2月14日から18日まで5日間の日程で開催される通称「ルタ・デル・ソル」ことブエルタ・アンダルシア(UCI2.HC)にクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が出場する。サルブタモール陽性に対する処分は未だ出ず、自主的な出場停止を求める声が上がる中、フルームがシーズンインを迎える。


2017年ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)2017年ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を飾ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
南アフリカでトレーニング中のフルームが、スペインのルタ・デル・ソルでシーズンインすることが決まった。フルームは2015年に同大会でステージ1勝を飾って総合優勝。2016年は2月上旬にオーストラリアで開催されたヘラルドサンツアーで、2017年は同じくオーストラリアのカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースでシーズンインしていた。

「1月にハードなトレーニング期間を設け、シーズンインに向けて距離を積み重ねてきた。最後にルタ・デル・ソルに出場してから数年が経つが、良い思い出のあるレースであり、再び出場することを楽しみにしている」とフルームはコメントしている。フルームは自身のSTRAVAアカウントにてトレーニング状況を公開。それによるとフルームは1月だけで距離4,410km/獲得標高差59,539mのトレーニング量をこなしている。

ルタ・デル・ソルにはフルームの他にも過去に6回総合優勝しているアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)らが出場を表明している。

2015年ルタ・デル・ソル第4ステージでコンタドールを引き離すことに成功したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)2015年ルタ・デル・ソル第4ステージでコンタドールを引き離すことに成功したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele2015年ルタ・デル・ソル総合表彰台 2位コンタドール、総合優勝フルーム、3位インチャウスティ2015年ルタ・デル・ソル総合表彰台 2位コンタドール、総合優勝フルーム、3位インチャウスティ photo:Tim de Waele

フルームに対しては、総合優勝を飾った2017年ブエルタ・ア・エスパーニャ期間中に最初された尿サンプルから気管支拡張剤として知られるサルブタモールのAAF(違反が疑われる分析結果)が検出され、UCIが高い数値が検出された理由についての説明を求めていた。仮にドーピング違反が確定すれば、フルームは出場停止処分を受けるとともにブエルタ総合優勝のタイトルを失う可能性がある。

現在はUCIによる処分待ちの状態。UCIアンチドーピング規約によると、サルブタモールを含む特定薬物に関してはAAFが即時出場停止処分にはつながらず、ルール上はUCIによる処分が決定するまで選手のレース出場は認められている。しかし、フルームの自主的な出場停止を求める声が多く上がっていた。

「これまでチームと協力して原因究明に努めてきた。起こった出来事(ドーピング陽性)の真相がいずれ明らかになる自信がある。今の状況が多くの疑念や不確実性を生み出していることを理解しているが、現在はプロセスの途中の段階であり、発言に限度があることをわかってほしい。事態の打開を最も望んでいるのは自分なんだ」とフルームは現状を説明している。

text:Kei Tsuji