横風分断を生き残った23名によるゴールスプリントで、クリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ)がプロ入り後初勝利。ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)はバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)から7秒リードで最終日の個人TTを迎えることとなる。
セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2018第3ステージ コースプロフィール (c)www.gsemilia.netエミリア・ロマーニャ州で開催中のセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)は3日目、ボローニャ県の街クレヴァルコーレの周回コースを巡る171kmで争われた。この地域特有の起伏の少なさを表すかのようなアップダウンの無いスプリンター向けステージだが、平原に吹き付ける風がレースの筋書きを誰も予想しないものへと書き換えた。
チームメイトに守られて集団前方を走るバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) (c)racing.trekbikes.com
序盤からレミ・ディグレゴリオ(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM)やマルコ・コレダーン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)ら逃げを得意とする7名がアタック。メンバーを送り損ねたバルディアーニCSFや、総合首位のディエゴ・ローザ(イタリア)を抱えるチームスカイがコントロールを担い、2分半程度の差で泳がせ続ける。前日終盤のダウンヒルで激しくクラッシュした総合3位のクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)は、顔面にガーゼをあてた状態で出走を選んだ。
残り35kmという早めのタイミングで逃げグループを飲み込んだメイン集団では横風分断が発生する。ここで被害に遭ったのがボウマンだった。「風が強い上に道路上にはたくさんの障害物がある、エシュロンが生まれやすい状態。集団前方に構えていたのにも関わらず僕らの直前で中切れが起きてしまったんだ。チームメイトと全力で追いかけたけど、昨日のステージで力を使っていたので二度と追いつけなかった」とその瞬間を振り返える。
傷を負いながら出走したクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)は第2集団に取り残された
これを好機と捉えたミッチェルトン・スコットらが組織的に第1集団を率い、チームスカイ主導で23名がゴール前に到達。ジョナサン・ディッベン(イギリス)のリードアウトを受けたクリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ)が加速し、後続を1車身突き放すパワフルな加速で勝利した。
チームスカイ加入後早速勝利を挙げたローレスは、チームウィギンスやJLTコンドールから、アクセル・メルクス氏が采配を振るう気鋭の若手育成チーム、アクセオン・ハーゲンスバーマンを経て加入したイギリス期待の新鋭。スプリント力を武器にツール・ド・ラヴニールなどU23レースで勝利を重ね、今回がエリートレース初勝利となった。
23名のスプリント勝負を制したクリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ) (c)www.gsemilia.net
総合首位のローザはスプリントに絡みつつ、ローレスの勝利を祝いながら10位でフィニッシュしてリーダージャージをキープ。山岳賞首位のローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)やジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF)、ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)らは総合トップ10から姿を消し、別府史之(トレック・セガフレード)は横風区間で総合2位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)をアシストし2分遅れで完走している。
総合首位ローザとモレマのタイム差はわずかに7秒。翌日に控える最終ステージ、つづら折れの登り勾配を含む12.5kmのショート個人タイムトライアルで4日間5ステージのコッピバルタリが決着する。
リーダージャージを守ったディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) (c)www.gsemilia.net


序盤からレミ・ディグレゴリオ(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM)やマルコ・コレダーン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)ら逃げを得意とする7名がアタック。メンバーを送り損ねたバルディアーニCSFや、総合首位のディエゴ・ローザ(イタリア)を抱えるチームスカイがコントロールを担い、2分半程度の差で泳がせ続ける。前日終盤のダウンヒルで激しくクラッシュした総合3位のクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)は、顔面にガーゼをあてた状態で出走を選んだ。
残り35kmという早めのタイミングで逃げグループを飲み込んだメイン集団では横風分断が発生する。ここで被害に遭ったのがボウマンだった。「風が強い上に道路上にはたくさんの障害物がある、エシュロンが生まれやすい状態。集団前方に構えていたのにも関わらず僕らの直前で中切れが起きてしまったんだ。チームメイトと全力で追いかけたけど、昨日のステージで力を使っていたので二度と追いつけなかった」とその瞬間を振り返える。

これを好機と捉えたミッチェルトン・スコットらが組織的に第1集団を率い、チームスカイ主導で23名がゴール前に到達。ジョナサン・ディッベン(イギリス)のリードアウトを受けたクリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ)が加速し、後続を1車身突き放すパワフルな加速で勝利した。
チームスカイ加入後早速勝利を挙げたローレスは、チームウィギンスやJLTコンドールから、アクセル・メルクス氏が采配を振るう気鋭の若手育成チーム、アクセオン・ハーゲンスバーマンを経て加入したイギリス期待の新鋭。スプリント力を武器にツール・ド・ラヴニールなどU23レースで勝利を重ね、今回がエリートレース初勝利となった。

総合首位のローザはスプリントに絡みつつ、ローレスの勝利を祝いながら10位でフィニッシュしてリーダージャージをキープ。山岳賞首位のローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)やジウリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF)、ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)らは総合トップ10から姿を消し、別府史之(トレック・セガフレード)は横風区間で総合2位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)をアシストし2分遅れで完走している。
総合首位ローザとモレマのタイム差はわずかに7秒。翌日に控える最終ステージ、つづら折れの登り勾配を含む12.5kmのショート個人タイムトライアルで4日間5ステージのコッピバルタリが決着する。

ステージ結果
1位 | クリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ) | 3h47’53” |
2位 | パオロ・トト(イタリア、サンジェミニ・MGクヴィス) | |
3位 | ロレンツォ・ロタ(イタリア、バルディアーニCSF) | |
4位 | エミルス・リエピンス(ラトビア、ワンプロサイクリング) | |
5位 | リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター) | |
6位 | マウロ・フィネット(イタリア、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM) | |
7位 | ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
8位 | アレックス・トゥリン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | |
9位 | ニコラ・バジオーリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
10位 | ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) | |
84位 | 別府史之(トレック・セガフレード) | +2’04” |
個人総合成績
1位 | ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) | 9h52’46” |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | +07” |
3位 | リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター) | +38” |
4位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +47” |
5位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) | +1’22” |
6位 | クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット) | |
7位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ) | +1’26” |
8位 | クーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ) | +1’32” |
9位 | ラミロ・ソーサ(コロンビア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) | +1’39” |
10位 | アレックス・トゥリン(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) | +1’50” |
110位 | 別府史之(トレック・セガフレード) | +21’17” |
ポイント賞
1位 | クリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ) | 15pts |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 10pts |
3位 | パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ) | 10pts |
山岳賞
1位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 16pts |
2位 | マルコ・ミナールド(オランダ、ワンティ・グループゴベール) | 14pts |
3位 | パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ) | 14pts |
ヤングライダー賞
1位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 9h53’33” |
2位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ) | +39” |
3位 | ラミロ・ソーサ(コロンビア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) | +52” |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 29h13’03” |
2位 | アンドローニ・シデルメク・ボッテキア | +37” |
3位 | ロットNLユンボ | +43” |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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