ダイナミックな下りで後方から追いついたフルームらを振り切り、終盤にアタックしたベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ)が逃げ切り勝利。ツアー・オブ・アルプス第3ステージでティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)がリーダージャージを手にした。
ボルツァーノ近郊のワイン畑を走る photo:Tour of the Alps
ツアー・オブ・アルプス2018第3ステージ photo:Tour of the Alpsツアー・オブ・アルプス第3ステージの舞台は引き続き北イタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州。後半にかけて1級山岳メンドラ峠(全長15.2km/平均6.4%)と3級山岳パラーデ峠(全長12.9km/平均4.0%)を連続して越え、高低差1,200mをダイナミックに下ってフィニッシュを迎える。獲得標高差2,600mの山岳ステージの見どころはこの終盤の下りに詰まっていた。
序盤に抜け出したマヌエル・センニ(イタリア、バルディアーニCSF)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)、マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール)ら5名の逃げグループは、3分30秒のリードで1級山岳メンドラ峠の登坂を開始。すると、フィニッシュまで52kmを残して総合2位ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、総合5位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、総合15位ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ)、ヤングライダー賞ジャージのマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)がメイン集団からカウンターアタックを仕掛けた。
ピノを含む追走グループはすぐさま先頭逃げグループに追いつき、リーダージャージのイバン・ソーサ(コロンビア、アンドローニ・シデルメク)やクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)を含む約30名のメイン集団に45秒差をつけて1級山岳メンドラ峠を越えていく。
レース前半は比較的平坦なコースが続く photo:Tour of the Alps
ジロ・デ・イタリアに照準を合わすファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:Tour of the Alps
チームスカイとアスタナが率いるメイン集団はタイム差を詰めることができず、先頭5名(ピノ、ヴィスコンティ、ポッツォヴィーヴォ、センニ、オコーナー)は1分リードで続く3級山岳パラーデ峠にアタック。この最終山岳で先頭はピノとポッツォヴィーヴォ、オコーナーの3名に絞られた。
後方のメイン集団では、ケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ)のアシストを受けたフルームが猛烈な登坂スピードを披露する。フルームは、総合首位のソーサやロペス、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)以外の選手をふるい落とし、先頭から25秒遅れで3級山岳をクリアしていく。フルームの積極性は下りに入っても続き、トップチューブに座ってペダリングする独特のスタイルで先頭3名に追いついた。
フルーム以外の選手も続々と先頭グループに追いつく中、下りコーナーで落車したリーダージャージのソーサは脱落。一方で、残り8km地点でアタックを仕掛けたオコーナーが独走に持ち込む。フルームやピノ、ロペス、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)を含む10名グループの追走は届かず、平坦路を踏み続けたオコーナーが独走勝利した。
集団内で山岳をこなすクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tour of the Alps
独走でフィニッシュするベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) photo:Tour of the Alps
追走グループはピノとポッツォヴィーヴォを先頭に5秒遅れでフィニッシュ。アスタナは追走の役割を担いながら、残り2kmを切ってから脱落したロペスが14秒遅れる結果に。落車したソーサが4分以上遅れたため、ピノが総合首位に浮上し、ポッツォヴィーヴォとロペスが15秒差で追う展開に変わった。
逃げ切り勝利を飾り、ヤングライダー賞トップ&総合8位に浮上したオコーナーはオーストラリア・パース生まれの22歳。オーストラリアのアヴァンティを経て昨年ディメンションデータ入りした若手オールラウンダーで、今年サントス・ツアー・ダウンアンダー総合18位、ボルタ・ア・カタルーニャ総合11位という成績を残している。「トップ選手と張り合いながら走っている時点で最高なのに、彼らを振り切って勝つなんて現実とは思えない。少しずつ自分が成長していることを感じていて、カタルーニャでは安定した走りができたし、このアルプスで大きなステップを踏み出せた。このまま成長を続けて、トップ選手の仲間入りしたい」とキャリア2勝目を飾ったオコーナーは語っている。
「最後の下りを楽しみながら走った」と語るのは、下りでレースを動かしたフルーム。「危険性が低く、ハイスピードな下りだったので楽しかった。それに、フィニッシュ手前の平坦区間で協調体制を築けないのがわかっていたので、下りで前のグループを捕まえてしまう必要があったんだ」。
5日間の日程のうち、2ステージを残してフルームはピノと16秒差の総合4位。ジロ・デ・イタリアのマリアローザ候補たちによる戦いは後半戦に入る。
追走グループのスプリントで2位に入ったティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:Tour of the Alps
総合首位に立ったティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:Tour of the Alps


序盤に抜け出したマヌエル・センニ(イタリア、バルディアーニCSF)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)、マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール)ら5名の逃げグループは、3分30秒のリードで1級山岳メンドラ峠の登坂を開始。すると、フィニッシュまで52kmを残して総合2位ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、総合5位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、総合15位ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ)、ヤングライダー賞ジャージのマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)がメイン集団からカウンターアタックを仕掛けた。
ピノを含む追走グループはすぐさま先頭逃げグループに追いつき、リーダージャージのイバン・ソーサ(コロンビア、アンドローニ・シデルメク)やクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)を含む約30名のメイン集団に45秒差をつけて1級山岳メンドラ峠を越えていく。


チームスカイとアスタナが率いるメイン集団はタイム差を詰めることができず、先頭5名(ピノ、ヴィスコンティ、ポッツォヴィーヴォ、センニ、オコーナー)は1分リードで続く3級山岳パラーデ峠にアタック。この最終山岳で先頭はピノとポッツォヴィーヴォ、オコーナーの3名に絞られた。
後方のメイン集団では、ケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ)のアシストを受けたフルームが猛烈な登坂スピードを披露する。フルームは、総合首位のソーサやロペス、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)以外の選手をふるい落とし、先頭から25秒遅れで3級山岳をクリアしていく。フルームの積極性は下りに入っても続き、トップチューブに座ってペダリングする独特のスタイルで先頭3名に追いついた。
フルーム以外の選手も続々と先頭グループに追いつく中、下りコーナーで落車したリーダージャージのソーサは脱落。一方で、残り8km地点でアタックを仕掛けたオコーナーが独走に持ち込む。フルームやピノ、ロペス、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)を含む10名グループの追走は届かず、平坦路を踏み続けたオコーナーが独走勝利した。


追走グループはピノとポッツォヴィーヴォを先頭に5秒遅れでフィニッシュ。アスタナは追走の役割を担いながら、残り2kmを切ってから脱落したロペスが14秒遅れる結果に。落車したソーサが4分以上遅れたため、ピノが総合首位に浮上し、ポッツォヴィーヴォとロペスが15秒差で追う展開に変わった。
逃げ切り勝利を飾り、ヤングライダー賞トップ&総合8位に浮上したオコーナーはオーストラリア・パース生まれの22歳。オーストラリアのアヴァンティを経て昨年ディメンションデータ入りした若手オールラウンダーで、今年サントス・ツアー・ダウンアンダー総合18位、ボルタ・ア・カタルーニャ総合11位という成績を残している。「トップ選手と張り合いながら走っている時点で最高なのに、彼らを振り切って勝つなんて現実とは思えない。少しずつ自分が成長していることを感じていて、カタルーニャでは安定した走りができたし、このアルプスで大きなステップを踏み出せた。このまま成長を続けて、トップ選手の仲間入りしたい」とキャリア2勝目を飾ったオコーナーは語っている。
「最後の下りを楽しみながら走った」と語るのは、下りでレースを動かしたフルーム。「危険性が低く、ハイスピードな下りだったので楽しかった。それに、フィニッシュ手前の平坦区間で協調体制を築けないのがわかっていたので、下りで前のグループを捕まえてしまう必要があったんだ」。
5日間の日程のうち、2ステージを残してフルームはピノと16秒差の総合4位。ジロ・デ・イタリアのマリアローザ候補たちによる戦いは後半戦に入る。


ツアー・オブ・アルプス2018第3ステージ
1位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 3:30:05 |
2位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:05 |
3位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
4位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | |
5位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | |
6位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | |
7位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | マヌエル・センニ(イタリア、バルディアーニCSF) | |
9位 | アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール) | |
10位 | ミカル・シュレゲル(チェコ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
38位 | イバン・ソーサ(コロンビア、アンドローニ・シデルメク) | 0:04:09 |
80位 | 中根英登(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 0:17:47 |
88位 | 伊藤雅和(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) |
個人総合成績
1位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 10:52:19 |
2位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:15 |
3位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
4位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:00:16 |
5位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:50 |
6位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:01:21 |
7位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | 0:01:27 |
8位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 0:01:36 |
9位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF) | 0:01:45 |
10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ) | 0:01:55 |
山岳賞
1位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 15pts |
2位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 14pts |
3位 | ステファン・ラビッチュ(オーストリア、フェルバーマイヤー・シンプロン) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 10:53:55 |
2位 | ミカル・シュレゲル(チェコ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 0:00:22 |
3位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ) | 0:01:18 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 32:40:14 |
2位 | バーレーン・メリダ | 0:08:11 |
3位 | UAEチームエミレーツ | 0:09:37 |
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