エミリア・ロマーニャ州で、別府史之(トレック・セガフレード)が出場する4日間で5レースのセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)が開幕。午前と午後で2ステージが行われた初日にロットNLユンボのネオプロ、パスカル・エーンクホーン(オランダ)が総合首位発進している。



第1aステージ 春が近づくエミリア・ロマーニャ州を舞台にしたセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ第1aステージ 春が近づくエミリア・ロマーニャ州を舞台にしたセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ (c)CorVos
イタリア中部のエミリア・ロマーニャ州を舞台にした4日間のステージレース「セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ」が開幕。レース名は同国の英雄ファウスト・コッピとジーノ・バルタリの名前に由来するが、1984年に第1回大会が開催されるなど比較的歴史は浅い。

UCI.1クラスながらチームスカイ、EFエデュケーションファースト・ドラパック、ミッチェルトン・スコット、ロットNLユンボ、モビスター、そしてトレック・セガフレードという6つのワールドチームが若手中心メンバーで参戦し、欧州レース3戦目となる別府史之(トレック・セガフレード)もエウジェニオ・アラファーチ(イタリア)、バウケ・モレマ(オランダ)らと共に顔を揃えた。



1aステージ:2名が逃げ切り、新鋭パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)が勝利

第1aステージ パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)やローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が逃げる第1aステージ パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)やローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が逃げる (c)CorVos
初日はチェゼーナにほど近いガッテオを舞台にしたセミタッパ(ハーフステージ)を2つ(1aステージ+1bステージ)組み合わせており、午前中の第1aステージは標高145m/平均勾配4%ほどのロンジャーノ峠を含む周回コースを3周してフィニッシュする100km弱のショートコースで争われた。

レースはスタートから12kmを経てローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、エミル・ディマ(イタリア、MSティナ・フォーカス)、そしてパスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)が逃げ、およそ3分半のリードを稼ぎ出す。

ハイペースを維持する逃げグループからはディマが遅れたものの、クラドックとエーンクホーンは終盤に入ってもメイン集団に対してリードを保ち続け、逃げ切りへの青信号を灯らせる。

第1aステージ パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)が一騎打ちで勝利第1aステージ パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)が一騎打ちで勝利 (c)CorVos
第1aステージ 昨年まで共にBMC育成チームに所属していたパヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ)がパスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)を祝福第1aステージ 昨年まで共にBMC育成チームに所属していたパヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ)がパスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)を祝福 (c)CorVos総合首位に立ったパスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)総合首位に立ったパスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ) (c)CorVos


2人はバルディアーニCSFやモビスター率いる集団を1分引き離した状態でフィニッシュ地点に到達し、「オフシーズンにスプリント練習を積み重ねてきたので自信があった」と言うエーンクホーンが一騎打ちを制して勝利。個人TTを得意とし、昨年プロへの登竜門であるオリンピアツアーで総合優勝したプロ1年目の新鋭が早速結果を示した。



1bステージ:チームスカイが最速タイム、エーンクホーンが首位堅持

しばしの休息を挟んだ午後、ほぼフラットな13.3kmコースを使ったチームタイムトライアルが行われた。

第1bステージ 最速タイムをマークしたチームスカイ第1bステージ 最速タイムをマークしたチームスカイ (c)CorVos第1bステージ ロットNLユンボはステージ4位に入り、エーンクホーンの総合首位をキープ第1bステージ ロットNLユンボはステージ4位に入り、エーンクホーンの総合首位をキープ (c)CorVos

第1bステージ 表彰台に上がるチームスカイ第1bステージ 表彰台に上がるチームスカイ (c)CorVos
市街地を駆け抜けるため、コーナーが続くショートTTで最速タイムを刻んだのは若手中心で構成されたチームスカイだった。平均スピード54.163km/hをマークし、前年度優勝したCCCスプランディ・ポルコウィチェを10秒引き離して勝利。ロットNLユンボは11秒遅れのステージ4位でフィニッシュしたため、エーンクホーンは総合リードを削ることなくリーダージャージを守っている。

1997年生まれ、21歳のエーンクホーンは「すごく調子が良かったわけじゃないけれど、ハイペースを維持できた。(クラドックに対して)総合リードを広げることができて良かったよ。明日は厳しいステージが待っているけれど、チームには(クーン)ボウマンや(ニールソン)ポーレスなど山岳に強い選手たちが揃ってる。自分がダメでも彼らの力になれるよう頑張りたい」とコメントしている。
ステージ1a結果
1位 パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ) 2h12’43”
2位 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
3位 ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・セライタリア) +1’07”
4位 クリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ)
5位 キャスパー・ペデルセン(デンマーク、アクアブルースポート)
6位 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
7位 マルコ・マロネーゼ(イタリア、バルディアーニCSF)
8位 アレッサンドロ・フェデリ(イタリア、トレヴィジャーニフォニックス・ヘムス1896)
9位 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)
10位 リッカルド・スタッキオッティ(イタリア、MSティナ・フォーカス)
23位 別府史之(トレック・セガフレード)
ステージ1b結果
1位 チームスカイ 14’44”
2位 CCCスプランディ・ポルコウィチェ +10”
3位 ミッチェルトン・スコット
4位 ロットNLユンボ +11”
5位 トレック・セガフレード +13”
6位 アンドローニ・シデルメク・ボッテキア +16”
7位 EFエデュケーションファースト・ドラパック +21”
8位 ガスプロム・ルスヴェロ +24”
9位 NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ +29”
10位 ウィリエール・トリエスティーナ・セライタリア +30”
個人総合成績
1位 パスカル・エーンクホーン(オランダ、ロットNLユンボ)
2位 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
3位 クリストファー・ローレス(イギリス、チームスカイ)
4位 ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)
5位 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ)
6位 ジョナサン・ディッベン(イギリス、チームスカイ)
7位 ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)
8位 ヨナス・コッシュ(ドイツ、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
9位 ヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
10位 カミル・グラデク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
108位 別府史之(トレック・セガフレード) +2’48”
text:So.Isobe
photo:CorVos

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