プロユース向けに開発されたシマノのレーシングアパレルシリーズ「S-PHYRE(エスファイア)」に新色ブルーが登場した。シマノらしい爽やかなカラーを纏った春夏モデルの高性能ウェア群を紹介しよう。



シマノ S-PHYRE 2018年春夏アパレルシマノ S-PHYRE 2018年春夏アパレル
シマノが昨年から打ち出しているレーシングアパレルシリーズ「S-PHYRE(エスファイア)」。プロレースに対応したハイパフォーマンスを重視する統一のコンセプトの元、シューズからウェアまで全身をトータルコーディネイトするラインアップが揃う。2018春夏モデルの新作として既存モデルに新色ブルーカラーが登場したことがトピックである。

UCIワールドツアーチームであるロットNLユンボと共同で開発を行っているS-PHYRE。プロ選手からの要望を取り入れ製品開発、その後実際にテストしてもらいフィードバックをさらに製品に落とし込むという作業を繰り返すことで妥協のない性能を獲得している。プロレースシーンで最重視されたのがエアロダイナミクスであり、高い空力性能を実現する細かなギミックが製品版のS-PHYREにも色濃く反映されている。

S-PHYRE ショートスリーブジャージS-PHYRE ショートスリーブジャージ
トップスとなるショートスリーブジャージは、4WAYストレッチ生地を基本素材に採用することで高い伸縮性を実現。スキンスーツのように身体にピッタリと沿うタイトフィットデザインとし、その上風が1番最初に当たる肩の部分をシームレス3D構造とすることで生地のシワを無くし、優れたエアロダイナミクスを発揮するという。

また、生地の編み込み密度を身体の部位によって変化させており、熱がこもりやすい脇や背中等は通気性を高めつつも優れた着心地とフィット感を実現。生地自体も吸汗速乾性に優れており、汗をかきやすい夏場のライドでも高い快適性が持続するよう作られている。

その他、バックポケットは左右の入り口を斜めに、中央部は低めにデザインすることで、中のものが取り出しやすい形状になっている。新色ブルーは単一カラーでシンプルなルックスに仕上がるとともに、ブラックでロゴとグラフィックが描かれるデザインだ。S~XLサイズ展開で、価格は22,000円(税抜)。

風が1番最初に当たる肩の部分をシームレス3D構造とすることでエアロ効果を発揮風が1番最初に当たる肩の部分をシームレス3D構造とすることでエアロ効果を発揮 背中には大きくS-PHYREのロゴが入る背中には大きくS-PHYREのロゴが入る

襟は低めのスタイルとすることで空気抵抗を低減させる襟は低めのスタイルとすることで空気抵抗を低減させる アクセスのしやすさに配慮し左右の入り口は斜めに、中央部分は低めにデザインされたバックポケットアクセスのしやすさに配慮し左右の入り口は斜めに、中央部分は低めにデザインされたバックポケット


トップスに合わせるビブショーツはエアロダイナミクスはもちろんのこと、着用感やパッドの作りなど細部にこだわることで、長時間のロードレースでも快適な着心地を保つよう設計された1着。ショートスリーブジャージと同じように4WAYストレッチ生地を採用しており、身体の動きを制限することなく、優れたパフォーマンスを発揮する。

太もも部分はスマートレッグホール構造により、締めつけ感を低減。裾には生地にシリコンが織り込まれたインテグレーテッドグリッパーを配置しずり上がりを防いでいる。内ももや太ももの裏部分はシームレス構造を、脚部分のS-PHYREロゴはニット加工を採用することで生地の凹凸を抑え、ペダリング時の摩擦を軽減することで長時間の着用でもストレスを感じさせない作りとなっている。

S-PHYRE ビブショーツS-PHYRE ビブショーツ
生地にシリコンが織り込まれたインテグレーテッドグリッパーがずり上がりを防止生地にシリコンが織り込まれたインテグレーテッドグリッパーがずり上がりを防止 場所により生地の編み込み密度を変更することで最適な通気性を確保場所により生地の編み込み密度を変更することで最適な通気性を確保


パッドには密度や硬さの異なる複数の素材を使用した高品質なS-PHYREパッドを採用。坐骨を支える部分が左右独立した構造により、ペダリング時の脚の動きに追従するようにフィットすることでハイパフォーマンスを発揮する。サドルと接する部分には衝撃吸収素材を配置したり、表面に通気孔を設けたりすることで快適性も高めている。

新色のブルーはビブの背面パネルに差し色を入れたデザインで、ショーツ部分はフルブラックカラーのためトップスのデザインに関係なくコーディネイトが可能だろう。S~XLサイズ展開で、価格は26,000円(税抜)。

S-PHYRE グローブS-PHYRE グローブ パッドがないアナトミカルデザインで高いフィット感を実現パッドがないアナトミカルデザインで高いフィット感を実現


S-PHYREはレースのためのグローブも用意。その他のS-PHYREウェアにも使用されている独自のニット構造とシームレス一体成形により柔軟性を高めるとともに、3Dパターン構造やパッドのないアナトミカルデザインにより極上のフィット感を実現している。エアロなフィッティング、かつセカンドスキンとも言うべきダイレクトなフィーリングはレーサーのためのグローブと言えるだろう。カラーはブラックのみで、価格は8,000円(税抜)だ。

また新たに春夏用の半袖ベースレイヤーもラインアップに追加。背面を大胆にメッシュパネルとすることで優れた通気性を確保、熱気を効率的に排出することでドライな着心地を保つようできている。M-L、XL-XXLの2サイズ展開で、価格は9,000円(税抜)。



― インプレッション

「エアロなのに圧迫感が少なく高い着心地が特徴的」坂本聡(スポーツサイクル サカモト)

まず全体的にウェア素材の肌当たりの良さ、伸縮性の高さが際立っており、一見サイズが小さめかなと思うエアロなカッティングながら圧迫感が全くなく非常に着心地が良いですね。ゆったり走るロングライド派のライダーだとややタイトに感じてしまうかもしれませんが、そこはやはりS-PHYREのコンセプト通りスピードを求めるレーサーにこそマッチすると言えるでしょう。

「エアロなのに圧迫感が少なく高い着心地が特徴的」坂本聡(スポーツサイクル サカモト)「エアロなのに圧迫感が少なく高い着心地が特徴的」坂本聡(スポーツサイクル サカモト)
個人的にはビブショーツの作りの良さに感動しました。太もも部分は独自の構造のおかげかピッタリ履けるのに窮屈感がなく、どのサドルに跨っても違和感をなくしてしまうほどに良くできたパッドも好印象。レーサービブにしてはやや厚手と感じたパッドですが、バイクに乗ってしまえば特に気になることはなく、かつサドル荷重でドカッっと座っても振動を感じさせないクッション性が評価できますね。

ジャージはライディングポジションになった際に特にエアロに作られているなと感じられますね。ウェアの端が風でバタつくことは皆無ですし、特に裾部分はショーツと繋がっているのではないかと見えるほど身体にフィットしてくれます。エアロワンピースのように着られるのでルックスもスマートですし、これなら確実に空気抵抗も少なく済みますね。

その他小物も非常に機能的です。グローブはパッドがないためゴワつかず、ダイレクトなフィーリングでレーサー好みに作られています。インナーに関してもメッシュ構造のおかげか1日中涼しく過ごせましたし、汗をかいてもサラッとした着心地だったので作りの良さを感じましたね。

今回着用した新色はいかにもシマノブルーといったカラーで同社らしさがあって非常に良いと思います。単色なので好みが分かれるところではあるかもしれませんが、個人的には好きですね。レースで上位を狙ったり、シリアスにトレーニングをしたりというライダーは買って損はしないでしょう。そこまで頑張って漕がないという人でも、勝負服的な立ち位置として1枚くらい持っていたくなる、そんな高性能なウェアでした。

S-PHYRE ショートスリーブジャージ
サイズ:S、M、L、XL
カラー:ブラック、ブルー(新色)
価格:22,000円(税抜)

S-PHYRE ビブショーツ
サイズ:S、M、L、XL
カラー:ブルー(新色)
価格:26,000円(税抜)


S-PHYRE レーシングスキンスーツ
サイズ:S、M、L、XL
カラー:ブルー(新色)
価格:44,000円(税抜)

S-PHYRE ベースレイヤー
サイズ:M-L、XL-XXL
カラー:ブラック、ホワイト
価格:9,000円(税抜)


S-PHYRE グローブ
サイズ:S、M、L
カラー:ブラック
価格:8,000円(税抜)

S-PHYRE トールソックス
サイズ:S、M、L
カラー:ブラック、ネオンイエロー、ブルー、ホワイト
価格:2,500円(税抜)




インプレッションライダーのプロフィール

坂本聡(スポーツサイクル サカモト)坂本聡(スポーツサイクル サカモト) 坂本聡(スポーツサイクル サカモト)

60年以上続く新潟県三条市のプロショップ、スポーツサイクル サカモトの3代目代表を務める。ロードはゆったり楽しみたいロングライド派で、MTBやトライアスロン、小径車など幅広くスポーツサイクルを嗜む。お客さんにはむやみに安い製品は売らず、高くても良いものをオススメすることを重視。人との繋がりや家族との時間を大事にすることが自身のポリシー。

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