熾烈なアタック合戦の末に、石畳の登りスプリントで争われた第73回ノケレ・コールス(UCI1.HC)。ネオプロのファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ)が圧倒的なスプリントで勝利を飾った。
スタート地点に向かうルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ) (c)CorVos
シクロクロス世界王者のワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) (c)CorVos
1944年に初開催されたノケレ・コールスはベルギーのウェスト=フランデレン州を舞台にしたセミクラシックレース。2016年からUCIカテゴリーがHC(超級)にランクアップしている。
後半にかけてノケレを中心にした14.2km周回コースを4周、そして26.6kmの大周回を2周回。いずれも石畳が敷かれた「ノケレベルグ(平均5.7%/長さ350m)」を通過し、その頂上にフィニッシュラインが引かれている。上りを含みながらもスプリンターにチャンスがあるクラシックレースとして知られている。
クラシックレースを得意とするベルギー・オランダ勢に加えて、この日はチームスカイやボーラ・ハンスグローエ、カチューシャ・アルペシンといったワールドチームもラインアップ。レースはダニエル・トゥレク(チェコ、イスラエルサイクリングアカデミー)ら8名の逃げで動き出した。
逃げグループを率いるダニエル・トゥレク(チェコ、イスラエルサイクリングアカデミー) (c)CorVos
途中落車したワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) (c)CorVos
フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップフロアーズ)やワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が追走グループを形成する (c)CorVos
後半にかけてタイム差が縮まると、メイン集団でも断続的なペースアップが発生する。残り40kmを切ってボーラ・ハンスグローエやカチューシャ・アルペシンが隊列を引き延ばし、次いでシクロクロス世界王者のワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が自ら速度を上げたことで集団が分裂。9名の追走グループが生まれた。
先頭からはコナー・ダン(イギリス、アクアブルースポート)が独走に持ち込み、ヴァンアールトら9名は残り17kmでコナー以外の7名をキャッチ。しかしスプリントに持ち込みたいコフィディス・ソルシオンクレディやヴィタルコンセプト率いるメイン集団は逃げ切りを許さず、残り10km手前で追走グループを、そしてコナーを吸収。レースは振り出しに戻った。
集団スプリントを嫌ったカチューシャ・アルペシンが畳み掛けるように攻撃を続けたものの、クイックステップフロアーズがいずれも封じ込める。残り5kmを切るとアタック合戦は更に熾烈を極め、ヴァンアールトやロイック・ヴリーヘン(ベルギー、BMCレーシング)、ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)の加速によって集団の人数は30名程度にまで絞り込まれた。
後半に入るとメイン集団からアタックが頻発した (c)CorVos
スプリント狙いのヴィタルコンセプトやボーラ・ハンスグローエがメイン集団を率いる (c)CorVos
圧倒的なスプリントで勝利したファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ) (c)CorVos
残り1kmから主導権を握ったのは、人数を揃えたクイックステップフロアーズだった。下りでスピードを上げ、猛烈な勢いでノケレベルグに突入すると、まずクリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とユーゴ・ホーフシュテッター(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)がスプリントを開始。しかし背後でタイミングを待ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ)が一気に加速し、後続を引き離す。わずか150mで圧倒的な差を築いた21歳がキャリア初勝利を飾った。
昨年まで若手育成チームのSEGレーシングアカデミーに所属し、ツール・ド・ラヴニールやオリンピア・ツアーを筆頭に勝ち星を重ね、今年からワールドツアーにステップアップしたヤコブセン。「今日はチーム全員が僕のために働いてくれたんだ。最後は全力を尽くしてもがき、周りに誰もいなくなったのを感じて勝利の喜びを噛み締めたよ。今日は人生で最も素晴らしい日になった。プロ初勝利を遂げた今の気分をうまく言い表せないよ。次のレースに向けてもの凄い自信になる」と喜びをコメントする。
ノケレ・コールス2018表彰台 (c)CorVos
クイックステップフロアーズにとってはル・サミン(テルプストラ)、ドワーズ・ドール・ウエストフラーンデレン(カヴァニャ)に続くセミクラシックレース3連勝。ヤコブセンは2日後の16日(土)に開催されるハンザーメ・クラシック(UCI1.HC)にもカヴァニャやイヴ・ランパールト(ベルギー)らと共に出場する予定だ。


1944年に初開催されたノケレ・コールスはベルギーのウェスト=フランデレン州を舞台にしたセミクラシックレース。2016年からUCIカテゴリーがHC(超級)にランクアップしている。
後半にかけてノケレを中心にした14.2km周回コースを4周、そして26.6kmの大周回を2周回。いずれも石畳が敷かれた「ノケレベルグ(平均5.7%/長さ350m)」を通過し、その頂上にフィニッシュラインが引かれている。上りを含みながらもスプリンターにチャンスがあるクラシックレースとして知られている。
クラシックレースを得意とするベルギー・オランダ勢に加えて、この日はチームスカイやボーラ・ハンスグローエ、カチューシャ・アルペシンといったワールドチームもラインアップ。レースはダニエル・トゥレク(チェコ、イスラエルサイクリングアカデミー)ら8名の逃げで動き出した。



後半にかけてタイム差が縮まると、メイン集団でも断続的なペースアップが発生する。残り40kmを切ってボーラ・ハンスグローエやカチューシャ・アルペシンが隊列を引き延ばし、次いでシクロクロス世界王者のワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が自ら速度を上げたことで集団が分裂。9名の追走グループが生まれた。
先頭からはコナー・ダン(イギリス、アクアブルースポート)が独走に持ち込み、ヴァンアールトら9名は残り17kmでコナー以外の7名をキャッチ。しかしスプリントに持ち込みたいコフィディス・ソルシオンクレディやヴィタルコンセプト率いるメイン集団は逃げ切りを許さず、残り10km手前で追走グループを、そしてコナーを吸収。レースは振り出しに戻った。
集団スプリントを嫌ったカチューシャ・アルペシンが畳み掛けるように攻撃を続けたものの、クイックステップフロアーズがいずれも封じ込める。残り5kmを切るとアタック合戦は更に熾烈を極め、ヴァンアールトやロイック・ヴリーヘン(ベルギー、BMCレーシング)、ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)の加速によって集団の人数は30名程度にまで絞り込まれた。



残り1kmから主導権を握ったのは、人数を揃えたクイックステップフロアーズだった。下りでスピードを上げ、猛烈な勢いでノケレベルグに突入すると、まずクリストフ・フィングステン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とユーゴ・ホーフシュテッター(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)がスプリントを開始。しかし背後でタイミングを待ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ)が一気に加速し、後続を引き離す。わずか150mで圧倒的な差を築いた21歳がキャリア初勝利を飾った。
昨年まで若手育成チームのSEGレーシングアカデミーに所属し、ツール・ド・ラヴニールやオリンピア・ツアーを筆頭に勝ち星を重ね、今年からワールドツアーにステップアップしたヤコブセン。「今日はチーム全員が僕のために働いてくれたんだ。最後は全力を尽くしてもがき、周りに誰もいなくなったのを感じて勝利の喜びを噛み締めたよ。今日は人生で最も素晴らしい日になった。プロ初勝利を遂げた今の気分をうまく言い表せないよ。次のレースに向けてもの凄い自信になる」と喜びをコメントする。

クイックステップフロアーズにとってはル・サミン(テルプストラ)、ドワーズ・ドール・ウエストフラーンデレン(カヴァニャ)に続くセミクラシックレース3連勝。ヤコブセンは2日後の16日(土)に開催されるハンザーメ・クラシック(UCI1.HC)にもカヴァニャやイヴ・ランパールト(ベルギー)らと共に出場する予定だ。
ノケレ・コールス2018結果
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ) | 4h32’56” |
2位 | アマウリー・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
3位 | ユーゴ・ホーフシュテッター(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) | |
4位 | ロイ・ヤン(ベルギー、シベル・セボン) | |
5位 | アンドリュー・フェン(イギリス、アクアブルースポート) | |
6位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | |
7位 | ザッカリ・デンプスター(オーストラリア、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
8位 | ショーン・デビー(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | |
9位 | マキシム・ヴァントム(ベルギー、WBアクアプロジェクト・ヴェランクラシック) | |
10位 | カミル・グラデク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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