北京五輪ロードレースで銀メダルを獲得しながらも、期間中のドーピング検査でCERA(第三世代EPO)の陽性反応が検出されたダヴィデ・レベッリン(イタリア)のインタビューが12月23日付けのガゼッタ紙に掲載。レベッリンはその中でドーピング使用を否定した。

ダヴィデ・レベッリン(イタリア)ダヴィデ・レベッリン(イタリア) photo:Cor VosレベッリンのCERA陽性は今年4月下旬に発覚。CONI(イタリア五輪委員会)はまだ正式な処分を決定していないが、IOC(国際オリンピック委員会)はレベッリンに対して銀メダルの返還を求めている。これまで8ヶ月に渡って沈黙を保っていたレベッリンが、ガゼッタ紙の独占インタビューの中で心境を語った。

「CERAなんて使用していない。検査に矛盾が多すぎるんだ」。レベッリンは期間中のドーピング検査について次のように指摘した。

「大会期間中に行なわれたドーピング検査は3回。8月5日にWADAによる血液検査、8月8日にUCIによる全選手対象の血液検査と尿検査、そしてレース後の8月9日に同じく血液検査と尿検査が行なわれた。陽性反応が出た検査は8月5日のもので、当初考えられていた8月9日のものではないんだ。IOCが手渡した調書には“日付は明確ではない”と書かれていたけど、11月17日の判決では8月5日と明記されていた」

「そしてもう一つ謎がある。合計7サンプルが僕のものとされているけど、それは有り得ない。合計3回検査を受けて(2サンプルずつ採取するため)サンプルの数は偶数でなければならない、つまり6サンプルのはず。それについて彼らから返答は無い」

処分が確定すれば、イタリアの112年に渡るオリンピックの歴史の中でレベッリンは初のドーピング違反者となる。身の潔白を証明するために、レベッリンは一件をCAS(スポーツ仲裁裁判所)に訴えている。判決は数ヶ月にうちに出る予定だ。

「ドーピング疑惑が浮上した日も、ロードトレーニングに出かけたんだ。それ以降ずっとトレーニングは続けているよ。トレーニングが鬱憤の捌け口になっている。最後のレースはリエージュ。今年はすでに33000kmを走っている。明日にでも復帰出来るぐらいのコンディションだ」

レースへの復帰を待ち望んでいるレベッリンは、最後にこう締めくくった。「いつも、“どうしてこんなことが起こったんだ?”と自問自答している。謎だらけだ。自分が無実だということを証明してみせるよ」

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos