1964年より続くイタリアの伝統レース、トロフェオ・ライグエリア(UCI1.HC)が2月11日に開催された。最終の山頂手前でアタックを決めたモレーノ・モゼール(イタリアナショナルチーム)が逃げ切り優勝。2015年の優勝に続く自身2度目、アスタナ移籍後初の勝利を挙げた。



出走サインをするブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック)出走サインをするブリース・フェイユ(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) (c)CorVosウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリアを筆頭にイタリアの強豪チームが参加したウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリアを筆頭にイタリアの強豪チームが参加した (c)CorVos


イタリア北部、地中海に面するリグリア海沿岸で開催される伝統のワンデーレースがトロフェオ・ライグエリア(UCI1.HC)だ。イタリアのロードレースシーズン開幕を告げる緒戦として、ワールドチームのアージェードゥーゼールを筆頭にイタリアのプロコンチネンタルチームら22チームが参加。

沿岸部のライグエリアを発着するこのレースは、内陸部の山岳地帯を経由し、コッラ・ミケリを登る小周回を4回繰り返す全203.7kmで争われる。序盤はコンチネンタルチームの3名が逃げグループを築き、42km地点では9分以上のタイム差をマークした。これ以上のタイムギャップを許せないアンドローニジョカトリ・シデルメクが集団のペースアップを図る。

エスケープグループは120km過ぎの山頂ポイント付近で崩壊し、ジュリアン・エルファレス(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス・KTM)の一人旅となる。エルファレスは粘るものの内陸部から沿岸部アッラシオに到達する頃、集団に捉えられることに。

独走勝利を果たしたモレーノ・モゼール(イタリア、イタリアナショナルチーム)独走勝利を果たしたモレーノ・モゼール(イタリア、イタリアナショナルチーム) (c)CorVos
2位争いのスプリントはパオロ・トト(イタリア、サンジェミニ・MG.K vis・オルモ・ヴェガ)が僅差で制す2位争いのスプリントはパオロ・トト(イタリア、サンジェミニ・MG.K vis・オルモ・ヴェガ)が僅差で制す (c)CorVos
集団はエスケープを全て捉えたものの20名強の精鋭たちに絞られている。この集団で最も活発に動いたのは最も人数の多いアージェードゥーゼールだった。最終盤のコッラ・ミケリの小周回へと突入すると、スイス王者のシルバン・ディリエのアタックを皮切りに次々と攻撃を仕掛けていく。

残り10km、最後の登りでアージェードゥーゼールの攻撃の手が緩んだ隙に、イタリアナショナルチームとして出場していたジャンルーカ・ブランビッラ(所属はトレック・セガフレード)が、同じくイタリアナショナルチームの一員として参加しているモレーノ・モゼール(所属はアスタナ)のために強烈にペースアップ。

ブランビッラのアシストを受けたモゼールが残り9.5km地点でアタックし独走状態を築く。後方からはニコラ・バジオーリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)やマッテーオ・ブザート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリア)らが追走体制を整えるものの、残り4.5km地点で40秒のタイム差から縮めることができない。

トロフェオ・ライグエリア表彰台トロフェオ・ライグエリア表彰台 (c)CorVos
結局9名の追走を寄せ付けないモゼールが逃げ切り。アスタナに移籍後初の勝利を挙げ、トロフェオ・ライグエリアで自身2勝目を挙げた。後方の2位争いのスプリントはパオロ・トト(イタリア、サンジェミニ・MG.K vis・オルモ・ヴェガ)が先着、ブザート、バジオーリと続いた。
トロフェオ・ライグエリア2018 結果
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、イタリアナショナルチーム) 5:10:50
2位 パオロ・トト(イタリア、サンジェミニ・MG.K vis・オルモ・ヴェガ) +0:43"
3位 マッテーオ・ブザート(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリア)
4位 ニコラ・バジオーリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
5位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
6位 カスパール・アスグリーン(デンマーク、ヴィルトゥ・サイクリング)
7位 ロマン・コンバード(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンスKTM)
8位 ローラン・タルマン(デンマーク、フォアアールベルク・サンティック)
9位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)
10位 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) +0:48"
text:Gakuto Fujiwara
photo:CorVos