ブエルタ・ア・サンフアン最終ステージは集団スプリントを制したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)が勝利。地元アルゼンチンのゴンサロ・ナハル(アルゼンチン、シンジケートエンプレアード・パブリコスサンフアン)が総合優勝を決めた。



紙吹雪のなかスタートするブエルタ・ア・サンフアン最終ステージ紙吹雪のなかスタートするブエルタ・ア・サンフアン最終ステージ photo:CorVos
最終日を迎えたブエルタ・ア・サンフアン(UCI2.1)は、サンフアン市街地にある環状道路「シルクバラシオン通り」を9周する141.3km。第3ステージの個人TTで使用されたコースと同様のルートとなっており、鋭角なコーナーや起伏がないため、スプリントフィニッシュのハイスピードレースが予想された。

レースはスタート後、逃げに乗りたい選手と2周目完了時の31.4km地点にあるスプリントポイントを獲得したい選手により、アタック合戦が激化。プロトンは2周目が完了するまでペースが一定しない混沌とした状況に。その後、ミカル・コラー(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリントポイントを先頭通過すると、プロトンは7名の逃げを容認し、ようやく落ち着きを見せた。

沿道には観戦するファンが立ち並ぶ沿道には観戦するファンが立ち並ぶ photo:CorVos
2度目のスプリントポイントが近づくと、エキッポコンチネンタル・ムニシパリダド・デ・ポシートがポイントランキング3位のヘラルド・ティヴァニ(アルゼンチン)のために集団を牽引。そのまま逃げ集団を吸収するが、スプリントポイントは隙をついてアタックしたオマー・メンドーザ(コロンビア、メデリン・インデル)が獲得。2位、3位もボーラ・ハンスグローエの選手が通過し、ティヴァニはこのレースでスプリントポイントを加算することができなかった。

1つになった集団からは新たに3名の逃げグループが形成され、1分差までタイム差を広げたが、最終周回に入るとそれも吸収された。以後、プロトンでは最終スプリントに向けてトレック・セガフレード、ボーラ・ハンスグローエ、クイックステップフロアーズなどのチームがトレインを形成。プロトンの主導権を争いを激化させる。

横並びでフィニッシュするプロトン横並びでフィニッシュするプロトン photo:CorVos
ジャコモ・ニッツォーロとエウジェニオ・アラファーチ(共にイタリア、トレック・セガフレード)が勝利を喜ぶジャコモ・ニッツォーロとエウジェニオ・アラファーチ(共にイタリア、トレック・セガフレード)が勝利を喜ぶ photo:CorVos
残り1kmのアーチを先頭でくぐったのはクイックステップフロアーズ。その後ろから残り300mでマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)が発射するがスピードが伸び悩んだ。その番手からジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)が飛び出し、そのまま先頭でフィニッシュ。第7ステージで勝利を飾った。

これと同時に地元アルゼンチンのコンチネンタルチームに所属するゴンサロ・ナハル(アルゼンチン、シンジケートエンプレアード・パブリコスサンフアン)が総合優勝を確定させた。

2017年シーズンを怪我で棒に振ったニッツォーロは「とても満足しているよ。去年の怪我の後にもう1度勝利することが出来てかなり幸せだ。チームは今日のステージ序盤からレースをコントロールし、僕を信じてリードアウトしてくれた。チームは本当に素晴らしかったし、感謝している」とコメントしている。

怪我からの復活を果たしたジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)怪我からの復活を果たしたジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) (c)Vuelta a San Juan
ステージ結果
1位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) 2h55'23"
2位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)
3位 アルバロホセ・オデーグ(コロンビア、クイックステップフロアーズ)
4位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
5位 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
6位 マヌエル・ペナル(スペイン、ユニウロ・トレヴィージャーニヘミュス1896)
7位 フェデリコ・ブッチオ(イタリアナショナルチーム)
8位 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)
9位 ギヨーム・ボアヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)
10位 カルロス・エドゥアルド・アルゼイト(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)
個人総合成績
1位 ゴンサロ・ナハル(アルゼンチン、シンジケートエンプレアード・パブリコスサンフアン) 21h59'06"
2位 オスカル・セヴィリャ(スペイン、メデリン・インデル) +51"
3位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +1'11"
4位 ロドルフォ・トレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) +1'41"
5位 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +1'58"
6位 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +1'59"
7位 オマー・メンドーザ(コロンビア、メデリン・インデル) +2'08"
8位 ダイエル・キンタナ(コロンビア、モビスター) +2'58"
9位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ) +3'19"
10位 レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップフロアーズ) +3'26"
山岳賞
1位 ダニエル・フアレス(アルゼンチン、アソシエーション・シヴィル・マルダン) 29pts
2位 アレックス・カノ(コロンビア、コルデポルテス・クラーロ) 28pts
3位 パブロ・アラルコン(チリ、カネルス・スペシャライズド) 22pts
ポイント賞
1位 エイドリアン・リケーゼ(アルゼンチン、アグルパシオン・ビルヘンデファティマ) 17pts
2位 ダニエル・フアレス(アルゼンチン、アソシエーション・シヴィル・マルダン) 8pts
3位 ヘラルド・ティヴァニ(アルゼンチン、エキッポコンチネンタル・ムニシパリダド・デ・ポシート) 8pts
ヤングライダー賞
1位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、UAEチームエミレーツ) 22h00'17"
2位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、クイックステップフロアーズ) +3'56"
3位 クリスティアン・カミーロ・ムオズ(コロンビア、コルデポルテス・クラーロ) +9'47"
チーム総合成績
1位 メデリン・インデル 66h03'58"
2位 アンドローニジョカトリ・シデルメク +2'23"
3位 ボーラ・ハンスグローエ +12'48"
text:Kosuke.Kamata
photo:CorVos