレースでの勝利が求められているけど、1勝は1勝。これで落ち着いて走ることが出来るよ。昨日はスプリント開始が早すぎたんだ。今日はしっかりと間違いを修正したよ。経験とチームワークが活きたと思う」と語った。ツアー・ダウンアンダーで絶好調ぶりを発揮していたグライペルをスプリントで沈めた意味は大きい。

チャレンジ・マヨルカ3日目のトロフェオ・インカは、1級山岳と2級山岳が設定された本格的な山岳コースで行なわれる。これまで姿を隠していたクライマー系の選手たちが遂に動き始める。

レース展開や選手コメントはレース公式サイト(www.vueltamallorca.com)より。

トロフェオ・カラミヨール結果
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)          4h14'21"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
3位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)
4位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)
5位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
6位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)
7位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
8位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
9位 ケヴィン・イスタ(ベルギー、コフィディス)
10位 マチュー・ドリュジョン(フランス、ケースデパーニュ)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos