2月6日に中東UAE(アラブ首長国連邦)で第5回ドバイツアー(UCI2.HC)が開幕。トップスプリンター勢揃いの平坦バトル第1ラウンドを制したのはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)だった。


5つ星ホテル「アトランティス・ザ・パーム」の前にフィニッシュ5つ星ホテル「アトランティス・ザ・パーム」の前にフィニッシュ photo:LaPresse - Ferrari / Paolone
砂漠を貫く平坦路を走る砂漠を貫く平坦路を走る photo:LaPresse - Ferrari / Paoloneドバイ市内のモスクを通過ドバイ市内のモスクを通過 photo:LaPresse - Ferrari / Paolone

ドバイツアーはその名の通り7つの首長国から成るUAEのドバイを舞台にしたステージレース。ドバイスポーツ評議会とジロ・デ・イタリア主催者RCSスポルトのタッグによって2014年に初開催され、2015年からUCIのHC(超級)レースとして開催されている。ツアー・オブ・オマーン(UCI2.HC)とアブダビツアー(UCIワールドツアー)と続く中東レースシリーズの開幕戦であり、連戦出場するスプリンターたちが今シーズン最初のバトルを繰り広げることに。第1ステージはドバイ市内をスタート後に内陸部の幹線道路を走り、ペルシャ湾に浮かぶ人工島パーム・ジュメイラを目指す167km。パーム・ジュメイラの先端にある5つ星ホテル「アトランティス・ザ・パーム」にフィニッシュする。

ネイサン・ヴァンフーイドンク(ベルギー、BMCレーシング)、ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、コフィディス)、アンドリュー・フェン(イギリス、アクアブルースポート)、モハメド・アルマンソーリ(UAE、UAEナショナルチーム)、シャルル・プラネ(フランス、ノボノルディスク)の5名が真っ平らな砂漠コースで逃げたものの、クイックステップフロアーズとカチューシャ・アルペシンの赤青トレイン率いるメイン集団から大きなリードは奪えない。フィニッシュまで23kmを残してタイム差が30秒を切ったところで逃げグループは崩壊。ソロエスケープを続行したフェンも残り9kmで吸収された。

ドバイの高層ビル群を横目に進むドバイの高層ビル群を横目に進む photo:LaPresse - Ferrari / Paolone
5つ星ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」を通過5つ星ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」を通過 photo:LaPresse - Ferrari / Paolone

逃げ吸収直後の集団落車を切り抜け、最終的に60名弱の集団がパーム・ジュメイラになだれ込む。先頭でトレインを走らせたのはクイックステップフロアーズとカチューシャ・アルペシンで、両チームそれぞれ4名と3名を揃えた状態で残り1kmアーチを通過する。新加入マルセル・キッテル(ドイツ)のためにカチューシャ・アルペシンが早めに先頭に立ったものの、スプリントを開始するにはフィニッシュラインが遠すぎた。

キッテルが一旦ポジションを下げた隙をついて、ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ)が一気にフルーネウェーヘンを先頭まで引き上げた。そのままスプリントに持ち込んだフルーネウェーヘンにエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が反応し、別ラインからマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)も加速。ヴィヴィアーニを押さえ込み、コルトニールセンとのトップスピード対決を制したフルーネウェーヘンが片手を上げた。

2017年ツール・ド・フランスの最終シャンゼリゼステージを制した24歳のダッチスプリンターが、実質的な2018年シーズン最初のスプリントで勝利。「リードアウト役のアムントグレンダール・ヤンセンとティモ・ルーセンが完璧なタイミングで引き上げてくれた。最後はマグナス・コルトニールセンとの接戦になったけどなんとか先着。世界最高のスプリンターがそろう中での勝利は最高の気分だ。昨年のシーズン初勝利は4月のヨークシャーだったから、今年は2月に初勝利を飾ることができてまた違った気分だ」と喜ぶ。フルーネウェーヘンは同時にブルーのリーダージャージも手にした。

コルトニールセンとヴィヴィアーニに次いで、ヨーロッパチャンピオンジャージを着るアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が4位。シーズン初戦を迎えたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)は16位、リードアウトに失敗したキッテルは17位に終わっている。

ハンドルを投げ込むディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)とマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)ハンドルを投げ込むディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)とマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) photo:LaPresse - Ferrari / Paolone
リーダージャージを手にしたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)リーダージャージを手にしたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:LaPresse - Ferrari / Paolone
ドバイツアー2018第1ステージ結果
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 3:51:35
2位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
5位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
6位 ジェイコブ・ヘネシー(イギリス、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)
7位 エリック・ヤング(アメリカ、ラリーサイクリング)
8位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
9位 アンドレア・ペロン(イタリア、ノボノルディスク)
10位 ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、BMCレーシング)
個人総合成績
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 3:51:25
2位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) 0:00:04
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 0:00:06
4位 ネイサン・ヴァンフーイドンク(ベルギー、BMCレーシング) 0:00:07
5位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) 0:00:10
6位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
7位 ジェイコブ・ヘネシー(イギリス、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)
8位 エリック・ヤング(アメリカ、ラリーサイクリング)
9位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
10位 アンドレア・ペロン(イタリア、ノボノルディスク)
ポイント賞
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 25pts
2位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) 16pts
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 11pts
スプリント賞
1位 ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、コフィディス) 5pts
2位 モハメド・アルマンソーリ(UAE、UAEナショナルチーム) 5pts
3位 ネイサン・ヴァンフーイドンク(ベルギー、BMCレーシング) 5pts
ヤングライダー賞
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 3:51:25
2位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) 0:00:04
3位 ネイサン・ヴァンフーイドンク(ベルギー、BMCレーシング) 0:00:07
チーム総合成績
1位 ノボノルディスク 11:34:45
2位 BMCレーシング
3位 アスタナ

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