ダウンアンダーでデビューしたレディオシャック。アームストロングは残り3ステージとなったこのダウンアンダーで最低1勝は挙げて帰りたいとしている。ヨハン・ブリュイネール監督のコメントも合わせてお届けする。

ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック) (c)CorVos

ブリュイネール監督は言う。「それは言葉にするほど簡単なことじゃない。誰もが勝ちたがっているし、後3ステージだが、明日と日曜日はスプリンターに勝ち目のあるステージで、コースがアタッカー向きじゃない」。

アームストロングは言う。「このレースはプロツアーだ。新チームと新スポンサー、露出は世界的にある。そのことが重なりあって相乗効果になって、よりいっそう勝つ事を難しくする。誰もが勝って目立ちたいからだ」。

アームストロングとヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)は今日のステージではチームメイトのヘルト・ステーグマン(ベルギー)のためにアシストに回った。132.5kmのステージのフィナーレは、40度の気温の中7kmの上りのスプリント合戦になった。

ブリュイネール監督は言う。「この最高に熱い気候のなかで加速するのは本当に困難だ。こういった条件のスプリントはとてもスローになることを我々は経験値で知っている。4~5%の上りでもあった。

ステーグマンはこの日トップのカルドソから1秒遅れの22位に終わった。アームストロングはもう1秒遅れて30位だった。

ブリュイネール監督はアームストロングとポポヴィッチ、ダリル・インペイらに最後の上り坂の前に集団の前に上がるように指示した。それはステーグマンを集団前方に残すためにタイム差を失うことを懸念してのことで、こういった戦略は6ヶ月前のツール・ド・フランスでもしばしば見せた方法だ。

今年の7月、アームストロングはツール8勝目に挑むことは確かなようだ。ランスは今日、ツールのライバルとなるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパニュ)やカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)と闘った。見た限りではアームストロングは昨年より強い。おそらくツールに勝つことは十分に有り得ると思えた。

ツアー・ダウンアンダーで勝つことはおそらく難しいだろう。しかしアームストロングは強さを見せている。ファンは土曜日、第5ステージのゴール手前に登場するウィランガ・ヒルでのランスの走りをしかと見届けたい。

最終日前日に計2回登場するこの上りは、7.5%ほどの勾配が3kmに渡って続く大会最大の難所であり、毎年大勢の観客が詰めかける。最後の上り(ゴール20km手前)でアタックを成功させ、ゴールまでスプリンターたちを振り切ることが出来れば、総合優勝のチャンスはある。


text:Gregor Brown in Adelaide, Australia