「タイミングを見極めてアタック。後方のライバルたちが互いをアタックして消耗していく展開に持ち込めた」と、パリ〜ルーベ初制覇を果たしたペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)。レースを動かした主役たちのコメントを紹介します。



1位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

表彰台でポーズをとるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)表彰台でポーズをとるペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto Ayano
パリ〜ルーベで勝つなんてアメージング(素晴らしい)だ。今シーズンは一度も落車に巻き込まれず、スタートの時点で身体がフレッシュで、徹底的に力をセーブして走った。これまでのパリ〜ルーベの中で最も軽快に走ることができたんだ。

兄のユライ、アンドレアス・シュリンガー、リュディガー・ゼーリッヒがスタートからずっと働き続けて集団を一つにまとめ、後半はダニエル・オス、マークス・ブルグハート、マチェイ・ボドナルが素晴らしい走りを見せれくれた。細かい距離は覚えていないけど、残り50km付近で仕掛けて逃げ切り。幸せでアメージングな気持ちに包まれている。いつも通り最高の成績を狙い、今日は最高の成績を残すことができた。

クイックステップフロアーズは何回もアタックをしていたけど、踏んでは止め、踏んでは止めを繰り返し、その先に何があるのかわからなかった。単独で抜け出したかったので、タイミングを見極めてアタック。良い判断だったと思う。飛び出してからほとんどの区間で追い風だったので助かったよ。

シルヴァン・ディリエ(スイス、アージェードゥーゼール)をスプリントで下したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)シルヴァン・ディリエ(スイス、アージェードゥーゼール)をスプリントで下したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto Ayano
後ろで5〜6人が追走グループを形成しても協調できないだろうと思っていたし、自分は(追い込みすぎることなく)一定ペースで走り続けた。仮に後方のライバルたちがペースアップして追いついてきても自分は力を残せていたし、追いついてこなくてもそれはそれでよかった。後方のライバルたちが互いをアタックして消耗していく展開に持ち込めた。パンクもしなかったし、落車に巻き込まれることもなく、運が味方していたことも大きい。

経験上、他の誰かを過小評価してはいけない。シルヴァン・ディリエと2人になった時、彼に一緒に行くかどうか尋ね、協力して先行することで一致した。パヴェ区間では自分が前を引いたけど、彼はまったく脱落する様子はなく、最後まで協調体制は崩れなかった。スプリントに自信はあったけど、実は脚が攣っていたのでどうなるかわからなかった。

子供の頃から勝ちたいと夢見ていたのはパリ〜ルーベ、世界選手権、フランドル(ロンド)。もし誰かが世界選手権のタイトルをフランドルとルーベのタイトルと交換してくれと持ちかけてきてもきっぱりと断る。フランドルとルーベで勝ったのは本当に素晴らしい。

2位 シルヴァン・ディリエ(スイス、アージェードゥーゼール)

逃げグループ内でトルエー=ド=アランベールをこなすシルヴァン・ディリエ(スイス、アージェードゥーゼール)逃げグループ内でトルエー=ド=アランベールをこなすシルヴァン・ディリエ(スイス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto Ayano
逃げでこそ自分は本領を発揮できる。直前のレースでも長距離にわたって逃げ、今日再び逃げを敢行した。逃げグループの中ではずっと踏みなければならない。スリップストリームの恩恵は少ないけど、逆にパヴェ区間ではリラックスして走ることができるんだ。

マシュー・ヘイマンを見本にして(ストラーデビアンケでの親指骨折から)復活した。2年前、彼はレース5週間前に腕を骨折しながらもパリ〜ルーベで優勝。そのことを考えながらトレーニングを続けてきた。フランドルには間に合わなかったけど、パリ〜ルーベのセレクションに滑り込んだんだ。

ペテル(サガン)は天使であり、悪魔であった。彼は最後まで天使のように協調してくれた。でもスプリントでは勝ち目のない悪魔だった。優勝を狙えるポジションで走ったことにとても満足しているけど、同時に優勝できなかったのは残念。次は優勝を狙うよ。

3位 ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)

記者会見に臨んだニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)記者会見に臨んだニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ) photo:Makoto Ayano
ルーベの表彰台は特別。3位という結果はハッピーだけど、もちろん先週(ロンド)ほどハッピーな気分じゃない。今日はチームとしてアグレッシブなレースを展開したけど、ペテル(サガン)が抜け出した時に集団の最前列に誰もいなかったので反応できなかった。今日最も強かったのは世界チャンピオンであり、彼を心から祝福したい。

ゼネク・スティバルとフィリップ・ジルベールのアタックが吸収され、その後にグレッグ・ヴァンアーヴェルマートがアタック。それらのアタックが引き戻されたタイミングでペテルが飛び出した。フィニッシュまで距離を残した早めの動きだったけど、それが正しいタイミングだった。決して追走グループの意思がバラバラだったわけではなく、残り3kmまで協調体制を築けていた。ただ力が足りずに追いつけなかったんだ。

クラシックシーズンでの9勝を含めて今シーズン25勝。クイックステップフロアーズが素晴らしい春を過ごしていることに変わりはないし、目覚しい成績を誇りに思っている。

4位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

記者に囲まれるグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)記者に囲まれるグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:Makoto Ayano
良いタイミングでアタックを仕掛けたものの、ライバルたちを振りきれずに失敗。その次のタイミングでペテル・サガンが行った。そこから彼を追う長い戦いが始まった。ペテルを何とか捕まえたかったけど、一緒に逃げたシルヴァン・ディリエの存在が彼のリード保持に一役買ったと思う。

あるところで目標を表彰台にスイッチしてすべてのアタックに反応。でもジャスパー・ストゥイヴェンのアタックを封じた次のタイミングで飛び出したニキ・テルプストラに先行を許してしまった。自分はもう脚がいっぱいいっぱいで、どうすることもできなかった。

パリ〜ルーベの中で最も難しいのは前半のパヴェ区間。選手全員がポジションを争うので、とても危険で力を使うんだ。後半に入ると人数が絞られるので自然とポジション取りが楽になる。タフな展開の中で最大限の結果を残すことができたと思う。戦略を読むのはいつだって難しい。正しいタイミングで動くのは本当に難しいんだ。

5位 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)

5位に入ったジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)5位に入ったジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) photo:Makoto Ayano
脚が絶好調とは言えない状態だったので、5位という結果にはとても満足している。アランベールの後に今日は調子が良くないんだと気付いた。久しぶりに気温の高いレースだったことが調子に影響したのかもしれない。

サガンがアタックした時、いずれ捕まえることができると思ってパニックにはならなかった。ワウト(ヴァンアールト)と一緒に飛び出して前を追ったものの、サガンには追いつけず。でもその後の「モンサン=ぺヴェル」で後続集団が加速することがわかっていたので、前で待つ展開でよかった。

サガングループとのタイム差が35〜40秒まで縮まった時は追いつくと思ったものの、そこからペースが上がらずにタイム差は再び50秒に。後続集団に追いつかれてから、パヴェ区間で脱落するんじゃないかと思ったけど、誰もがリミットを迎えた状態だったので、そこから表彰台のチャンスが残されていると信じて走った。今日はサガンが最強だった。あの早いタイミングで飛び出して、最後まで逃げ切るのは勝利に値する勝ち方だ。

7位 ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)

石畳コーナーをクリアするニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)石畳コーナーをクリアするニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo:Makoto Ayano
パリ〜ルーベのトップ10が夢のようだ。ベロドロームに入ってからまだ力が残っていたのでスプリントで上位を狙った。トラック出身なので、その経験を生かして集団の先頭でフィニッシュしたんだ。

精鋭グループの中で展開したかったけど、前の選手がパヴェ区間で中切れを起こしてしまい、その差を詰めることができずに後方の集団に取り残されてしまった。そこからはデブシェールやスティバルと一緒に前を追走。7位という結果には満足しているよ。

8位 テイラー・フィニー(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

8位でフィニッシュしたテイラー・フィニー(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)8位でフィニッシュしたテイラー・フィニー(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) photo:Makoto Ayano
凄まじいレースで、フィニッシュの後は状況を理解するのに時間を要した。早くレースが終わって欲しいと思いながら、果たしてフィニッシュに辿り着けるのかわからない状態で、良い結果を残したいと踏ん張る。生存と積極性の奇妙なバランスだった。
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