2017/10/29(日) - 04:51
Jプロツアー最終戦となる「第51回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」が、群馬サイクルスポーツセンターで開催された。P1クラスタはマトリックスパワータグの佐野淳哉が優勝。マトリックスパワータグが団体戦も制し、経済産業大臣旗を手にした。
全22戦のJプロツアーの最終戦は、レースレーティングが最も高いAAAA(クアトロ・エー)に指定される経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ。獲得できるポイントは通常の約3倍となるだけでなく、このレースでは大会名にもある「経済産業大臣旗(輪翔旗)」が、団体戦の優勝チームに与えられる。
本来この大会は南魚沼市で開催される予定だったが、コースに使用する道路が落石や崩落により使用出来なくなったため、群馬サイクルスポーツセンターに変更しての開催となった。
当日の天気は曇り。前週のジャパンカップ同様に台風が迫る中での大会となったが、幸いにも雨が落ちてくる事は無かった。しかし気温は10℃前後の寒さの中でのレースとなった。
P1 佐野淳哉が優勝
P1クラスタは22周132km。1周目に集団が分断され、30人ほどが先行する。その中から7人が飛び出し、4周目までに2人が合流して9人の先頭集団が形成される。メンバーは、岡篤志、阿部嵩之(以上宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、湊諒(シマノレーシング)、柴田雅之(那須ブラーゼン)、中西健児(キナンサイクリングチーム)、筧五郎(イナーメ信濃山形)、トム・ボシス(東京ヴェントス)、安原大貴(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)。メイン集団との差は一時3分30秒以上に開く。
5周目、中田拓也(インタープロサイクリングアカデミー)、岸崇人(那須ブラーゼン)、若杉圭祐(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)、木村圭佑(シマノレーシング)、横塚浩平(LEOMOベルマーレ)の5人が追走集団を形成。メカトラで遅れた岡と共に先頭集団に合流する。
先頭集団との差を1分以内に詰めたメイン集団からは、ハビエル・サラダ・ペレス(エルドラード東北)や秋田拓磨(シマノレーシング)らもブリッジをかけて合流。先頭集団は12周目までに14人に。
さらに14周目、横山航太(シマノレーシング)と山本元喜(キナンサイクリングチーム)の2人が新たに先頭集団に合流して16人。メイン集団との差は2分前後で推移しつつ、レースは終盤へ。
残り3周、4人揃えるシマノレーシングが波状攻撃をしかける。木村のアタックが潰されると、心臓破りの坂で横山がアタック。これも潰されると湊がカウンターでしかけて残り2周に突入。山本や佐野、岡が応戦するがどれも決定打とならない。
最終周回に入るところで佐野がアタック。これについて行けたのは横山、山本、岡。その直後、岡が落車で遅れ、代わって木村が追いついて4人が先行する。メイン集団は再び1分以内まで差を詰めるが吸収するまでには至らず。勝負は4人に絞られた。
心臓破り前のアップダウン区間で横山がアタックするも、佐野を先頭に追走して吸収。そして心臓破りに差し掛かったところで再び佐野がアタック。しかしこれも勝負を決めるアタックにはならず、残り100mのスプリントへ。
山本、木村、佐野の順でホームストレートに現れた3人。最後尾からスプリントに入った佐野が、残り50mを切ったところで山本、木村をかわしてゴール。タイムトライアルチャンピオンシップに続く今季2勝目を挙げた。マトリックスパワータグは団体総合でも優勝して経済産業大臣旗を獲り、最終戦を完全勝利で終えた。
「シマノが4人揃えて攻撃的な走りをしてきたので、彼等に合わせて行ったら自分の身が持たない事はわかっていました。なので、なるべく自分の脚の使いどころを見極めて、勝負所にかける事だけを考えていました」と、今日の戦略を語る佐野。結果として1人で勝ってしまった感もあるが、「今日はたまたま展開に恵まれただけですね。寒いのにも強いし、運があったのだと思います」と謙遜する。
一方、最終周回まで攻撃したシマノレーシング。U23の全日本チャンピオンジャージで臨んだ横山は「このジャージを着てレースを走れるのは多分このレースが最後になるので、個人的に気合が入ってました。先頭集団に4人いたのはシマノだけだったので、逃げ切りが濃厚になった終盤に代わる代わる攻撃をしかけていきました。最終周回に自分からしかけて佐野選手、岡選手、山本選手が残り、後から木村選手がブリッジをかけて追いついてきてくれたので攻撃するしかないと思い、再度行きましたが力が足りませんでした。
チームとして良いレースは出来たと思いますが、佐野選手に力負けして輪翔旗を取れなかったのは悔しいです。今の調子は悪くないので、ツール・ド・おきなわで頑張りたいと思います」と、語った。
3位の山本は「チームメイトの中西が強い選手の逃げを潰してくれたので、自分は最後の勝負に向けて脚をためる事ができましたが、ラスト2周と1周で登りで仕掛けましたが佐野さんに踏み負けてしまいました。そこで独走に持ち込みたかったのですが、振り切れませんでした。苦手なスプリント勝負とは言え、勝ち切れなかったのは申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、反省を交えて語った。
Jプロツアーは2017年シーズンの全戦が終了した。個人総合優勝は、昨年に続きホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が決めた。
「率直に嬉しいよ。総合優勝は今回で4回目。みんな簡単に勝ってるように思うかもしれないけれど、シーズンを通してトップコンディションを維持するのは大変だし、簡単な事じゃない。チームもハードワークをこなしてきたからこそ勝てたと思う。今年は好調を維持出来たので、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野でも良い結果を出す事が出来た。その上ルビーレッドジャージも取る事が出来て最高だね。来年も取れるかわからないけれど、可能ならもう1回総合優勝したいと思っているよ」と、今シーズンの感想を語ってくれた。
F 谷江史帆が優勝
女子のFクラスタは6周36km。
3周目までに、合田祐美子(BH BIORACER)、樫木祥子(AVENURA AIKOH VICTORIA RACING)、新川明子(ブラウ・ブリッツェン)、谷江史帆(バルバレーシングクラブ)、棟近陽子(EURO-WORKS Racing)の5人が残る。合田と樫木が登りごとにペースアップを図り、棟近が遅れるが、新川と谷江が残る。最後は4人のスプリント勝負となり、谷江が先着して優勝した。
経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ 結果
全22戦のJプロツアーの最終戦は、レースレーティングが最も高いAAAA(クアトロ・エー)に指定される経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ。獲得できるポイントは通常の約3倍となるだけでなく、このレースでは大会名にもある「経済産業大臣旗(輪翔旗)」が、団体戦の優勝チームに与えられる。
本来この大会は南魚沼市で開催される予定だったが、コースに使用する道路が落石や崩落により使用出来なくなったため、群馬サイクルスポーツセンターに変更しての開催となった。
当日の天気は曇り。前週のジャパンカップ同様に台風が迫る中での大会となったが、幸いにも雨が落ちてくる事は無かった。しかし気温は10℃前後の寒さの中でのレースとなった。
P1 佐野淳哉が優勝
P1クラスタは22周132km。1周目に集団が分断され、30人ほどが先行する。その中から7人が飛び出し、4周目までに2人が合流して9人の先頭集団が形成される。メンバーは、岡篤志、阿部嵩之(以上宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、湊諒(シマノレーシング)、柴田雅之(那須ブラーゼン)、中西健児(キナンサイクリングチーム)、筧五郎(イナーメ信濃山形)、トム・ボシス(東京ヴェントス)、安原大貴(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)。メイン集団との差は一時3分30秒以上に開く。
5周目、中田拓也(インタープロサイクリングアカデミー)、岸崇人(那須ブラーゼン)、若杉圭祐(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)、木村圭佑(シマノレーシング)、横塚浩平(LEOMOベルマーレ)の5人が追走集団を形成。メカトラで遅れた岡と共に先頭集団に合流する。
先頭集団との差を1分以内に詰めたメイン集団からは、ハビエル・サラダ・ペレス(エルドラード東北)や秋田拓磨(シマノレーシング)らもブリッジをかけて合流。先頭集団は12周目までに14人に。
さらに14周目、横山航太(シマノレーシング)と山本元喜(キナンサイクリングチーム)の2人が新たに先頭集団に合流して16人。メイン集団との差は2分前後で推移しつつ、レースは終盤へ。
残り3周、4人揃えるシマノレーシングが波状攻撃をしかける。木村のアタックが潰されると、心臓破りの坂で横山がアタック。これも潰されると湊がカウンターでしかけて残り2周に突入。山本や佐野、岡が応戦するがどれも決定打とならない。
最終周回に入るところで佐野がアタック。これについて行けたのは横山、山本、岡。その直後、岡が落車で遅れ、代わって木村が追いついて4人が先行する。メイン集団は再び1分以内まで差を詰めるが吸収するまでには至らず。勝負は4人に絞られた。
心臓破り前のアップダウン区間で横山がアタックするも、佐野を先頭に追走して吸収。そして心臓破りに差し掛かったところで再び佐野がアタック。しかしこれも勝負を決めるアタックにはならず、残り100mのスプリントへ。
山本、木村、佐野の順でホームストレートに現れた3人。最後尾からスプリントに入った佐野が、残り50mを切ったところで山本、木村をかわしてゴール。タイムトライアルチャンピオンシップに続く今季2勝目を挙げた。マトリックスパワータグは団体総合でも優勝して経済産業大臣旗を獲り、最終戦を完全勝利で終えた。
「シマノが4人揃えて攻撃的な走りをしてきたので、彼等に合わせて行ったら自分の身が持たない事はわかっていました。なので、なるべく自分の脚の使いどころを見極めて、勝負所にかける事だけを考えていました」と、今日の戦略を語る佐野。結果として1人で勝ってしまった感もあるが、「今日はたまたま展開に恵まれただけですね。寒いのにも強いし、運があったのだと思います」と謙遜する。
一方、最終周回まで攻撃したシマノレーシング。U23の全日本チャンピオンジャージで臨んだ横山は「このジャージを着てレースを走れるのは多分このレースが最後になるので、個人的に気合が入ってました。先頭集団に4人いたのはシマノだけだったので、逃げ切りが濃厚になった終盤に代わる代わる攻撃をしかけていきました。最終周回に自分からしかけて佐野選手、岡選手、山本選手が残り、後から木村選手がブリッジをかけて追いついてきてくれたので攻撃するしかないと思い、再度行きましたが力が足りませんでした。
チームとして良いレースは出来たと思いますが、佐野選手に力負けして輪翔旗を取れなかったのは悔しいです。今の調子は悪くないので、ツール・ド・おきなわで頑張りたいと思います」と、語った。
3位の山本は「チームメイトの中西が強い選手の逃げを潰してくれたので、自分は最後の勝負に向けて脚をためる事ができましたが、ラスト2周と1周で登りで仕掛けましたが佐野さんに踏み負けてしまいました。そこで独走に持ち込みたかったのですが、振り切れませんでした。苦手なスプリント勝負とは言え、勝ち切れなかったのは申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、反省を交えて語った。
Jプロツアーは2017年シーズンの全戦が終了した。個人総合優勝は、昨年に続きホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が決めた。
「率直に嬉しいよ。総合優勝は今回で4回目。みんな簡単に勝ってるように思うかもしれないけれど、シーズンを通してトップコンディションを維持するのは大変だし、簡単な事じゃない。チームもハードワークをこなしてきたからこそ勝てたと思う。今年は好調を維持出来たので、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野でも良い結果を出す事が出来た。その上ルビーレッドジャージも取る事が出来て最高だね。来年も取れるかわからないけれど、可能ならもう1回総合優勝したいと思っているよ」と、今シーズンの感想を語ってくれた。
F 谷江史帆が優勝
女子のFクラスタは6周36km。
3周目までに、合田祐美子(BH BIORACER)、樫木祥子(AVENURA AIKOH VICTORIA RACING)、新川明子(ブラウ・ブリッツェン)、谷江史帆(バルバレーシングクラブ)、棟近陽子(EURO-WORKS Racing)の5人が残る。合田と樫木が登りごとにペースアップを図り、棟近が遅れるが、新川と谷江が残る。最後は4人のスプリント勝負となり、谷江が先着して優勝した。
経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ 結果
結果 P1クラスタ 132km
1位 | 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) | 3時間22分29秒 |
2位 | 木村圭祐(シマノレーシング) | +0秒 |
3位 | 山本元喜(キナンサイクリングチーム) | |
4位 | 横山航太(シマノレーシング) | +10秒 |
5位 | 吉田隼人(マトリックスパワータグ) | +15秒 |
6位 | 吉岡直哉(那須ブラーゼン) | +16秒 |
団体成績
1位 | マトリックスパワータグ | 565p |
2位 | シマノレーシング | 550p |
3位 | キナンサイクリングチーム | 365p |
Fクラスタ36km
1位 | 谷江史帆(バルバレーシングクラブ) | 1時間4分11秒 |
2位 | 樫木祥子(AVENURA AIKOH VICTORIA RACING) | +0秒 |
3位 | 合田祐美子(BH BIORACER) | +0秒 |
E1クラスタ42km
1位 | 八幡光哉(FORCE) | 1時間2分33秒 |
2位 | 利田卓也(Y's Road) | +0秒 |
3位 | 森栄晃彦(パラディアムTOKYO) | |
4位 | 赤萩秀弥(弱虫ペダルサイクリングチーム) | |
5位 | 永吉篤弥(DESTRA) | |
6位 | 中川直樹(SPADE・ACE) |
E2(36km)
1位 | 塩沢 魁(インパルス) | 55分38秒 |
2位 | 松尾修作(Roppongi Express) | +0秒 |
3位 | 川久保大海(彩北ツブラーゼ) | |
4位 | 石井晋也(EURO‐WORKS Racing) | |
5位 | 奥秋 篤(コムリン) | |
6位 | 菊川実紀(Roppongi Express) |
E3(30km)
1位 | 篠田淳史(インパルス) | 47分1秒 |
2位 | 平井光介(TEAM YOU CAN) | +0秒 |
3位 | 古谷勇輝(パナソニックレーシング) | |
4位 | 安田大希(EXTENDED VAX SAYAMA) | |
5位 | 佐藤弘章(チーム アベノバ) | |
6位 | 豊崎正裕(DESTRA) |
photo:Masafumi KASAI,Satoru Kato
text:Satoru Kato
text:Satoru Kato
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